幸いにもことなきを得た「うっかり春琴抄」(前日の日記参照)事件の翌日の話題は、やっぱり目の話。
今日は本屋さんで豪遊??しようということになり、春休みマンガ祭と銘打つツアーを組み、Kちゃんと車で10分のいつもの本屋さんへ行った。
もっとも最近気になるマンガを一気買いしたのは私のみ。午前中、ネットで、マンガチェックをしていたのだ。
まずは・・・あ、
『へうげもの』(山田芳裕/作 モーニングKC 講談社)の7巻、去年の8月に出てるやんか!
えっ、あの前々から気にしていたイギリスの非類なき執事のユーモア小説(らしい)『ジーヴス』シリーズが、漫画化されたのっ!? それはチェック! →
『プリーズ、ジーヴス』(勝田文/作 白泉社)
2008年現在も江戸時代継続中の、パラレルワールドもの少女漫画って、中学生向きといえども、ちょっと読んでみたい。 →
『ちょっと江戸まで』(津田雅美/作 白泉社)
歴史のナゾを解き明かす宗像教授は、我家のご当地、ムカデ退治伝説もテーマにしているって? それもこの伝説が銅器VS鉄器の争い(以前好奇心よりネットでこの伝説やこの辺の地名の由来などを調べていたら、実際に古代史論文でそんな説を読んだことがある)を象徴化してるって、内容がえらい本格的やし。 →
『宗像教授異考録』(星野之宣/作 小学館)
と、今朝の午前中は読みたいマンガ情報で溢れんばかりだったのである。
まず、本屋さんで第1次ショック波、到来。棚から本を探し出せなかったのである。うう、職業柄、たいへんな屈辱を味わう。マンガの背表紙も表紙も、色的にもモノによっては内容的にも、たしかに目にチラチラしてイライラするのだけど、そんな言い訳で許されるものではない。実際、棚を一巡したら眼球が「ギブアップ!」と叫んでいるのも聞こえるのだ。
それからKちゃんとランチをご一緒したが、待ち時間に『へうげもの』7巻を読み始めるも、3ページで眼球の「ギブアップ!」が聞こえ、仕方なくもう何ヶ月もかけていないメガネを取り出す。
だが、みよ! このメガネの威力を! なんでもっと早く使わなかったのか!? くっきり、はっきり、すっきりと読める幸せをかみしめる。
VIVA、メガネ!! ブラボー、メガネ!! トレビアン、メガネ!!
しかし、『へうげもの』7巻には、おそるべき絶望の、超絶技巧による感情表現のページがあり、その吹き出しのない無言で、なおかつあまりにも感情が雄弁なページには、メガネは必要なかったのであった。
超弩級の気持ちや体験を、あんなにも単刀直入に(しかも、ほんの数ページで)読者の心に響かすなんて・・・マンガだからできるんだろうなぁ。文字ではちょっとあれは無理かもなぁ~。もしかして、ものすごいものを見てしまったのかも。もしネガティブな気持ちであんな絵をみたら、ショックが大きすぎるかもしれない。
でも去年の今頃は、私もあんな千利休の気持ちの鱗片を確かに味わっていたっけなあ。
自分がたいへん愛しているものを、自分の人生の多くの時間を費やして育てて来たものを、それもやっと手応えを感じて、いくべき方向性も見えて来たところまで到達したかと思いきや、そんな価値を何ひとつ知らない他者の手によって、突然ぽっきりと折られて絶たれてしまう無慈悲さや無情さに対する無念な気持ち。
でももう、余命いくばくもないことを自ら知っていた千利休のショックは、想像もできないくらい深かったのだろうな。「想像もできない」といっておきつつも、気持ちは思いっきりシンクロしてしまったのでした。
ということで、『へうげもの』7巻、本日読了。