バリ記 

英語関係の執筆の合間に「バリ滞在記」を掲載。今は「英語指導のコツ」が終了し、合間に「バリ島滞在記」を連載。

最終回の雑談 英語って何?

2019-12-11 10:45:36 | 私の英語講習
最終回の雑談  英語って何?

A: 外国語としての英語学習は左脳を使う学習です。英語の細かいルールを理解していくわけですから音楽を聴くのとちがいます。社会性を学ぶということにもなります。社会性というのは、社会には家にいる時と違ってルールがありますね。それを守ります。守らないと社会は混乱してしまいます。
  
ある人が、裸になって、通りでサンマ焼いて、太鼓たたいていたら、変です。気が違ったのかと思ってしまいます。それはルールからややはみだしているのです。家の中でそして自分の部屋で裸になってサンマを焼いていても社会のルールからはみ出すことではありません。家の中でしていいことが一歩社会に出るとだめなこともあるのです。

言葉を学ぶというのは、もっと広い意味で、個人の内面を掘り下げたり、社会の共通のルールを学ぶということにもなるのです。左脳は社会性を身につけ、それを維持する脳なのです。

Q: ずいぶん前から「英語は右能でおぼえろ」みたいな本がでていましたね。
  それはどうなの。
A:リスニングをする時、右脳でやっちゃえ、というのは、例えば英語って
  リンキング(リエゾン)するだでしょ?
Q: リンキングって?
A: Get up だったら get の t と、up の音がくっついて、「ゲットゥ アップ」ではなくて 「ゲッラップ」になる。こういう聞き取りは音楽を聴くように聴いたほうがいいでしょうね。イントネーションやアクセントも 右の脳を使いますから。ここで言っているのは 本格的に英語の構造や文の法則を理解していくときのことです。
  ここでは左脳のフル活用です。ただし左脳は緊張を強いるところだから、すぐに緊張を解きたくなってきます。
Q: そうなんだ。人の国の言葉の法則を学ぼうとする意味が中学生の頃はあんまりよく分からなかったな。今ならわかるんだけどね。
A: みんなそう言うんですよ。でやりなおす。
Q: その時は遅い?
A: 言語感覚がいい人っているよね。あれは英語を音楽のように聴くんだ
  ろうね。間違いを恐れないって人も得だよね。
  間違いを犯すのは語学をやっている限り当たり前、常識なのに、
  「恐れてしまう」というのは妄想がきつい人なんだろうね。自分で「怖がっているんだから。日本に来た外国人が間違った日本語を話しても、バカになんてしませんよね。

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 次回より。次の英語に関することを始めるまで、「バリ記」を連載します。インドネシアのバリ島のことです。長い年月の日記から拾い出します。英語も通じるバリ人は語学のセンスがあります。お楽しみに。 

Q: 僕は榎本先生に習ってから、in や to っていう前置詞や a とか the なんかはとりあえず話すときは無視することにしたんだ。楽になりましたよ。
     See traffic light turn right corner
  でわかっちゃうもんね。

A: そうそう。そうそれでいいんですよ。仕事などできちんとした文を書か
  なければならないというのなら文法というか書き方の練習はやったほうがいい。ちょっとしたコミュニケーションなら、単語を並べていく
  だけでもわかるからね。文型は5つしかないんだから。
  でもね、外国語のルールを学ぶっていうのは、別の意味でおもしろい
  ことがあると思う。ルールは文化に根ざしているからです。英語を使う
  人々と僕ら日本語を話す人の背景にある文化に触れてしまうんだ。
 その経験でより比較して、自分たちが普段使う言葉を考えることにも
 なる。

 自分の家族を見る場合、自分の家族の中にいて見るのと、友達の家に行って、そこから自分の家族を見るのと違うでしょう。おのずから比較もするし、共通点も探すでしょう。アメリカへ行って、自分の家や家族を見てみるともっと違うと思うよ。こういうのを「カルチャーショック」っていうけど、実は中学の英語の勉強ではカルチャーショックの連続のはずで、どうしてこんなに同じ人間が話す言葉というのは違うのか、なんて考えるのは興味深いはずなのです。でもね、いたずらに学習範囲、テストなどに縛られてね、無味乾燥とした英語の授業を受けている人も多いと思うよ。
 
Q: 榎本先生は英語の特質はなんだと考えていますか。
A: う~ん。論理性だね。とにかく整合性がないといけない。厳格性っていってもいいかな。
Q: 日本語は?
A: あいまい性だね。あいまいでも許される。
Q: どっちが好き。
A: 僕は英語だね。あいまいな物言いがあんまり好きでない、というのと同じだよ。日本語を喋っているけどね。人間関係が煩雑な日本語は窮屈だよね。これを思うと日本語が個人の自由さと平等性に対して対応できる言葉になるまでにまだまだ百年、二百年とかかると思うよ。変わってくる日本語を非難する妙な人もいます。言葉は変わっていかなければならないんです。「美しい日本語」って何よ、って言いたいね。こんなあいまいな言い方ないよね。美しい日本語。わかる?
Q: まほろば とか  かたたご  たおやか とか そんなのかな。
A: それは和語じゃないか。
 さて、英語だけど、外国語がひとつわかると人生生活がもっと広くなるよ。
  深くなるかどうかはその人の問題だけど、移動できる場所が増えるよね。
  話できる人も増えるよね。
Q: そうですね。僕も勉強して、子どもたちにもときどき、コツを教えてあげますよ。こどもたちには英語がわかる人間になってもらいたい。もう世界語ですからね。










英語指導のコツ35 時に関して英語は厳格

2019-12-10 10:30:02 | 私の英語講習
時に関して英語は厳格

 今回は我々日本人と英語圏の人々の時の感覚の違いについて説明しましょう。
 まるっきり違うわけではありませんが、規則が割り合い厳格なのです。たぶん、ロジカルなのですね。英語のほうが。
 例えば、
  I think he will come tomorrow.

 この文は今(現在)未来のことを思っているよね。これが過去の時点に思ったとすると、
 I thought he would come the next day. となります。。

 will を would という「時制を一致させるための過去形」にしなければ
ならないのです。can だったら could, mayだったら might です。

 この would や could や might は 過去形と理解したらいいのですが、

Would you open the door? の would とはどう違うのかと疑問がでてきます。would, could, might は「距離を置く、婉曲的で、実現がわからず、あくまでも推量や仮定な感じがする」 would で過去形とは関係がない別物だと考えましょう。今のところは。本当は共通したものがあるのです。

 話を戻すと、「過去に思った」とすると、tomorrow という明日はもうなくなります。今日の次が明日なんだから。思ったのが1ケ月前に思ったのだったら、tomorrow というのは表現を替えなければなりません。「翌日」=the next day と言ってしまえば、すっきりします。

 こんな風に英語の文は 「時制を一致させる必要がある」んだ。
  I think she may join us.
  I thought she might join us. てすることを忘れないでね。

  I think he studies English every day. を過去にすると、
     I thought he studied English every day. となります。

 日本語にすると、
 「僕は彼が毎日英語を勉強していると思った」になります。決して、
 「僕は彼が毎日英語を勉強していたと思った」ではありません。

 この辺、日本語は「あいまい」なのです。

 言葉というのは意識です。言葉が変わっていかないと意識は変わりません。時間に厳格な英語圏の人々はきっと日常生活でも日本人に比べたら厳格なはずです。インドネシアのバリ島にいくと、時間感覚は早朝と昼頃と、夕方頃、と夜というざっくばらんな感覚です。時計を持ち出したのも最近のことなのです。ですから細かい時間にしばられず、のんびりしているところがあります。


英語指導のコツ34 文を長くする方法8

2019-12-09 11:16:50 | 私の英語講習
文を長くする方法 8  関係代名詞

 さあ、分詞については学びました。今回は関係代名詞というものです。
 よく聞いた言葉でしょう。よく聞いたけど、その頃はもうチンプンカンプンだった記憶があります。
 実は簡単なのです。名詞を修飾するのは形容詞でしたね。
  そこで、
 「僕には友達がいるんだ。大阪に住んでいるんだけどね。」
  という文をみてみよう。

  I have a friend. He lives in Osaka.

 これの ピリオドをとり、ということは文と文をつなげることをします。
それに he をとって who にする。

 I have a friend who lives in Osaka. とする。
 「僕には大阪に住んでいる友達がいるんだ」  となります。

すると who というのは 文と文をつなぐ接続詞と he という代名詞の主格(主語になるもの)を兼ねています。He というのは friend のことです。

つまり 接続詞+代名詞=関係代名詞 というわけです。

 友達 を説明するのに、大阪に住んでいる友達 と説明するのですから、
「大阪に住んでいる」は「形容詞」のような働きをしているというのが
わかりますね。Who 以下が形容詞の働きをしているから「形容詞節」と高校の教科書では教わります。節というのは who 以下に 主語(人や物)と述語(動詞)がある文のことをいいます。そして who 以下が「友達」を説明しているので、「形容詞節」というわけです。

 接続詞と代名詞をいっしょにしたものが関係代名詞というのですが、それにしてもそれにしても難しい名前です。接代名詞の方がよほどいいと思いますね。

  練習です。
 
  I know the boy. He is playing tennis over there.
  = I know the boy who is playing tennis over there.

  That is the man. I met him yesterday.

 これはどうですか。
That is the man who met him yesterday.

 あれは昨日彼に会った男だ、となってしまいます。「私が会った男」のはずです。
  him は man (男)のことです。

 この場合は That is the man whom I met yesterday.
 といいます。

 接続詞と関係代名詞の主格( he やshe, they )ではなくて目的格の him
だから who ではなくて whom を使うのです。Whom 以下はその男(the man)を説明しているのです。接続詞+him が whom なのです。
 このように 代名詞が主格か、所有格か、目的格かで関係代名詞は
変わります。

  I know a girl. Her name is Megumi.
 = I know a girl whose name is Megumi.

 この場合は、「名前がメグミという女の子を知っている」となります。
これは whose 。関係代名詞の所有格です。接続詞+her のことです。
 駆け足だったけど、要は接続詞と代名詞を一緒にしたものが関係代名詞。
 関係代名詞は主格・所有格・目的格とあります。これでまた文は長くなります。


英語指導のコツ33 日本語にない表現方法3

2019-12-06 12:44:11 | 私の英語講習
日本語にない表現の方法 過去分詞 2
 前回は Have + 過去分詞で 「過去からの動作が完了した」とか「過去に
どこそこに行ったことがある」とか「どれだけ前から知っている」とかいう表
現のしかたについて話しました。

 今回も過去分詞の続きです。過去分詞は、
be 動詞+過去分詞で 「~される」という表現になるのです。
「~される」って、「ほめられる」「殺される」とか「叱られる」とか「蹴ら
れる」とかです。
 He was killed by that man.
と言えば、「彼はあの男に殺された」となります。killed boy と言えば
殺された少年」になります。分詞というのは形容詞の一種ですから happy boy や running boy 「走っている少年」と同じように人や物をくわしく表す言葉
(形容詞)になるのです。
日本語の「~される」という表現はあまりないのです。結構、あまりよく
ないことに使われる傾向があります。なんか、いやいやとか無理に何かをされ
るって感じです。
この点では英語の場合はずいぶん違うのです。
We open our shop at 9:00.
という文を目的語である our shop を強調して先に言ってしまうと、

Our shop is opened at 9:00.
となって 「店は9時に開く」となります。店のことを先に言いたいわけで
す。店(目的語)を先(主語にして)言う表現方法を「受動態」といいます。
この形が、
be 動詞+過去分詞、つまり is opened ということです。Opened は
過去分詞です。

 The stars can be seen here at night. ここで星は夜見える。
 助動詞のあとは原形不定詞がくることを押さえておいてくださいよ。
can とか will とか may, could, would, might は「味つけ助動詞」です。
そのあとは原形不定詞(動詞の原形)がきます。
ですから
The stars are seen here at night. に味付けで can をいれると are
が動詞の原形になります。Is, am, are の原形は be です。

 He will be taken here. 彼はここに連れてこられるだろう。
 誰に連れて来られるのかはっきり言いたかったら、 by her などと言えばいいのです。繰り返し言うけど、この場合は連れていく彼女のほうより、連れ
てこられる「彼」のほうに意味の重心があります。
受動態というのはおもしろいね。英語圏の人々の物の考え方と日本語の
物の考え方がまるで違うよね。英語は主体によって不定詞(動詞)を変化
させるというきちんとしたルールになっている。日本語は縁起の悪いような
ことに「される」を使う。「店は9時に開く」なんて店が生き物みたいだね。

英語指導のコツ32 日本語にない表現の方法1

2019-12-05 11:26:34 | 私の英語講習
日本語にない表現の方法  過去分詞 1  現在完了形という時制

 前回は「現在分詞」というのと「動名詞」というのを習いました。今回は「過去分詞」です。これは、まず、分詞と名前がついているのだから形容詞だというのはわかりますね。
 分詞は不定詞の別の形で、人や物をもっと詳しく表したのです。
     sleeping dog とか
      dog sleeping over there
 とかがその例です。

 さて、過去分詞の実例を出しますね。

 1. He has gone to Japan.
  2. We have known each other for ten years.
  3. I have already finished my homework.
  4. I have been to Osaka

 1. は 彼は日本に行ってしまった(今ここにいない)という感じで、
   今の状態を中心において「行ってしまって今いない」と言っています。.
今彼がここにいない、という雰囲気のほうが優先された表現です。今までいたのに、これまで存在感の余韻が残っているような場合だね。
   今彼は戻ってきているのなら そのまま過去形で He went to Japan.と言えばいいわけです。
2. は オレたちは10年前からの知り合いだ、と言ってやっぱり今を中心に今もつきあっている。過去に出会ってこれまでも時々かしょっちゅう会ってきた、という意味合いです。

3. は もう宿題は終えて、今は違うことをしてるんだけど、もう宿題は
  終わったの? と聞かれたから、「もう終わったよ。今は別のこと
  をしているよ」と今の状態を言っているんだ。

4. は 大阪へ行ったことがある、と「私の過去から今までの中で大阪へ
   行ったことがある」と言っている。「ああ、あそこへ行ったことが
   ある」という場合、その場所の思い出や風景が現在の脳に浮かんでいるはずです。これも過去のことが現在の心に浮かぶことを中心に言っています。

 ぼんやりと共通点がわかりますか。
 今を中心にして過去からのことを言っていますね。

gone とか known とか finished とか been というのは
 過去分詞と呼ばれています。これが

       助動詞 have +過去分詞

 で表現されると、過去から現在までの時間を頭において、現在と中心に
 「やったところだ、、行ったことがある、 前から知っている、してしまった」と言う風な意味合いになります。

 日本語にはないのです。
日本語では「もう ~~した?」と「もう」や、「まだ」や「これまでに」
「すでに」 「前から」 という副詞をつけるだけだからこの点は簡単です。。

 どうしてこんな風に時間感覚というか時間的な印象感覚に関して表現が違うのでしょう。英語だって、
     Did you ever go to Japan? でよさそうなものですが。わざわざ、
      Have you ever been to Japan? と言います。   

時間というのには記憶や思い出があります。また時間は過去から現在、未来へと流れています。その時間にはあることが起こり、そのことが今の自分にどうなっているか、という心の状態が起こるはずです。
 英語はその時間の幅のようなことにはこだわるのです。「今」という状態の微細な感覚にこだわるのです。日本人にはない英語圏の人々の独特の意識です。

 こういうことがあるから 動詞(不定詞)も 現在形、過去系、過去分詞とおぼえなくてはいけないのです。

 次はこの過去分詞の別の使い方を説明します。おもしろいことがわかります。