国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 88

2010-08-18 00:07:05 | 国鉄改革関連
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今回は、現JR東海代表取締役名誉会長、葛西職員局次長(当時)の談話です。

2月中旬へ最後の採用作業進む

【民営化に向けて、今後の作業の中心になることについてお聞かせ下さい】

現在、民営化に向けての作業は大詰めの段階に来ておりますが、その中で職員局が担当していることについて、重要なポイントを申し上げてみます。
まず第一に、職員の採用問題があります。これは設立準備委員会の定めた採用基準並びに採用についての指示事項に基づいて我々としては公平な職員の採用を進めていくということです。具体的な進め方や内容については、すでに種々話題にのぼっていますので新たにつけ加えていうことはありません。公平、公正に定められた手続きに従って進めていくということです。日程的には、2月10日過ぎに第3回設立委員会が予定されていますからその前に名簿を提出して、この委員会で承認をいただくというスケジュールになると思います。
採用は会社ごとになりますから、会社毎に採用された人間が新しい会社の業務を運営していくことになります。年度末にかけて大量の希望退職や特別退職が出たり、会社毎の採用が行われることに伴い、職員のかなり大規模な異動があります。この異動の中でいやしくも列車の安全運行が乱れるようなことがあってはならないということで、安全で安定した輸送を維持できるような業務体制をできるだけ早く作り、出来れば3月の上旬ぐらいには、新しい配置をして一定の慣れた状態で4月1日を迎えるということを目指して進めていくということです。そのスケジュールに従って遺漏のないように進めていくことになります。
二番目の問題としては、労使関係つまり労組との問題があります。新しい会社というのは、民間企業になっていろんな創意工夫、あるいは新しい分野への展開ということを行って事業に発展を目指していくことになりますけれども、関連企業への展開とか、あるいは諸々の民間的な活力の導入とかいうものは、4月1日から直ちに実を結ぶというよりは、4月1日以降あるいは、これまで行なってきたことをさらに4月1日以降強力に推進して、その播いた種子が花をつけ実を結ぶというのは一定の期間を経てからということになると思います。ですから新しい会社が直面する何にも増して大切な経営上の課題というのは、鉄道事業が安定した経営、運営を維持していくことができることであり、これは列車の安全、安定運行に尽きると思います。これらを考えますとやはり労使関係はたいへん大切であります。鉄道産業というのは本質的に労働集約産業であり、電電公社の場合よりもより一層労働集約性が強く、労使関係こそが新しい会社がうまく行くか否かの第一条件だということになりますので、この新しい労使関係をどのように形作っていくのかということが問題であります。

続く

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