国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 111

2010-09-20 10:35:49 | 国鉄改革関連
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おはようございます、国鉄改革に関する公企労レポートはこれが最後となりました。
といいましても、一気にアップすることは出来ませんので、今週中くらいは続くと思います。
さて、今回は公企労レポート、昭和62年3月5日のレポートです。

全役員人事等、3月末の総会で決定へ

4月新会社始動、大詰めの移行準備

「さよなら国鉄」千変万化、百有余年の歴史に終止符


4月1日の新会社のスタートまで1ヶ月足らず、国鉄の移行準備は大詰めを迎えているが、これまでに内定した会長(四国を除く)、社長を含む全役員人事、本社所在地、資本金等を定めた定款は、今月中旬の第四回設立委員会を経て、下旬に開かれる創立総会で一斉に正式決定する。新会社に採用された、20万5600余名の配属についても、今月上旬には各社の設立委員が決定、これに基づいて国鉄が配属転換計画をつくり、中旬には発令される予定である。幹部職員の異動も2月14日に続き、第2、第3弾として約600名が各地に転出した。また、2月からは各現業機関の業務運営も新会社に合わせた体制に切り替わり、管理局の境界は新会社の営業エリアに合わせて変更される。一方利用者に向けた新生国鉄キャンペーンも開始され、31日の「さよなら国鉄」のイベント、翌日の新会社誕生と一気に進み、同時に国鉄は百十余年の歴史を閉じる。

各社新役員の民間人起用が焦点

▽・・・各新会社のトップ人事は予想以上に難航したが、25日、東日本会社を最後に全て決定した。国鉄改革の狙いは民間の効率的経営の導入にあり、各会社のトップには民間人の起用が強く要請され政府財界は全力をあげて人選に当たった。国鉄崩壊の原因が、親方日の丸意識に安住し、思い切った改革が出来なかったかっての国鉄経営陣と、国鉄の収支を悪化させる赤字路線の開設等、政治的要求を退けることができなかった運輸官僚にあるといわれているだけに、より多くの民間の有能な経営者の参加が期待されていたが、結果は民間から会長、運輸省、国鉄から社長という形となった。今後各社別に開かれる設立総会でどれだけの役員が民間から起用されるかが焦点となる。

▽・・・新会社の労働組合は、鉄道労連、国労、鉄産労の三つがてい立する。第二次共同宣言を締結、一貫して改革に協力してきた鉄道労連がほぼ三分の二を占め、今後の労使関係の中軸となるが、鉄産労加入も第一次労使共同宣言を次々に結んでおり、協調路線をとる職員が80%を占め、安定した労使関係の期待は強まっている。民営にあたって最重要視された雇用問題は、政府、一般産業界の協力を得て、当初予想を越えて進展した。北海道・九州では6400余人が不採用となったが設立委員会は4月以降、定員に満たない本州・四国各社に再募集を指示している。
労使関係とからんでこの成り行きも注目される。

▽・・・多くの民間人が、トップ就任をしぶったことに見られるように、新会社の未来は決してバラ色ではない、当分は茨の道は続くだろうが、人材、技術力、隠れた経営資源は決して少なくない。これらを十分に活用すれば将来の発展は不可能ではない。国鉄をさった人達を含め、多くの国民は今、期待をこめて見守っている。

続く

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