ピヴォ プラハ・ノート

指揮者 武藤英明公式ブログ

ビールと天才2人

2016年01月11日 | 天才2人
酒が好きで浴びるほど飲んだ人と、反対に体質的に酒に弱く、
それでも堪まらずビールを飲んだという天才2人のお話し・・・・・・・

もしあなたがこんな質問をされたら、どう答えますか?
Q:あなたは今までに幾人位の人を好きになりましたか?
Q:それは女性ですか男性ですか?
Q:何処の国の人ですか?
Q:その前にあなたは”人間”が好きですか?
私の場合
答え
A:まず人間嫌いではこの音楽業界で生きていけませんし、
 それに国別で考えた事もありません。また 
 男女比率では女性の方が多いかと思います。
 さて幾人くらいでしょうかねぇ、その数は?
 数えた事などありませんが、
 かなりの人数になると思います。
 もうひとつ、”人間嫌い”ではないのですが、
 ”嫌いな人間”はいます。
Q:どんな人間ですか?
A:はい、弱い立場にいる人たちには尊大で
  反対に強者の前では卑屈になり追従するような人間です!
Q:具体的に言えますか?
A:「ドラエモン」の「スネ夫タイプ」を思い浮かべて下さい。
Q:では好きなタイプは。
A:その人の社会的地位や身分等とは関係なしに、
分け隔てなく接する事の出来る人です。
Q:是非、お名前を挙げて下さい。
A:赤塚不二夫さんの様な方です。
 次のような逸話があります。数年前に亡くなられました
若松孝二監督が寄せた文章にこんなものが
ありました。確か日経新聞掲載だったと思います―――
若松孝二監督:
『偉そうな人を見ると反発したくなる。
そんな僕が心から土下座して良いと思える人間がいた。
赤塚不二夫さん。

寂しがりやで、夕方になると電話をかけてきた。
「ねぇ 孝ちゃん 飲もうよ」って。
毎晩のように新宿に繰り出し、浴びるほどに酒を飲んだ。
楽しい夜だった。
「何人が見るか」といいながら、服を脱ぎつつゴールデン街を
練り歩いた。
酒場でタモリさんとSMショウをやり出した姿に、
皆でゲラゲラ笑った。
僕には「監督ぅ、監督ぅ」ってよく甘えてきた。
子供が母親を呼ぶように。
その声を今でも思い出せる。

彼は人を差別しなかった。
ホームレスの人の輪にススッと入ったかと思えば、
すぐに打ち解けている。あるとき
撮影で追い続けた赤軍と呼ばれる人間を僕が連れてきた。
普通はよい顔をしない。
でも全く気にしなかった。
グラスが空になるとすぐに足してあげて、
気配りしながら酒を飲んでいた。
度量も広かった。

自分のマネジャーが数千万を使い込んだ時、
怒るより先に心配していた。
「金に困ったのなら、どうして直ぐ僕に相談して
 くれなかったんだ」
そして
「僕の事務所から出さなくても済む犯罪者を
出してしまったじゃぁないか」
といって泣いた。
この殺伐とした世の中にこんな人がいるのかと
思った』・・・・・・・・

Q:いい話ですねぇ。他にも具体例はありますか?
A:この人の事は「好き」なのではなく「大好きな人」なのです。
Q:是非
A:これもまた次なる一文をお読み下さい。
その前に、赤塚不二夫さんは勿論「文系」だと思います。
その対極に「理系」とよくいわれますが、どうでしょう、
この「理系」の人が物事を突き詰めていくと「文系」に
近付くのではないかと?
例:森鴎外・なだいなだ・北杜夫・渡辺淳一・北山修・
ボロディン(全員医者で物書きだったり作詞作曲に)
「文系」の人間が物事を突き詰めていくと、これは
「理系」にはならず何処か「狂気系」に。
例:ドストエフスキー・ヒトラー・ニーチェ・坂口安吾etc.

ではオレ自身はどうなのだろか?と自問自答。
「音楽」は単純に「文系」ではなさそうだし、
かと言って「理系」でもないし、
そうだ「お笑い系」に違いない。みんなにワ~ッと喜んで
頂けるのを拠り処としているのだから。
その「お笑い系」が物事を突き詰めると? そう、何処まで行っても
「ダジャレ」それ以外無いのではないか。
「ダジャレに始まりダジャレに行き着く」これですよ。

2016年“戯言始め”初笑い、始まります・・・・・・
私の「大好きな人」に寄せて―――
 莫大な資産を築き
 城の様な豪邸に住みたい
 眩いばかりの脚光を浴び
 数台しか世にない高級車を乗り回したい
 知らぬ人はいない程の名声を博し
 歴史にその名を留めたい
 と、その男は只の一度も望んだ事はなかった
 男はひたすら人が興奮し 喜ぶその姿を求め続けた
 貢献などという押し付けがましい概念すら
 存在しなかった
 歓喜の中を疾走出来るだけで心を満たし
 その一点に己の人生をかけ 懸命に磨き続けた
 人はその男をミスターと呼ぶ・・・・・・・・

 茶道の達人が見せる無駄のない美的動作
 鍛え抜かれた名刀の放つ氷のような美しさ
 いや グラウンドに輝く光には 如何なる事態であろうとも
 人々の心に 隈なくまわり来る酔い心地に似て
 体温をも上昇させる美しさが伴っていた

 下町のダジャレ好きが言った
 「他にもスター選手なら幾らもいるさ そんな中
 美しさを纏(まと)っている男だから“美スター”なのさ
 この世界にたったひとりしかいないんだぜ
 ミスターを“魅スター”という奴もいるがねぇ・・・・・・・」

 そんなある日 これは乱心とも思える気紛れからか
 多くの人の心とその男を奈落の底へ神は突き落したのだ
 神にも迫り来るその能力に嫉妬したのかも知れない

 太陽が消え 明けぬ世が始まったようにさえ思われた
 人は太陽ばかりか 心の灯も吹き消され
 灯台の在処(ありか)も見えず 羅針盤さえも失い
 終着港のない航海に追いやられた
 見れば氷点下60度もの酷寒の海の中
 氷山に取り囲まれ重苦しく息苦しく魂は完全に凍てつき
 茫漠たる闇夜の中を果ても無く彷徨っている・・・・・・・・

 多少の時間が過ぎ 神は己の気紛れを幾分後悔し始めた
 どうも計算違いをした様だ・・・・・・・と
 そう 誤算だったのである―――
 ミスターの前に“不死鳥”が舞い降りるとは計算外だったのだ
 どん底から弛む事無くジリッジリッと数ミリ単位で
 上がって来るではないか
 モリブデン鋼をも凌ぐ強靭な魂と 人々が送りだす希望とが
 不死鳥となり目の前で羽ばたき始めたのだ
 神は懺悔をした―――気紛れから妙な計算違いを
 して仕舞った事を―――
 だが神にも面子があった 全てを後悔する気はなかった
 右半身の自由を少しだけ手放そうとしなかったのだ
 しかし輝きを取り戻した太陽と 灯りのともされた灯台と
 方角を指し示す羅針盤とが少しづつ機能し始め
 凍てついた人々の心が解け始めた
 女性キャスターの
「今 一番してみたい事  また”夢”は?」の問いに
「思いっきり走りたいですねぇ!」とミスターは応えた
 その一言に神は頷いた
 それは最大限の譲歩を迫られたのだから
 “その一言辺りを落とし処”と捉えて欲しいとでも
 言いたかったに違いない

 ダジャレ好きが言った
「オレたちの記憶に残るミスターの“光と輝き”は
 神様でも奪い去る事は出来ないのさ
 ミスター・ベースボール:長嶋茂雄が相手では
 神でさえその辺りの計算をなぜか
 “ミスったー”ようだぜ!」

1936年千葉県生まれ、今年傘寿を迎える
長嶋茂雄:この比類なき天才 ・・・・・・

合わせてこの動画サイトもご覧下さい
https://youtu.be/oDDZXcxW5MY

赤塚不二夫:大酒豪
ミスター:監督就任一年目、“4番サード長嶋の居ない”チームを指揮し《最下位》。
負け試合のあと、堪らず
ビールを口にされたそうです。



最新の画像もっと見る