可憐なハイピッチ・ボイスと、ソフィスティケイトされたアコースティック・サウンドで、カントリー・ファンにもなじみよいクレア・リンチ。彼女はカントリー・ゴールド2000で来日しており、私もその美しい歌声と、バック・バンドFront Porch String Bandの確かなテクニックを堪能したものです。これは、その彼女の最新作「Whatcha Gonna Do」。グラミー賞でのブルーグラス・アルバム部門でノミネートを獲得した「Moonlighter」や、ジャケットが美しかった「Lovelight」などで披露した彼女らしい穏やかな生音に加えて、モダンなメロディを持つナンバーや、時にスピーディーでスリリングな演奏が楽しめるアルバムになっています。バックバンドをClaire Lynch Band名義に変えているところも、サウンドの変化を意識してのものか。クレアのルックスもかなりポップになっていますし。
シャープなアコースティック・ギターのカッティングがロッキッシュなビートを刻むオープニングの"Great Day in the Mornin'"。ナッシュビルのフォーク・ロック・アーティスト Dana Cooperのナンバーをブルーグラス・フォーマットでカバーして景気付けます。クレアのキュートなボーカルが軽やかにロールしてる。よりスピードアップするのが、"Crazy Train"。エレクトリック・ギターでやったら、なかなかにパンキッシュなナンバーになりそうなくらい、ソリッドな曲調です。ドラムなしでこのノリを生み出してしまうんだから、 Claire Lynch Bandってのはすごいバンドです。途中挿入されるアンニュイな雰囲気のブレイクも上手い!タイトル曲"Whatcha Gonna Do"はマイナー調でスタートし、コーラスでキャッチーなメロに転換する、ミディアム曲。こういうロック~ポップ調のナンバーを持ってくるってのは、コンテンポラリー・ブルーグラスの常套手段みたいですけれど、クレアの溌剌とした歌声もあって新鮮に響きます。
彼女らしい魅力が楽しめるベスト・トラックとなると、"Highway"でしょう。流れるようなアコギのアルペジオにのって、クレアが本領発揮の心地よいボーカルを聴かせます。コンテンポラリー・フォークのSusan Wernerの作品"Barbed Wire Boys"も、同系統のさわやかな曲。一番カントリー・フレイバーを感じるのが、"That's What Makes You Strong"。それもそのはず、コレ、ジャッズJuddsが歌っていたモノのカバーです。カントリーっぽくエレクトリック・ギターのソロも挿入され、優しみあふれる穏やかな雰囲気で和みます。ブルーグラスの創始者、ビル・モンローのワルツ"My Florida Sunshine"でしっかり伝統を押さえて、アルバムに落ち着きを加味してますね。
1954年ニューヨーク州Poughkeepsie生まれ。12歳のときに南部アラバマのHazel Greenに転居しています。当時はジョニ・ミッチェルやビートルズなどに親しみ、姉妹3人トリオで歌っていました。高校卒業後、将来の旦那となる, Larry Lynchと出会います。クレアは保険会社で働いていましたが、Larryのバンド、Hickory Windに招かれリード・ボーカリストに。まもなくバンド名を Front Porch String Bandに改名、アラバマで精力的な活動を展開する事になります。1976年にクレアとLarryは結婚、続く1977年から1981年にかけて、グループ名義やクレアのソロでインディー・レーベルからアルバムをリリースしています。
1982年にクレアが妊娠したのを機に、バンドは解散、リンチ夫妻は一旦音楽活動から身を引きますが、まもなく音楽活動を再開。その当時出会ったシンガーJohn Starlingの助けも有り、クレアの作品が当時のメインストリーム・カントリーで取り上げられ一躍脚光を浴びる事になりました(この中で忘れられないのが、キャシー・マティアKathy Matteaの"Hills of Alabama")。この結果、 Front Porch String Bandを再結成。トリーシャ・イヤーウッドのツアー・バンドのギタリストJim Hurstなど名手達が集まったのです。1993年の「Friends for a Lifetime」を皮切りに、現在までラウンダーから着実に質の高いアルバムをリリースし続けていて、冒頭触れたように「Moonlighter」ではグラミー賞のベスト・ブルーグラス・アルバムにノミネートされています。そして、クレア自身としてもIBMA(International Bluegrass Music Association awards)で1997年に女性ボーカル賞を獲得しています。
●Claire LynchのMySpaceサイトはコチラ●
シャープなアコースティック・ギターのカッティングがロッキッシュなビートを刻むオープニングの"Great Day in the Mornin'"。ナッシュビルのフォーク・ロック・アーティスト Dana Cooperのナンバーをブルーグラス・フォーマットでカバーして景気付けます。クレアのキュートなボーカルが軽やかにロールしてる。よりスピードアップするのが、"Crazy Train"。エレクトリック・ギターでやったら、なかなかにパンキッシュなナンバーになりそうなくらい、ソリッドな曲調です。ドラムなしでこのノリを生み出してしまうんだから、 Claire Lynch Bandってのはすごいバンドです。途中挿入されるアンニュイな雰囲気のブレイクも上手い!タイトル曲"Whatcha Gonna Do"はマイナー調でスタートし、コーラスでキャッチーなメロに転換する、ミディアム曲。こういうロック~ポップ調のナンバーを持ってくるってのは、コンテンポラリー・ブルーグラスの常套手段みたいですけれど、クレアの溌剌とした歌声もあって新鮮に響きます。
彼女らしい魅力が楽しめるベスト・トラックとなると、"Highway"でしょう。流れるようなアコギのアルペジオにのって、クレアが本領発揮の心地よいボーカルを聴かせます。コンテンポラリー・フォークのSusan Wernerの作品"Barbed Wire Boys"も、同系統のさわやかな曲。一番カントリー・フレイバーを感じるのが、"That's What Makes You Strong"。それもそのはず、コレ、ジャッズJuddsが歌っていたモノのカバーです。カントリーっぽくエレクトリック・ギターのソロも挿入され、優しみあふれる穏やかな雰囲気で和みます。ブルーグラスの創始者、ビル・モンローのワルツ"My Florida Sunshine"でしっかり伝統を押さえて、アルバムに落ち着きを加味してますね。
1954年ニューヨーク州Poughkeepsie生まれ。12歳のときに南部アラバマのHazel Greenに転居しています。当時はジョニ・ミッチェルやビートルズなどに親しみ、姉妹3人トリオで歌っていました。高校卒業後、将来の旦那となる, Larry Lynchと出会います。クレアは保険会社で働いていましたが、Larryのバンド、Hickory Windに招かれリード・ボーカリストに。まもなくバンド名を Front Porch String Bandに改名、アラバマで精力的な活動を展開する事になります。1976年にクレアとLarryは結婚、続く1977年から1981年にかけて、グループ名義やクレアのソロでインディー・レーベルからアルバムをリリースしています。
1982年にクレアが妊娠したのを機に、バンドは解散、リンチ夫妻は一旦音楽活動から身を引きますが、まもなく音楽活動を再開。その当時出会ったシンガーJohn Starlingの助けも有り、クレアの作品が当時のメインストリーム・カントリーで取り上げられ一躍脚光を浴びる事になりました(この中で忘れられないのが、キャシー・マティアKathy Matteaの"Hills of Alabama")。この結果、 Front Porch String Bandを再結成。トリーシャ・イヤーウッドのツアー・バンドのギタリストJim Hurstなど名手達が集まったのです。1993年の「Friends for a Lifetime」を皮切りに、現在までラウンダーから着実に質の高いアルバムをリリースし続けていて、冒頭触れたように「Moonlighter」ではグラミー賞のベスト・ブルーグラス・アルバムにノミネートされています。そして、クレア自身としてもIBMA(International Bluegrass Music Association awards)で1997年に女性ボーカル賞を獲得しています。
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