晩夏

今年の残暑は本当に厳しい。
九月に入っても一向に涼しくならない。
それでも早くも稲刈りが終わって、新米も販売されている。

あちこちで大雨洪水警報が出ていても、当地は雨らしい雨が降らないままであった。
昨夜からやっと雨になり、草木もほっとしている。

我が家の庭のビアンカもそろそろお終い。

今年はど涼しくなるのを待ちわびたことはない。
というのは、国道に出る道に面して飼われているある犬のことが気になって仕方がなかったから・・・。
軒先に犬小屋があって、終日繋がれている。
犬小屋の周りに小さな庇とスダレをつけてもらっているが、何しろこの暑さ。
コンクリートの反射で犬の高さのところでは、恐らく４０度は超えているのではないかと思われる。
「はあ～、はあ～」とあえいでいる犬を見るたび、私も息苦しくなる。
できるだけその道は通らないようにしようと（一台でも車の排気ガスがあたらないようにと）思っていても、つい気になって・・・・。

犬の方も視線を感じるのか、すがるような目つきで見返してくる。
キャバリアの血が混ざっているのか、フサフサの垂れ耳で可愛い顔をしている。
夏の間だけ我が家に預からしてもらえませんかと云いたくなるのをぐっとこらえる。
複雑な思いの夏もようやく終わろうとしている。