2009年度上期がスタート致しました。世界や、そして私達を取り巻く状況は厳しいものではございますが、早く”輝き”を取り戻したいものです・・・
昨年発売のライブアルバム&DVD「Live In Concert」が我が国でもまずまずのセールス(タワー・レコードのブルース/カントリー部門でトップ10入りなど)を記録したというマルティナ・マクブライド。その彼女が1年もたたないうちにニューアルバムをリリースしてくれました。スタジオ作としては、2007年の「Wake Up Laughing」から2年ぶりとなります。「Shine」の話題は、とにもかくにもプロデューサとしてヒット請負人、ダン・ハフ(Dann Huff)を初めて起用した事。キース・アーバン、フェイス・ヒル、ラスカル・フラッツやキャリー・アンダーウッドなどを、そのポップなコンテンポラリー・サウンドでメガ・ヒットに導いた張本人。マルティナのプロデューサーといえばデビュー以来、ほとんどPaul Worleyが担当してきました。Paulのコンテンポラリー・サウンドではあるものの、伝統的なカントリーのサウンドとのブレンドを怠ることなく、緻密に構築されカッチリまとまったサウンドは、マルティナの誠実なソウル・ボイスに実に良くマッチしていました。そのマルティナが、ダン・ハフの華やかなヒット・サウンドで歌うって、どうよ!?ってな一抹の不安があったのも確か。しかし、さすが有能なプロデューサー、冷静に女王マルティナのタレントに敬意を表し、徹底的に彼女のボーカル・パフォーマンスにフォーカスした作品、音作りにしてきたと思います。
サウンドの変化は、リード・シングル"Ride"で既にお披露目済み。粘りのあるディストーション・ギターのイントロが見事に劇的で、ここらはツカミが上手いですね。絶妙に親しみやすく練り抜かれたサザン・ロック・チューン。”ディープ・サウス(深南部)のジャーニー(Journey)”って言いたくなるナンバーです。その歌声はスティーブ・ペリーより強いぞ!マルティナは語っています。「私の音楽に新鮮な、これまでと違う視点を持ち込んでくれる誰かを探す時期だった。少し違う事をする手助けをしてくれる人が必要だったのよ。ダンこそがふさわしい人だって、私は直感的に感じたわ」この音的な肌触りは、アルバムのオープニング曲"Wrong Baby Wrong Baby Wrong"にも共通するものです。しかし、ミディアムでどっしり聴かせるここでのサウンド構成は、結構シンプル。ブルース・ロック的な曲調共々けして華やかではない。ハーモニー・コーラスも抑え目。ギター・サウンドは確かにラウドなそれなんだけれども、それよりもマルティナのエモーショナルな歌声がライブ感と共に前面に出ているのです。マルティナは告白しています「私は物事を思い通りにコントロールしたがるところがあるのよ。だから、そういうところから離れて、ダンに任せたの。結果は素晴らしくて、私にとっては大きなステップだった」続く、ギターによるウォール・オブ・サウンドがドラマティックなバラード"I Just Call You Mine"も同様、音には適度なゆとりがあり、その空間でマルティナが自由自在に歌い上げている注目曲です。
これら3曲以外に目を向けると、さらにサウンドは堅実になっていきます。"I Just Call You Mine"と同じく、これまであまりマルティナが取り上げて来なかった、傷心・絶望の愛をテーマにしたという2曲、"What I Do I Have to Do"と、それぞれテイラー・スウィフトのプロデューサーと楽曲の共作者であるNathan ChapmanとLiz Roseらの共作曲"Walk Away"は、いわゆるアリーナ向きのパワー・バラードですが、「私にとっては(これまで多く歌ってきたテーマと違って)チョッと異質だったので、歌の主人公の感情を正確に掴むのに時間をかけたわ」との言葉どうり、彼女のボーカル・パフォーマンスこそが主役です。"I'm Trying"にいたっては、ほぼアコースティック・ギター1本のみでしっとり歌われる、マルティナには珍しいアレンジ。「この曲は、実際に2人の会話を歌った歌。とても親密な会話のね。だからその2人が一つの部屋の中にいるような、親密な感じにしたかったの。私はどんなやり方がその曲に合うのか、いつもトライするのよ」この曲、聴きものですね。ダウンホームなカントリー・バラードとしては、フィドルやマンドリンのタップリとしたアコースティック・アンサンブルが要所で堪能できる"Wild Rebel Rose"が白眉。
歌声の表現がユニークなのが、マルティナとWarren Brothersが共作した"Sunny Side Up"。「Wake Up Laughing」では、リードシングルにもなった荘厳なゴスペルタッチのバラード"Anyway"などを共作(マルティナ初のソングライティング)していましたが、今回は一転して軽快に弾むカントリー・ロック。そして曲調に合わせて、彼女の声もかつてなくカラッと明るく表情豊かに歌いこなしているのです。"Don't Cost A Dime"でも同様な表現が感じられます。既にCMAの女性ボーカル賞を4度も受賞して確固たる地位とスタイルを築いているはずの彼女。それでもまだまだ新しい表現力を開拓しようとするその貪欲さには、脱帽です。
マルティナの今回のチャレンジ、やっぱり(弟子?の)キャリー・アンダーウッドや、テイラー・スウィフトら若手の追随を意識してのものではないでしょうか。メインストリームはセールスとラジオ・プレイが命。リーバ・マッキンタイアに続く女帝の座を磐石なモノにするべく、しかし守るべき自身のスタイル・アイデンティティはしっかり守り、新たな境地を目指したのでしょう。そのチャレンジは、ビルボードのカントリー・チャート初登場1位(「Wake Up Laughing」は2位どまり)、同じくポップ・チャート10位という幸先の良いスタートに結びつきました。
↓↓マルティナからファンへのメッセージ・カードです(クリックで拡大)↓↓
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昨年発売のライブアルバム&DVD「Live In Concert」が我が国でもまずまずのセールス(タワー・レコードのブルース/カントリー部門でトップ10入りなど)を記録したというマルティナ・マクブライド。その彼女が1年もたたないうちにニューアルバムをリリースしてくれました。スタジオ作としては、2007年の「Wake Up Laughing」から2年ぶりとなります。「Shine」の話題は、とにもかくにもプロデューサとしてヒット請負人、ダン・ハフ(Dann Huff)を初めて起用した事。キース・アーバン、フェイス・ヒル、ラスカル・フラッツやキャリー・アンダーウッドなどを、そのポップなコンテンポラリー・サウンドでメガ・ヒットに導いた張本人。マルティナのプロデューサーといえばデビュー以来、ほとんどPaul Worleyが担当してきました。Paulのコンテンポラリー・サウンドではあるものの、伝統的なカントリーのサウンドとのブレンドを怠ることなく、緻密に構築されカッチリまとまったサウンドは、マルティナの誠実なソウル・ボイスに実に良くマッチしていました。そのマルティナが、ダン・ハフの華やかなヒット・サウンドで歌うって、どうよ!?ってな一抹の不安があったのも確か。しかし、さすが有能なプロデューサー、冷静に女王マルティナのタレントに敬意を表し、徹底的に彼女のボーカル・パフォーマンスにフォーカスした作品、音作りにしてきたと思います。
サウンドの変化は、リード・シングル"Ride"で既にお披露目済み。粘りのあるディストーション・ギターのイントロが見事に劇的で、ここらはツカミが上手いですね。絶妙に親しみやすく練り抜かれたサザン・ロック・チューン。”ディープ・サウス(深南部)のジャーニー(Journey)”って言いたくなるナンバーです。その歌声はスティーブ・ペリーより強いぞ!マルティナは語っています。「私の音楽に新鮮な、これまでと違う視点を持ち込んでくれる誰かを探す時期だった。少し違う事をする手助けをしてくれる人が必要だったのよ。ダンこそがふさわしい人だって、私は直感的に感じたわ」この音的な肌触りは、アルバムのオープニング曲"Wrong Baby Wrong Baby Wrong"にも共通するものです。しかし、ミディアムでどっしり聴かせるここでのサウンド構成は、結構シンプル。ブルース・ロック的な曲調共々けして華やかではない。ハーモニー・コーラスも抑え目。ギター・サウンドは確かにラウドなそれなんだけれども、それよりもマルティナのエモーショナルな歌声がライブ感と共に前面に出ているのです。マルティナは告白しています「私は物事を思い通りにコントロールしたがるところがあるのよ。だから、そういうところから離れて、ダンに任せたの。結果は素晴らしくて、私にとっては大きなステップだった」続く、ギターによるウォール・オブ・サウンドがドラマティックなバラード"I Just Call You Mine"も同様、音には適度なゆとりがあり、その空間でマルティナが自由自在に歌い上げている注目曲です。
これら3曲以外に目を向けると、さらにサウンドは堅実になっていきます。"I Just Call You Mine"と同じく、これまであまりマルティナが取り上げて来なかった、傷心・絶望の愛をテーマにしたという2曲、"What I Do I Have to Do"と、それぞれテイラー・スウィフトのプロデューサーと楽曲の共作者であるNathan ChapmanとLiz Roseらの共作曲"Walk Away"は、いわゆるアリーナ向きのパワー・バラードですが、「私にとっては(これまで多く歌ってきたテーマと違って)チョッと異質だったので、歌の主人公の感情を正確に掴むのに時間をかけたわ」との言葉どうり、彼女のボーカル・パフォーマンスこそが主役です。"I'm Trying"にいたっては、ほぼアコースティック・ギター1本のみでしっとり歌われる、マルティナには珍しいアレンジ。「この曲は、実際に2人の会話を歌った歌。とても親密な会話のね。だからその2人が一つの部屋の中にいるような、親密な感じにしたかったの。私はどんなやり方がその曲に合うのか、いつもトライするのよ」この曲、聴きものですね。ダウンホームなカントリー・バラードとしては、フィドルやマンドリンのタップリとしたアコースティック・アンサンブルが要所で堪能できる"Wild Rebel Rose"が白眉。
歌声の表現がユニークなのが、マルティナとWarren Brothersが共作した"Sunny Side Up"。「Wake Up Laughing」では、リードシングルにもなった荘厳なゴスペルタッチのバラード"Anyway"などを共作(マルティナ初のソングライティング)していましたが、今回は一転して軽快に弾むカントリー・ロック。そして曲調に合わせて、彼女の声もかつてなくカラッと明るく表情豊かに歌いこなしているのです。"Don't Cost A Dime"でも同様な表現が感じられます。既にCMAの女性ボーカル賞を4度も受賞して確固たる地位とスタイルを築いているはずの彼女。それでもまだまだ新しい表現力を開拓しようとするその貪欲さには、脱帽です。
マルティナの今回のチャレンジ、やっぱり(弟子?の)キャリー・アンダーウッドや、テイラー・スウィフトら若手の追随を意識してのものではないでしょうか。メインストリームはセールスとラジオ・プレイが命。リーバ・マッキンタイアに続く女帝の座を磐石なモノにするべく、しかし守るべき自身のスタイル・アイデンティティはしっかり守り、新たな境地を目指したのでしょう。そのチャレンジは、ビルボードのカントリー・チャート初登場1位(「Wake Up Laughing」は2位どまり)、同じくポップ・チャート10位という幸先の良いスタートに結びつきました。
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