前書き
よくスポーツクラブにいくとストレッチは障害を予防し、運動の準備を助けますなんて、いうビデオが流れていますが、これは本当なのでしょうか?
Dynamic vs. Static-Stretching warm up: The Effect of Power and Agility Performance
McMillan, D. J., Moore, J.H., Halter, B.S., Taylor, D.C., Journal of Strength and Conditioning Research, 2006 20(3), 492-499
ダイナミックおよびスタティックストレッチを用いたウォームアップの比較;パワーとアジリティパフォーマンスへの影響
要約(原文意訳)
この研究はダイナミックおよびスタティックストレッチを用いたウォームアップの比較をパワーとアジリティパフォーマンスへの影響について考察したものである。ウェストポイントの陸軍士官学校において、ダイナミックを行いウォームアップするグループ、スタティックストレッチを含めたウォームアップをするグループ、そしてどちらも行わないグループに分けて実験を行った。ウォームアップはそれぞれ10分で構成され、1から2分の休憩後、Tテスト、メディシンボールスロー、5ステップジャンプを行った。実験の結果ダイナミックストレッチを行ったグループはそのほかのグループよりも明らかによいスコアをすべてのテストにおいて示した。Tテスト、メディシンボールスローにおいてスタティックストレッチを行ったグループと何も行わなかったグループは違いが無かった。また、5ステップジャンプにおいては、スタティックストレッチをしたグループのほうがストレッチをしなかったグループよりも良いスコアを示したが、ダイナミックストレッチを行ったグループには及ばなかった。
この結果から言えることはダイナミックストレッチを用いたウォームアップはパフォーマンスを比較的に向上させることが出来る。またスタティックストレッチを単独で行ったウォームアップを用いている場合はそれについて変更を検討したほうがよい。
感想文
最近よく言われているスタティックストレッチの問題点についてである。スタティックストレッチを単独で行うとパフォーマンスが低下する(ベースラインより)という研究もあるが、この研究ではそのようには書かれていない。単一の筋肉レベルでの張力はおそらくストレッチングにより大きな影響を受けると考えられるが、体全体のコーディネーション、特にユニラテラルな動作を考えたときにはスタティックストレッチの問題点をその効果が埋めているのであると考えられる。したがって、スタティックストレッチに関しては、特にエクササイズに大きな問題があるROM制限(必ずしも理想値でなくてもよい)があるとき、それをウォームアップより前に対策しておき、そこからダイナミックなウォームアップに展開してゆくべきであると思う。これらストレッチングの研究はタイムにかかわるもの、そして筋レベルでの弾性力、ROMについての研究が多いが、ホルモンレベルもしくは神経レベル(交感神経、副交感神経に対する影響など)への影響が明らかになればより興味深い物となるのではないかと思う。
よくスポーツクラブにいくとストレッチは障害を予防し、運動の準備を助けますなんて、いうビデオが流れていますが、これは本当なのでしょうか?
Dynamic vs. Static-Stretching warm up: The Effect of Power and Agility Performance
McMillan, D. J., Moore, J.H., Halter, B.S., Taylor, D.C., Journal of Strength and Conditioning Research, 2006 20(3), 492-499
ダイナミックおよびスタティックストレッチを用いたウォームアップの比較;パワーとアジリティパフォーマンスへの影響
要約(原文意訳)
この研究はダイナミックおよびスタティックストレッチを用いたウォームアップの比較をパワーとアジリティパフォーマンスへの影響について考察したものである。ウェストポイントの陸軍士官学校において、ダイナミックを行いウォームアップするグループ、スタティックストレッチを含めたウォームアップをするグループ、そしてどちらも行わないグループに分けて実験を行った。ウォームアップはそれぞれ10分で構成され、1から2分の休憩後、Tテスト、メディシンボールスロー、5ステップジャンプを行った。実験の結果ダイナミックストレッチを行ったグループはそのほかのグループよりも明らかによいスコアをすべてのテストにおいて示した。Tテスト、メディシンボールスローにおいてスタティックストレッチを行ったグループと何も行わなかったグループは違いが無かった。また、5ステップジャンプにおいては、スタティックストレッチをしたグループのほうがストレッチをしなかったグループよりも良いスコアを示したが、ダイナミックストレッチを行ったグループには及ばなかった。
この結果から言えることはダイナミックストレッチを用いたウォームアップはパフォーマンスを比較的に向上させることが出来る。またスタティックストレッチを単独で行ったウォームアップを用いている場合はそれについて変更を検討したほうがよい。
感想文
最近よく言われているスタティックストレッチの問題点についてである。スタティックストレッチを単独で行うとパフォーマンスが低下する(ベースラインより)という研究もあるが、この研究ではそのようには書かれていない。単一の筋肉レベルでの張力はおそらくストレッチングにより大きな影響を受けると考えられるが、体全体のコーディネーション、特にユニラテラルな動作を考えたときにはスタティックストレッチの問題点をその効果が埋めているのであると考えられる。したがって、スタティックストレッチに関しては、特にエクササイズに大きな問題があるROM制限(必ずしも理想値でなくてもよい)があるとき、それをウォームアップより前に対策しておき、そこからダイナミックなウォームアップに展開してゆくべきであると思う。これらストレッチングの研究はタイムにかかわるもの、そして筋レベルでの弾性力、ROMについての研究が多いが、ホルモンレベルもしくは神経レベル(交感神経、副交感神経に対する影響など)への影響が明らかになればより興味深い物となるのではないかと思う。
まだまだ、学生スポーツでは当たり前のごとくウォーミングアップの中にスタティック入っていますからね!!
しかも結構時間もたっぷりと。