ピヴォ プラハ・ノート

指揮者 武藤英明公式ブログ

ビール 本物の証明

2016年01月09日 | ビール・ワイン・ゴルフ・チェコ
ビールにホンモノは?
その前に、ビールに限らず「本物」をどうやって
定義づけるか?これが問題だ。
様々な意見があるだろう。
私は自分勝手にこう決めている―――
『200年以上に亘り 支持されてきたモノ』
尤も、多くの人の支持を受け続けなければ、
2世紀もの時空を超えて残る事など有り得ないだろうから。
その意味で言うとモーツァルトやベートーヴェン、
シェークスピアやゲーテ、日本でなら
歌舞伎や文楽、中でも紫式部の「源氏物語」などは
ホンモノ中の本物と言ってよいのではないだろうか。

50年ほど前「グループ・サウンズ」が一世を風靡した。
“タイガース”・“ブルーコメッツ”・“スパイダース”
明けても暮れてもTV画面に登場しない日はなかった。
あれ程騒がれていながら今や「ナツメロ」になって
仕舞っている。いや、知らない人の方が今では
多いのではないか。
当時、タイガースの「花の首飾り」や
ブルコメの「ブルーシャトー」が気に入り、
「思い出の好きな曲」と言われれば、この2曲を迷わず
挙げる。
だが、残念な事に40代より若い世代には
「えっ タイガースって阪神の?」
「ブルーコメッツ? 寝台特急の名前?」
「スパイだす? 何処の国のスパイ?」と言われて
お仕舞いだ。

同じ頃、ビートルズが来日し、あれから既に50年。
半世紀の風雪に耐えて残り、未だに影響を与え続けている。
きっと200年後も存在しているに違いない。
やはりホンモノなのだろう。

ところでビールに話を戻そう。
「ビール? 飲んで旨けりゃ~ それで良いじゃん!」
全く以ってその通り。異存なし。
だがここでチョイ待って欲しい。
こんな可能性はないだろうか―――
「本来は、さ程旨くはないのだが 宣伝(CM)攻勢に
 惑わされ“旨いのだ”と思わされて
いたとしたらどうだろう」
なにしろ周りが「旨い旨い」と言えば、人間弱い者で、
そう思わないといけない心理に追い込まれる。

ここで一旦、話はチェコ人のビール好きの話題に移る。
なんせ国民一人当たり年間のビール消費量が
世界ナンバーワンというお国柄だ。
彼らの思いは至って簡単である―――
旨いビールとは「良質の水」「厳選された麦芽」
「チェコ産のホップ」「質の高い酵母」
これ以外のものは、間違っても加えない!
もうひとつ「腕の良い醸造技師」だと言う。
米やトウモロコシ・でん粉など加えるのは
以っての外だ、ともいう。

戦時中、原材料の入手が困難な時代、日本でも
コーヒー豆の変わりに大豆を使ったそうだ。
これは緊急避難、代用品なのである。
ま、早い話が“ニセモノ”と。

平和な時代が続くと、収益率を優先し、どうしても
より経済的なモノへ移行する傾向が企業には現れて仕舞うの
だろうか?

日本の税制にも起因しているのかも知れない。
30年ほど前、酒税法を変えたところ、こぞって
少々安価な焼酎へ雪崩を打った時期があった。
またその後、酒類の課税品目から少しでも安く、と考え
メーカーは世に「発砲酒」を登場させ、第3のビール等と
銘打って売られ始めた。
中には麦芽に代えて原材料に
「ソラマメ」を使用と聞かされ、驚くやら感心するやら。
庶民のお楽しみ、ビールの晩酌くらい、立法府は
大目に見てくれないものなのだろうか?

さて、一昨年そのチェコ人のオーケストラを引き連れ、
日本公演へ行った際、終演後、幾種類ものビールや
発泡酒を数多く買い込んで
「オレの驕りだから 色んな種類を飲んでくれ 
 そのかわり感想を◎・○・×・△を記入して欲しい」
するとその結果は思った通りの答えが―――
◎は=「プレモル」「エビス」「一番絞り」「黒ラベル」
という結果だ(どれも麦芽100%、副原料の
米・スターチの仕様は無し)
×は=「発泡酒(ビールといって飲ませたからか)」
   「“辛口が売り”のモノ」(味が薄いという意見)
「辛口に感じないか?」と訊くと
「アルコール度数が少し高いから辛口なのか?」と
反対に質問されてしまった。チェコ産のビールは
概ね4%台。創業1449年の「ウ・フレーク」の
ビールに至っては何と「3.8%」でしかない。
それであの旨さなのだ。
○や△には意見が分かれるという結果だった。

ドイツでは「水・麦芽・ホップ・酵母」の
4種類以外のものを使用した場合、
それを「ビールとして販売してはいけない」という
厳しい《ビール純粋令》という法律があり、
EU諸国ではこれが通り相場になっている。
このキマリのお陰で旨いビールが安くて飲める
この様な環境がビール愛好者には本当に有り難い。
以前のブログにも書いたが、
『Strana přátel piva(ストゥラナ プシャーテル 
ピヴァ)=ビール友好党』という政党が
チェコ共和国にはある位なのだ。
200年どころか500年にも及ぶこのビール達。
画像のビールはその代表的なチェコ・ビール。
詳しくは次回のブログで!
これぞホンモノの証明
乞うご期待。
ビールに限らず焼酎も日本酒もぶどう酒も
”ホンモノ”を飲みたい!!

頑張れ 日本のビール達よ!ワイン、その抜群の広報力

2012年05月26日 | ビール・ワイン・ゴルフ・チェコ
ワイン、その抜群の広報力!
果たしてビールは?

上空3万3千フィートで飲むビール。

フランクフルト発 全日空NH204便~羽田行 新型機材B787型機が
離陸から水平飛行に入り、シートベルトのサインが消え、客室内では飲み物の
サービスが開始。この新型機は居心地がよい。酒も進みそうだ。

 メニューには、写真の通り、シャンパンが最初に記載され、順に白ワインから赤ワイン、
次いで日本酒・焼酎・梅酒と並んでいる。それぞれ、銘柄や内容の細かい説明書きまで・・・・
ところが、ビールはたったの3文字。ビール・・・
銘柄の記載も無く、内容説明も勿論も無し。それからするとワインや日本酒や焼酎はやってくれている。

 「お飲み物 何になさいますか?」メニューを広げ、客室乗務員が注文を訊く
 「ビールをお願いしたいのですが、何がありますか?」
すると乗務員は
 「はい キリン サントリー アサヒ サッポロ等ございます」
 「そうですか メーカーは分かりましたので、商品名は?」
 「少々お待ち下さい」・・・

1~2分後
 「“一番絞り”“プレミアム・モルツ”、“スーパー・ドライ”に“黒ラベル”等々、ご用意してございます」
 「では何々をお願いします」・・・
と言って各々350ミリ缶を一缶ずつオーダーし、食事中も銘柄を替え、
90分ほどの至福のひとときが過ぎていく。

 今回で日本とプラハとの往復「176往復め」・・・ビールの本家チェコやドイツから飛び立ち、
機内でときにワインも飲むが、殆どがビールだ。
このビール達にも、もっと広報活動を頑張って貰えないのだろうか?・・・ビール醸造は文化なのだから。
ビールファンを増やし、日本もビール大国の上位にランクインされて欲しい。
各々が違う個性をもっているのにどうしてだぁ~、機内にあっては只の「3文字 ビール」
これは、ビール党にとっては寂しい。

 トリビアの知識:チェコに「ビール友好党」と言う政党がある。
「Strana Pratelske Piva」チェコ語で訳のとおり。
残念ながら議席をまだ獲得出来ていない。実にチェコらしいウィットを感じる。

「頑張れ 日本のビール!」
上空33.000フィートで願う儚い思いである!!

 ビールは5千年の歴史を持つ文化なのだぁ~!!