NHKで、原子力規制委員会が福島県内のモニタリングポストを順次撤去していく方針だと報じていました。理由は、空間の放射線量が安定して福一の事故前の全国平均レベルに近づいているか下回る、0.115マイクロシーベルト(河北新報)だからだそうです。しかし、一部には、除染で集められた放射線廃棄物が野積みされていて、『逆に厳重にモニタリングしてほしいのはこっちだ』と、県民は怒っていました。
福島県民に多大な迷惑をかけた東京都民の一人として、蟷螂も怒っています。チェルノブイリを超える規模といわれている深刻度マックスの福一。なんだか忘れ去られようとしています。東京2020を2年後に控え、無理に忘れさせようとしているのかもしれません。絶対に忘れてはならないのは、放射線の影響はこれからが本番だということです。膨大な量の汚染水の処理方法も、全く決まりません。あれだけの量の汚染水、一体どうするつもりでしょう。福井の大飯原発が、先日の大阪北部地震で支障がなかったといって、これからも原発の再稼働は続くはずです。なんだか裏で巨額の金が動いているような臭いがします。
とにかく原発で莫大な損害を被った福島の民意をないがしろにするモニタリングポストの順次撤去は、看過することができません。
驚いたのは原爆実験が大気圏内で繰り返し行われた南太平洋の塩が、おいしいと売られていることです。世界一汚染されていないといううたい文句に違和感を感じているのは蟷螂だけでしょうか?それではその当時ばらまかれた放射性物質はどこへ行ったのでしょうか?海の底深くに堆積しているとすれば、海洋資源の汚染につながります。
ただでさえ海は巨大なゴミ箱代わりに使われ、汚染は限界に近づいています。海から出でた生物が、海洋汚染で絶滅する可能性がゼロではなくなってきました。
そこへ福一の汚染水をたれ流したりしようものなら…海にモニタリングポストはあるのでしょうか。すくなくとも核実験を繰り返した欧米諸国には海洋放射線の監視義務があるはずです。また、そのことを怠っているとしたら、国連など存在感皆無の機関でしょう。