珍珠茶日記

中国・台湾への旅行記など。

2008 西双版納への旅 -雲南映像

2008年05月25日 10時55分52秒 | 雲南旅行
【2日目 「雲南映像」鑑賞】

少数民族の文化をモチーフにした舞台がいくつかあり、雲南の数箇所で上演されている。麗江の麗水金沙、景洪のMeng ba la naxiなどがそれである。
その両方観て、少数民族の舞踊ステージに魅了されたわたしは、以前、他にも同じ様なものが無いかネットで調べてみた。すると、昆明で「雲南映像」という舞台があり、少数民族の舞踊のみならず、上海・北京の雑技とならぶ中国最高峰のステージ・ショーである事を知った。なんでも、そのショーの楊麗萍さんの「孔雀舞」は中国で知らない人がいない程のものらしい。しばらく後で「世界ふしぎ発見」でも、このショーが取上げられ、絶賛されていた。出演者たちは楊麗萍さんが自分で雲南の村々を周り、スカウトしてきた若者で、プロのダンサーだったものはいない、との事。また民族の伝統が消えていくことを危惧した彼女自身が、雲南各地の山村で民間の歌舞を収集・整理を行った。苦境に陥ったショーの資金を調達するため彼女は、自分のすべての貯金をはたき、大理にある住宅を売り払ったという事だった。
「雲南映像」を昆明で見る事が、今回の雲南旅行の目的の1つとなった。
一言で言えば、ショーは素晴らしかった。興奮、驚き、感動が盛り沢山。会場には欧米からの団体客もいたが、彼らから ”ブラボー”の声も出ていた。


昼間の雲南民族村観光からホテルに戻り、直ぐに着替えて会場である昆明会堂へ向かった。Sakura Hotelから徒歩10分と近い。
会場の入り口付近には綺麗な民族衣装を着た若い女性が二人いて、各観客のチケットの番号を見て、それぞれのホールの入場口を教えていた。
わたしの席は1列目。開演1時間前のチケット購入だが、ラッキーにも1列目の真ん中の席が取れたのだ

ショーはプロローグ(天地開闢)、太陽、土地、家、火祭り、聖地巡礼、エピローグ(孔雀の霊)の7部からなり、その昔、この世で最初の太鼓の音がならされ、人間が村で生活を始め、農作物を作り、収穫を祈り、祭りを行い、愛の営みを通して家族をもち、魂が天に帰る...といった生命の流れを、イ族、ミャオ族、チベット族、ダイ族、ぺー族、ワ族、ハニ族などの、それぞれの村の民族の踊りや歌声、農作業など生活の中の動作、それに昆虫などの生物の動きを用い、象徴的に表現していた。

一番前の席にいると、出演者の表情や感情の動きがよくわかった。
出演者であるすべての男女、おもに20代前半だと思われる若者達は汚れのない動物の様。イキイキと、好奇心とエネルギーに満ち溢れた表情をしている。驚いたことに出演者には小学生くらいの女の子も含まれていた。それから、後で気付いたのだが、後でショーが初めのピークを迎え、客席からの拍手の渦とと賞賛に包まれていたとき、わたしのすぐ目の前のステージ最先端に立って、今この瞬間にステージに立っている事が幸せでしょうがない、といった表情を浮かべている女性二人は、どうやら入場口でわたしに席の場所を説明してくれた人たちの様であった。汚れのない表情に加え、つるつるの美しい肌の二人はどことなく生まれたてのウーパールーパーを思わせた。

ショーにはトンボなど昆虫の動きを比喩的に取り入れた、愛の営みの表現があり、若い男女がこれを演じていたが、やや生々しい微妙な表現を彼らは美しく、感動的演じていた。
有名な孔雀舞は、中盤のタイ族出身のダンサ-のソロによるステージ後方からのシルエットでの演技と、孔雀の霊が飛び立っていくクライマックスでの演技とがあった。
なお、美しい舞台衣装はみな、本物の民族衣装。踊り手たちが故郷で伝統的に習う方法で縫製されたものなどである。楽器や仮面などの道具類もみな本物ということだった。
もともと楊麗萍さんが雲南映像ははじめられた動機は、少数民族の服装や太鼓の打ち方、舞踊の踊り方などの伝承的な技、が消滅していく事への危惧からだ。伝統の本来の姿を残しつつ、新しい世代に引継ぎ残していく事である。
楊麗萍さんは、天才ダンサーと呼ばれる人だが、後継者が育った事から、現在は自身はステージに上がっていないらしい。今回も(わたしの認識に間違いがなければ)途中、舞台裏からの歌声のみで参加されている様子だった。

次回昆明に来るとき、必ずもう一度観よう、と思わせるステージだった。

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雲南映像の上演時間、日程、料金は以下の通り。会場の売店では、中国語と英語の両方で書かれたパンフレット、ポストカードセット、あるいはその両方に楊麗萍さんのサイン入りブロマイドの付いたセットが100元(たしか100元)で売られていたので、購入した。

【出演時間】20:00-22:00(年中無休) 
【チケット料金】120元、180元、280元、380元。
380元、1階の4、5列
280元、1階の1、2、3、6、7列
180元、1階の8~18列、2階の1~20列
120元、2階の21~30列


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