ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Lady Antebellum レディ・アンテベラム- Golden

2013-09-17 | Lady A レディA(アンテベラム) レビューまとめ

 グラミー賞をマルチで受賞した栄光を持ち、ポップ・フィールドでも強力な存在感を誇るレディ・アンテベラム(レディA)。2013年発表のオリジナル・アルバムとして4作目です。本作のジャケットを見た時、「はぁん、今度はベスト・アルバムなの?」なんて最初は思ってしまうほど、実にシンプルなジャケットです。カントリーのジャケットって、アーティストの肖像をメインに据えるのが基本(顔をフィーチャしないと売れないと、かつては言われてた)ですので、ある意味一番カントリーらしいですね。その印象の通り、これまでの作品の中で、一番落ち着きのある調和の極みともたとえれる音作りがされています。とはいっても、アルバム・チャートでは、ポップもカントリーも共にきっちりトップを確保。リードシングルの"Downtown"は、カントリー・チャートで2位まで到達しています。

 その"Downtown"。アルバム中もっとも活き活きとしたリズムを持つナンバーで、やはり印象に残ります。ポップさとトワンギーなイメージが同居した、チョッピリレトロなギター・フレーズがペースを作り、リードのヒラリー・スコットがエモーショナルに歌い上げます。ヒラリーは、オープニングの"Get to Me"でも力のこもった歌を聴かせてくれていて、バックの演奏がシンプルな分、それが引き立ちます。


 ツートップのもう一人、チャールズ・ケリーは、"Goodbye Town"で、持ち味の雄雄しさを抑えた柔らかな上手さで聴かせてくれます。"Can't Stand the Rain"あたりのピアノと滑らかなギター・サウンドを織り込んだ洗練されたAOR的サウンド・アンサンブルはもう円熟の極みって感じ。彼らのサウンド・テクニックの高さ、余裕を感じさせます。アルバム中最もスパークするナンバーは、"Better Off Now (That You're Gone)"でしょう。でもこれまでのチャールズのホットな歌唱と比べるとは大人しいかな。

 やはり、レディAをトップ・スターダムに押し上げた、"Need You Now"や"Just A Kiss"のような、ヒラリーとチャールズの2トップが絶妙に絡む、耽美的なロマンチシズム溢れるキメのバラードが無いのが気になります。チョッとポップ・カントリーを聴いて、しばしくつろぎたいなぁ~と言うニーズの時にはすごく快適なアルバムなんですけれどもね。昨年一杯、ヘッドライン・ツアー”Own The Night World Tour”の敢行、さらにそのライブDVDのリリース、そしてヒラリーの妊娠休暇(7月に無事出産)の合間で制作されたアルバムとあって、レディAならではの緻密なツメをするまでの時間がなかったのかな・・・とは感じます。今度母になったヒラリーがどんな歌を聴かせてくれるのか、また次に期待が膨らみます。



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1 コメント

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はじめまして(^^) (ancientforest)
2013-12-15 07:55:33
こんにちは。突然お邪魔してスミマセン汗
普段は中々カントリーの話題を日本で見ることはないので、このブログを拝見させていただいてテンション上がってしまいました。
goldenを聴いて、自分も王道バラードが無いのが気になってました。アルバム全体も落ち着いて素敵なんですが、今までに比べてちょっとポップさとインパクトに欠けるかなと。
でもデラックス版を聴いてビックリです。
新曲3曲が見事に物足りなさを補完してくれてました。改めてLady A良いバンドだなぁと一人で感動してます笑。

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