珍珠茶日記

中国・台湾への旅行記など。

2008 西双版納への旅 -基諾山へ

2008年05月31日 19時55分21秒 | 雲南旅行
【4日目 基諾族の里 基諾山へ】

朝8時にホテルを出て、バスターミナルへ向かう。昨夜、フロント娘にバスで基諾(ジノー)山まで行ける事を確認した。
中国語がへたくそな男が一人でバスに乗って、そんな所まで出かける事にやや驚いた様子ではあったが、とにかく民航路の景洪市版納客運站(Jinghong Banna Bus Station)に行けば何とかなりそうだった。
タクシーを拾ってバスターミナル行きを告げると、日焼けした肌の若い運転手は、バスターミナルに行ってからどこへ向かうのか、このタクシーを1日チャーターしないか?と訊いてきた。念のためいくら掛かるか訊ねると1日乗って200元(3200円程)という。バスなら1時間以上は掛かる基諾山へも、タクシーなら簡単に行けるし、今日一日色んなところを観て周れ、結果的に時間とコストを節約できるだろう。
OKして、基諾山への直行を指示した。

ガイド本には、基諾族は1979年に公認された最も新しい少数民族とある。人口は2万人ほど。まさに少数民族だ。
基諾族は基諾山近辺の村々で暮らしている。何年か前に山の中に今日の目的地である”基諾山寨”が作られ、そこで観光客向けに基諾族の村や暮らしを紹介している。

基諾山は景洪市東約30kmにあり、タクシーで30-40分程で到着。
130元の入場料には、ガイド料金が含まれている。タクシー運転手が若いガイドのところのいるところまで一緒について来て、「こいつはあまり中国語の出来ないやつだから、しっかり面倒みて、最後にこの場所までつれ戻してきてくれ」と話している。
そのガイドのもと、上海から来た中国人の観光客グループと共にガイドツアーのスタート。

ガイドは20歳くらいの若い女の子。10代かもしれない。気強そうな顔立ちで、なかなかの美人。一般的に基諾族がそうなのか、あるいは山に住むためか、浅黒い肌をしている。基諾族は太陽神を信仰しており、村の入り口にある門や民族衣装などに太陽を思わせるマークが付けられている。彼女の衣装(兼ガイドの制服)にも、それがあった。

山を少し登ったところに広場があり、そこで民族舞踊が始まった。若い男女による勇敢な踊りで、大きな太鼓は、やはり太陽の形にデザインされている。
 
【写真】舞踊を踊る男女の服には、太陽を思わせるデザインが。



続いて基諾族の生活や家の様子、民芸品を作っているところを説明してもらう。タクシーの運転手が掛けた言葉のためか、ガイドの女の子は、常に僕の傍に来てくれていた。彼女は説明をする度に、「あなた、判った?」という風に僕の目をのぞき込んでくる。なんだか楽しいツアーだ。
タクシーの運転手は、ジーパンに中年が履く様な革靴のスタイルのいかにも野暮ったい男だったが、彼もなかなか粋なことをしてくれるもんだ。

  
【写真 左】ガイドツアーで説明を受ける。
【写真 中】年配の女性。耳には穴をあけており、ピアスの様に、大きな木の様なものをはめていた。
【写真 右】頭飾りをアップで。他にもハニ族やイ族など、かぶりものの民族衣装は多いですね。

ガイドツアーには、蛇使いの芸や、黒服の男の子達の、刀でできた梯子の上を裸足であがったり、熱く焼かれた炎を自分の腕に触れさせる曲芸など、基諾族の村でこんな事するんか?とちょっと小首を傾げたくなる様な出し物もあった。曲芸の仕事のためにやってきた外国人によるものだろう。
観光客相手であるが故に、客芸まで披露しなくてはならない村や、出稼ぎにきた若者の事を思うと少し複雑な気持ちになる。
黒服の若い男の子がタバコをたかりに観光客に近付いてきた時、僕はなんだか、彼らがわざと卑しい汚れ役を演じている様な気がした。
ガイドの女の子が、「だめよ、こんな人たち、相手にしちゃだめ」というジャスチャーを見せ、僕にその場を立ち去らせようとした時、男の子の一人が、そっと彼女の手に触れようとした。彼女が嫌そうにその手を払いのけると、彼は一瞬、悲しそうな表情を浮かべていた。

休憩時間、ガイドの女の子達は純粋な笑顔で子犬を可愛がったり、携帯を見つめたりしていた。山奥の村に住む神秘的な部族だが、民族衣装を脱いだら普通の女の子達なんだろうな、という気がした。



【写真】蛇使いの女性。基諾族との関わりはよく判らなかったが、面白いことは面白かった。この後、他にも少数民族の文化を紹介する観光地に行って判ったのだが、この様に民族とあまり関係の無さそうな物、事をアトラクションにしている所は多かった。


【写真】写真 未熟な中国語能力のため、説明が理解出来なかったが、何かの御利益があるらしい植物。女性たちが植物に触れていた。男の僕が触ろうとすると、みんなに慌てて止められた。


【写真】最後はガイドさんと記念撮影。可愛くて陽気な彼女のおかげで楽しいツアーでした。


2008 西双版納への旅 -景洪観光

2008年05月28日 23時33分04秒 | 雲南旅行
【3日目 曼聴公園】

云波酒店はそれないに清潔ではあるが、建物は古いらしく、普通に鍵を挿して回しても部屋のドアは開かない。
一定の角度にずらし、力を入れて左側に回転させてようやく開いてくれる。フロント娘がやってきて、ドアの開け方、テレビのチャンネルの操作方法、エアコンのつけ方を一通り説明して帰っていった。
時刻は昼過ぎで、テレビでは、光良が若者向けの音楽番組で中国のヒット曲のプロモーションビデオを流していた。

移動で疲れたので遠出はせず、近くの曼聴公園に行ってみることにする。
大きな見所のあるところではないが、民族舞踊はなかなか良いし、寺院もあり、のんびり散歩ができる。
昼の入場券は40元(たしか..)。中ではちょうどタイ舞踊ショーが始まる前で、ホールにぱらぱらと客が入り始めていた。
一番前の席でショーを見物。
司会の女性の挨拶に続き、若い男女によるタイ族やハニ族の舞踊が次々に行われる。見ると、以前に来た時と同じ踊り子さんがいるのがわかる。普段覚えている訳ではないのに、観たら記憶がよみがえるから不思議だ。
ショーの後、一通り公園を周り、寺院を観てホテルに帰った。

 

曼聴公園の付近は中古の電器屋、海辺の田舎町にありそうなゲーゼン、ペットボトルの回収業者、道路に並べた果物を売るタイ族女性、安宿、食堂、床屋などが並ぶ下町の風景。


夜の曼聴公園では、食事のとれる民族舞踊ショーがある。特に予定も無かったので、夕食がてら、のぞきに行く。
夜の入場料は120元、160元、280元にわかれている。一番安い120元で入場。
値段は分かれてはいるが、食事の内容はほぼ同じで、違いはテーブルの場所と、ショーの席の位置くらい。
ちなみに食事の内容は、香草をまいて焼いたタイ族式の焼魚「烤魚」、串焼きの肉、巨大な茄子に辛いソースをつけたもの、米線、とびっきり強い酒など。どれも味は良かった。
舞踊ショーの踊りの内容は、昼のものとほぼ同じで踊り子さん達も同じ。だが、昼間と違い、劇場は立ち見が溢れる程に客が入っている。
達者な司会者の男性は、ゲームで客を舞台に上げ、笑いを取り、ステージを大いに盛り上げていた。


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曼聴公園の昼間の民族舞踊は14:00くらいから始まる。



2008 西双版納への旅 -景洪へ

2008年05月26日 23時08分53秒 | 雲南旅行
【3日目 景洪到着・ホテル探し】

朝、フロントでチェックアウトに行くと、同じ様にチェックアウト中の二人の日本人旅行者がおり、よろしければ空港まで一緒にいきましょうか、という事になった。
一般企業で言えば、管理職くらいの年齢の方々で、タクシーの中で話しを聞くと、お二人は少し早くGW休暇を取り、既に桂林とここ昆明を周り、今日名古屋へ向かうとの事。
来るときのタクシー代は深夜料金も加算され、30元程掛かったが、帰りは10元で済んだ。
タクシーを降りると直ぐ、制服姿のボーイが近付いてきて、カートに我々の荷物を積み出した。中国語堪能な名古屋の男性によれば、ボーイは我々のために航空会社のチェックインカウンターまで荷物を運んで、チェックイン手続きもする。その代わりに一人10元ずつチップが必要となる、という話の様だ。自分でチェックインするジャスチャーをすると、ボーイは諦めて去って行った。挨拶をして、名古屋の方々とも別れた。

西双版納の空港までは四川省航空というあまり名前を聞かない会社の航空券をネットで買っていた。片道550元でさらに、燃料代や税が必要。
40分ほどのフライトで飛行機は景洪・西双版納に到着。

景洪では、宿を予約していないので、事前にネットで人の体験記などを基に調べた数件のホテルを周り、宿泊する場所を決めることにしていた。
楽天トラベルに出ていたホテルは、GW期間中の稼ぎ時という事で、全て通常料金の2倍となっていた。普段350元なら700元という様に。
空港前で客待ちしているタクシー運転手に、バックパッカーたちが好む安宿の住所を見せ、「ここに行ってくれ」と頼んでみたが、どのドライバーも「聞いたことない」「知らん」と言って連れてってくれそうにない。街の通りが詳しく判る地図は持っていなかったので、場所を指差して頼む事も出来ない。
それでは、と古くからある別のホテル名を指差すと、「このホテルは良くないよ。料金もこんなじゃないし」と言う。「じゃあ、知っているホテルを紹介してくれ」というと、紙に数件の星付きホテルの名前を書いてくれた。が、どれもこれも予算オーバーだ。
「日本人だから星付きのちゃんとしたところが必要だろ?」
「もっと安いところは?」
「ここはどうだ」
「もう少し安い方がいい」
こんなやり取りの後、最後に出てきた一泊260元のところに決めた。きっと普段は半額くらいだろうから、交渉すればもっと安くなったかもしれない。だが、もう疲れていて早く決めてしまいたかった。
タクシー運転手のニヤリとした表情は気になったが、それでも彼は意外と親切で、ホテルまでの料金もボッタりしなかったし、実際260元と言うのはホテルが掲げている料金よりも安かった。また彼は「あそこの飯やが美味いから覚えておけ」などと教えてくれた。

宿泊代こそ、やや予算オーバーだったが、ホテルは結構当りだった。英語は全く通じないものの、フロント娘達はみんな若くて陽気で親切。滞在期間中、常にパジャマ姿だったオーナーと思しきおやじも、感じが良かった。

とにかく、今回の旅のメインの目的地、西双版納でのホテルが決まった。


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<滞在したホテル>
云波酒店
西双版納景洪市易武路3号

*曼聴公園から徒歩5分の便利なロケーション。
 タクシー運転手によれば、ホテルの前の干鍋屋は美味いらしいが、結局一度も足を運ばず。

2008 西双版納への旅 -雲南映像

2008年05月25日 10時55分52秒 | 雲南旅行
【2日目 「雲南映像」鑑賞】

少数民族の文化をモチーフにした舞台がいくつかあり、雲南の数箇所で上演されている。麗江の麗水金沙、景洪のMeng ba la naxiなどがそれである。
その両方観て、少数民族の舞踊ステージに魅了されたわたしは、以前、他にも同じ様なものが無いかネットで調べてみた。すると、昆明で「雲南映像」という舞台があり、少数民族の舞踊のみならず、上海・北京の雑技とならぶ中国最高峰のステージ・ショーである事を知った。なんでも、そのショーの楊麗萍さんの「孔雀舞」は中国で知らない人がいない程のものらしい。しばらく後で「世界ふしぎ発見」でも、このショーが取上げられ、絶賛されていた。出演者たちは楊麗萍さんが自分で雲南の村々を周り、スカウトしてきた若者で、プロのダンサーだったものはいない、との事。また民族の伝統が消えていくことを危惧した彼女自身が、雲南各地の山村で民間の歌舞を収集・整理を行った。苦境に陥ったショーの資金を調達するため彼女は、自分のすべての貯金をはたき、大理にある住宅を売り払ったという事だった。
「雲南映像」を昆明で見る事が、今回の雲南旅行の目的の1つとなった。
一言で言えば、ショーは素晴らしかった。興奮、驚き、感動が盛り沢山。会場には欧米からの団体客もいたが、彼らから ”ブラボー”の声も出ていた。


昼間の雲南民族村観光からホテルに戻り、直ぐに着替えて会場である昆明会堂へ向かった。Sakura Hotelから徒歩10分と近い。
会場の入り口付近には綺麗な民族衣装を着た若い女性が二人いて、各観客のチケットの番号を見て、それぞれのホールの入場口を教えていた。
わたしの席は1列目。開演1時間前のチケット購入だが、ラッキーにも1列目の真ん中の席が取れたのだ

ショーはプロローグ(天地開闢)、太陽、土地、家、火祭り、聖地巡礼、エピローグ(孔雀の霊)の7部からなり、その昔、この世で最初の太鼓の音がならされ、人間が村で生活を始め、農作物を作り、収穫を祈り、祭りを行い、愛の営みを通して家族をもち、魂が天に帰る...といった生命の流れを、イ族、ミャオ族、チベット族、ダイ族、ぺー族、ワ族、ハニ族などの、それぞれの村の民族の踊りや歌声、農作業など生活の中の動作、それに昆虫などの生物の動きを用い、象徴的に表現していた。

一番前の席にいると、出演者の表情や感情の動きがよくわかった。
出演者であるすべての男女、おもに20代前半だと思われる若者達は汚れのない動物の様。イキイキと、好奇心とエネルギーに満ち溢れた表情をしている。驚いたことに出演者には小学生くらいの女の子も含まれていた。それから、後で気付いたのだが、後でショーが初めのピークを迎え、客席からの拍手の渦とと賞賛に包まれていたとき、わたしのすぐ目の前のステージ最先端に立って、今この瞬間にステージに立っている事が幸せでしょうがない、といった表情を浮かべている女性二人は、どうやら入場口でわたしに席の場所を説明してくれた人たちの様であった。汚れのない表情に加え、つるつるの美しい肌の二人はどことなく生まれたてのウーパールーパーを思わせた。

ショーにはトンボなど昆虫の動きを比喩的に取り入れた、愛の営みの表現があり、若い男女がこれを演じていたが、やや生々しい微妙な表現を彼らは美しく、感動的演じていた。
有名な孔雀舞は、中盤のタイ族出身のダンサ-のソロによるステージ後方からのシルエットでの演技と、孔雀の霊が飛び立っていくクライマックスでの演技とがあった。
なお、美しい舞台衣装はみな、本物の民族衣装。踊り手たちが故郷で伝統的に習う方法で縫製されたものなどである。楽器や仮面などの道具類もみな本物ということだった。
もともと楊麗萍さんが雲南映像ははじめられた動機は、少数民族の服装や太鼓の打ち方、舞踊の踊り方などの伝承的な技、が消滅していく事への危惧からだ。伝統の本来の姿を残しつつ、新しい世代に引継ぎ残していく事である。
楊麗萍さんは、天才ダンサーと呼ばれる人だが、後継者が育った事から、現在は自身はステージに上がっていないらしい。今回も(わたしの認識に間違いがなければ)途中、舞台裏からの歌声のみで参加されている様子だった。

次回昆明に来るとき、必ずもう一度観よう、と思わせるステージだった。

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雲南映像の上演時間、日程、料金は以下の通り。会場の売店では、中国語と英語の両方で書かれたパンフレット、ポストカードセット、あるいはその両方に楊麗萍さんのサイン入りブロマイドの付いたセットが100元(たしか100元)で売られていたので、購入した。

【出演時間】20:00-22:00(年中無休) 
【チケット料金】120元、180元、280元、380元。
380元、1階の4、5列
280元、1階の1、2、3、6、7列
180元、1階の8~18列、2階の1~20列
120元、2階の21~30列

2008 西双版納への旅 -雲南民族村

2008年05月24日 16時45分39秒 | 雲南旅行
【2日目 雲南民族村】

朝8:15。タクシーで民族村へ向かう。思いの外、朝の昆明は渋滞しており、1時間もかかった。民族村の入場料は70元。門の側には様々な民族衣装を着たガイドさんたちが立っているが、皆キツイ表情をしている(笑)。少数民族の純朴て穏やかなイメージとはおよそ違う感じがするが、まあ、こんなもんだろう。
民族村は、雲南省に住む少数民族の暮らしを観光客向けに紹介するテーマパーク。敷地内には25程の民族、あるいは民族のグループの村があり、その中で少数民族出身の人たちが、主に歌や踊りなどの出し物を通して民族文化を紹介している。雲南省の少数民族の村々は、アクセスの困難な奥地にある事が多く、短期間にそれらを周ることは不可能。その点、ここ民族村では、一度に多くの少数民族の人々と接することができるので、足を運ぶ価値は充分ある。


今回、ここで多くの村を周ったので、より記憶に残ったところをいくつか記述することにする。


<ジンポー族>
チベット族の村の行くつもりだったが、近くのジンポー族の村で民族舞踊が始まりそうだったので、立ち寄る。この民族は、雲南の南西部やミャンマーからインドのアッサムにも住居しているとの事。
正装のためか、非常にファッショナブルな雰囲気。
黒と赤を基調とした女性の衣装には、胸のあたりに大きめの鈴のような飾りものが沢山付いている。刺繍の入った帽子も美しい。装苑などの雑誌に彼らの衣装が紹介されていても、違和感なく受け入れられそう。
また、大きな扇子やバンダナなどの小道具を取り入れた彼らの踊りもユニーク。
たまたまこの村のコンパニオン/ダンサーさんたちがそうだったのかもしれないが、男の子も女の子もみな陽気で愛嬌があり、メリハリのある顔立ちでなかなかハンサム。
一人ショートカットで可愛らしい女の子がいたので、写真を撮らせてもらえないかお願いしたら、笑顔でOKしてくれた。

竹を切って作った小さい器で、米で作ったのみもの(酒?)を飲ませてくれるコーナーがあったので、一杯頂くと、少しカルピスの様な味がした。



<納西族>
今年の正月旅行の際に訪れた麗江。その様子をもう一度見たくなり、納西族の村を訪れる。麗江古城の四合院を再現したと思われる建物の中には、民族衣装の展示や、土産物のお店があり、黄、青、赤の綺麗な色合いの納西族の衣装の女の子たち数名待機している。納西族は独自のトンパ文字という絵文字の文化を持っている。
土産物店でトンパ文字の書かれたネックレスを見つけ、あれこれ触っていると、女の子が一人近寄ってきて、文字の意味をいろいろ説明してくれるので、あれこれ迷ったあげく、”願いが叶う”という意味のものを一つ購入。
女の子は日本に興味があるらしく、日本語も少し話す。しばし彼女と談笑。「トンパ文字が判るの?」と訊いてみたら、彼女は笑って首を振り、「店に虎の巻きがあるから、調べれば意味は判るけど、言葉は判らない」。 納西族の若い子達は、トンパ文字よりも日本語や他の外国語を習う事に興味がある様だ。
優しい表情の彼女。写真を撮らせてもらい、笑顔で別れる。

この納西族の村の建物は、演劇セットの様なものではなく、麗江古城にの建物そのものという感じの本格的なもの。
その空間にいると、まさに古城の中をのんびり散歩しているかの様な気分にさせられた。



<白族>
白族の村は人気が高いらしく、敷地も他の民族のものよりも広く感じられる。納西族の村同様、白族の村も雰囲気たっぷり。大理三塔のレプリカさえある。”白”を大切な色と考える白族の人たちの住む大理は、やはり白がベース。
白壁、石畳の街に、赤と白から成る女性の民族衣装も美しい。

舞踊が始まるまで少し時間があったので、そばにある「民族風味」の店で、軽く麺の昼食を取る。が、料理はどうやらマイクロウェーブのものと思われ、味がない。店員さんも、こちらが中国語が下手な外国人だと判ると、露骨に嫌そうな対応をみせる。

待ちに待った舞踊の時間になり、民族衣装の男女が登場。若い男の子達は陽気でエネルギッシュだが、肝心の女の子たちは、照れれているのか、疲れているのか、あまり楽しそうではない。優雅な衣装と踊りであっただけに、やや残念。

<ワ族>
男は上半身裸で隆起した筋肉を誇示し、女は丈の短いへそ出し衣装で赤と黒。共に浅黒い肌で、長髪を振り乱し、太鼓をバックに叫び声を上げ、野生的でセクシーな踊りを披露していた。かつては首狩りの風習があったというワ族は、その時も同じワ族の女性を捕まえて、男で取り囲み、連れ去っていく”生け贄”パフォーマンスも行っていた。そのワイルドなイメージとは裏腹に、実は大変クレバーな人たちの様で、観客を舞台に上げての自分達のぼさぼさ髪をくしで梳かせたり、笑いを交えた楽しいショーで客席を沸かせていた。ショーに集まる観客の数も、他の民族の村に比べて多い。
メリハリの利いた司会をする進行役の女性も頭の回転が速そうで、さしずめインテリな野人という雰囲気。ワ族は雲南南部に住むそうで、声が大きく陽気で賑やかな雰囲気だった。

<回族>
回教(イスラム教)を信仰する回族の人たちの村には観光客の姿がなく、周りは静まり返っていた。村の入り口に頭ににイスラム教の頭巾を被ったコンパニオンの女性が一人、憂鬱げに椅子に腰掛けて番をしているのみ。

狭い敷地内には、集会場ほどの大きさの、祭壇のある建物があった。
恐る恐る中をのぞいてみると、コンパニオンの女性が近付いてきたので挨拶をする。
観光客相手のアトラクションの多い他の民族の村とは違い、ここには特に展示物なども無い。まじめな回教の人たちが集まる、村の小さな集会場そのものといった雰囲気。
やや躊躇しながら建物へ入ってみると、どこからかモスリムの男性が現れ、地面に身を伏せ、一心不乱にお祈りを始める。出口には先程の女性が立っており、陰気そうにこちらを見つめている。
仕方なく、見るものもない建物の中を一周歩いて、外に出ると女性は深いため息をつき、何処かへ去っていった。

客寄せの舞踊ショーを見せたり、食べもの店や土産物コーナーを持つ民族の村が大半を占めるなか、在りのままの民族の文化を伝えようとする回族の人たちの村は特異な場所。だが、彼らは、「ここは民族村でしょう?本当に正しいのは私たちではないのですか?」そう語りかけている様に思えた。

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民族村のコンパニオンやダンサー達は、概ね10代から20台半ばまでの男女の様。村は休暇中の中国国内の旅行者、家族連れや、遠足の小学生で溢れていた。
ジンボー族の人たちの様に、観客に一生懸命、民族文化を伝え様とする村がある一方、土産や食べ物を売りつける事に懸命のしつこい村や、ほんまに少数民族の人?と疑いたくなる様な、ケバい雰囲気のガイドさんの姿も目に付いた。


2008 西双版納への旅

2008年05月24日 16時16分59秒 | 雲南旅行
GWにまた雲南に旅行に出た。 少し前のの出来事ではあるが、旅行中の出来事などを記述していこうと思う。


【1日目 昆明行き】

関空―昆明

かなり前から計画を練っていた旅行だったが、何故か当日になっても気分が乗らない。旅のワクワク感がない。
その原因は判っていた。私生活での色々な問題のためだ。不安を抱えたままの旅なので、心から楽しむ準備が出来ていないのだ。
はるかに乗って関空に向かう途中で、携帯にメールが入った。航空券を手配してくれた日本在住中国人のXさんだ。彼女は既に旅行会社を辞めているのだが、今回、色々世話を焼いてくれ、今日また、「楽しんで来てくださいねー、」っとにっこり絵文字でメールをくれたのだ。
いい人だ。少し気分が楽になった。

4:40発のMU便で昆明へ。この便は昆明への直行便ということになっているが、実際には上海からの乗客を乗せるため、上海の浦東に一旦着陸する。我々関空から乗客は、一度飛行機から降ろされ、MUの係員の誘導のもと、国内線乗り継ぎの手続きを行い、同じ飛行機の同じ座席に乗せられる。
上海での乗り降りの時間は約50分。飛行機は再出発し、2度目の食事が運ばれる。ちなみに関空―上海のメニューはビーフかポーク、上海―昆明ではチキンかフィッシュ。MU特有のインスタント松茸も、もちろん付いている。満席にならなかったためか、フライトアテンダントさんが、「メインディッシュ、もう1つ如何?」と訊きにきてくれるが、腹いっぱいなのでお断りした。

夜10時過ぎに昆明着。
空港を出ると、へんなおばさんが、タクシー、タクシーと近寄ってくるが、勿論無視。タクシー乗り場の前でわざわざ白タクに乗るほど、わたしはモノ好きではない。
予約したホテルは元Holiday InnのSakura Hotel。ネットで予約した際、担当者の人が空港から20元くらいですよ、と教えてくれた。
10時を過ぎているので、20%の深夜割り増しとなるが、多くても30元くらいのものだろう。予想外に時間は掛かったが、思った通りの乗車賃でホテル着。

さすがに元Holiday Inn。ホテルのフロントの女性は英語もOKで、非常に親切。ただ、怪しげな数名の女が、携帯電話片手にホテルのバーの付近をたむろしているのがさっきから気になっている。
案の定、バーに入り、ビールで乾いたのどを潤していると、近くの席の妙齢の女性が”Hello”と声を掛けてきた。前に仕事で浦東で滞在していた時、同僚のTさんが、「Holiday Innのバーで飲んでいたら、外国人目当ての女がうろうろ近付いてきた」と話していたのを思い出し、女性に気付かなかった振りをして、さっさと部屋まで帰る。
明日は、雲南民族村めぐりだ。(2008/4/29)