ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Old Dominion オールド・ドミニオン - Happy Endings

2019-07-20 | カントリー(男性)

●最新作「Time, Tequila, & Therapy」を取り上げました


2018年のCMAアワードで遂にグループ賞を獲得し、今やカント
リー・グループのトップを行く存在となったオールド・ドミニ
オン
。その地位を確立した2017年のセカンド・アルバムです。
ココ10年近くは、レディ・アンテベラムザック・ブラウン・
バンド
そしてリトル・ビッグ・タウンが固めていた牙城を、こ
のユニークな肌触りを持つグループが崩したのです。そして!
待望の3枚目が今年10月25日にリリースされる事も決定して
います。



メンバー5名中、4名がバージニア州出身なので、州の通称である
”Old Dominion”をバンド名にしたよう。なかなかアーシーなバ
リトン・ボイスにも関わらず軽快でポップ味のある歌唱を聴かせる
Matthew Ramseyが、デトロイト出身のTrevor Rosenと2003
年にナッシュビルで出会った事が核となり、2012年に現在の
メンバーが揃いました。バンド活動をしながら、メンバーはそれ
ぞれヒット曲を著名なアーティストに提供していきます。例えば、

●Matthew Ramsey

バンド・ペリー "Chainsaw"

●Brad Tursi

ルーク・ブライアン "Light It Up"
ランディ・ハウザー ”Whiskeysippi"

●Trevor Rosen

ケルシー・バレリーニ "I Hate Love Songs"
ブレイク・シェルトン "I Really Shouldn't Drink Around You"
クリス・ヤング "Neon"
バンド・ペリー "Better Dig Two"

●Ramsey & Rosen

ダークス・ベントリー "Say You Do"


と、これだけでも、いかに優れたソングライター達かが分かり
ます。

と裏方活動で成果を上げていた彼らでしたが、ケイシー・マス
グレイヴス
のプロデューサーShane McAnallyと組んで製作し
たシングル"Break Up with Him"が注目を浴び、2015年に入
りビルボードのカントリー・エアプレイで1位(シングルで3位)
となった事が快進撃の始まりでした。その年にリリースされた
デビュー・アルバム「Meat and Candy」はカントリ・アルバ
ム3位となり、"Snapback"や"Song for Another Time"のシ
ングルを立て続けにトップ5に送んだのです。



そして、このセカンド・アルバムは、更に勢いを増し、カントリー・ア
ルバムで堂々1位。サンプリング・ビートとメランコリックな
マンドリンのミックスが新鮮な"No Such Thing as a Broken
Heart"、クールなメロウ曲"Written in the Sand"、切れのある
ギター・カッティングが小気味よい"Hotel Key"らがシングルで
いずれもトップ5まで達しています。



カントリー・バンドのサウンドというと、かつてのアメリカン・
ロックの王道、ウェストコースト・サウンドか、或いはサザン・
ロックのスタイルを下敷きに、そこに艶やかなギター・サウンド
でポップさを引き立てる、というのが定石だったと思います。
しかし、このオールド・ドミニオンの音はそう言うのとは一味違
い、ダウンホームだのアーシ―さだのルーツなどをあまり感じさ
せない、なんとなく軽妙洒脱で緻密なサウンドを展開しているの
です。むしろ、ニュー・ウェーブからアダルト・コンテンポラリ
ーなポップを思わせるサウンド。そして、そこに乗る、Matthew
Ramseyのクールで軽やかなバリトンが実にその雰囲気にマッチ
しているのです。

既にニューアルバムからのシングルも、“Make It Sweet”、“One
Man Band”とヒットしており、期待が膨らみますね。



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