昨年初めて、自分がHSP(Highly Sensitive Person)という気質を持っていることを知りました。アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が1996年に提唱した概念で、詳細は
参考:HSPとは?日本一わかりやすいHSPの基礎知識!
をご覧いただければと思います。
実は、私が今まで悩んだり苦しんだりしてきたことの原因の1つが、このHSPという気質にあるのだと知って、とても心が軽くなりました。そのHSPという気質を持つ人の主な特徴として、アーロン博士は
DOES
D 【Depth of processing】 「深く処理する」
O 【Overstimulation】 「過剰に刺激を受けやすい」
E 【Empathy and emotional responsiveness】
「感情反応が強く、共感力が高い」
S 【Sensitivity to subtleties】「ささいな刺激を察知する」
の4つを挙げています。具体的に確認していくと、私自身ほとんどあてはまるので大変な衝撃でした。そしてこの概念を知ることで、
ああ、自分は「変な人」ではなかったんだ。
とすごく心が楽になりました(他人はそうは思わないかもしれませんが)。なので、もしまだこの概念を知らずに苦しんでいるのであれば、ぜひ知ってもらいたいという思いを込めて、いろいろ書いてみることにしました。
いろいろ何を書こうか、考え込みましたが、結局「DOES」について具体的に書いてみます。まずは【D】について
【Depth of processing】 「深く処理する」
→ 物事を深くとらえ、慎重に考えてから行動する
1.少しの説明でも、全体を理解したり深く理解したりできる
2.調べ物をすると深く掘り下げるので、周囲に驚かれたりする
3.お世辞を言われてもすぐ本音を見抜くことができる
4.物事を始める前にあれこれと考えてしまうので時間がかかる
5.その場限りのことよりも、生き方や哲学的なことに興味があるので、浅い話や浅い人は苦手
1.少しの説明でも、全体を理解したり深く理解したりできる
これは頻繁にあります。初めてやることについての説明会などで手順の説明等があると、ほぼ理解できているので誰よりも素早く完了したりします。あとは組み立て家具の組み立ても得意です。設計図の意味を誰よりも早く理解できるので、必要な部品もすぐに見つけてしまいます。
学校の授業も、特に小中学校の頃は、先生の説明を聞く前に教科書を読むだけで理解できてしまうので、説明を聞くのが退屈で仕方がありませんでした。なんか、「勉強ができる自慢」のような話になっていますが、そういう意味ではなく、あくまでもHSPとして、少しの説明で全体を理解できる特性があるというとらえ方をしていただければと思います。
2.調べ物をすると深く掘り下げるので、周囲に驚かれたりする
調べ物は得意です。少しの説明を聞いても全体を理解できないときは、すぐに調べてそして深く掘り下げて、結果として周りの人より早く深く理解できていたりします。「難解なお役所の文書」の解釈と理解も早いですよ。小学校のころの自由研究や宿題も得意でした。戦国武将にはまった時は、図書館で関連の本を借りて読みまくったりしたので、かなりの「マニア」になりました。
3.お世辞を言われてもすぐ本音を見抜くことができる
褒められても、本音で褒められているのか、それともお世辞なのかが、感覚的に見抜けてしまいます。なのでやたらとお世辞を言う方は基本的には苦手です。ただお世辞を言う方でも、その背景に「やさしさ」などの配慮が見える場合は苦手ではありません。逆に自分が気に入られたいがためにお世辞を言う人や何かの利己的な目的のためにお世辞を言う人はすぐ見抜いてしまうので「だまされにくい」タイプだと思います。
でも、過去に仕事で初めてあった人から2~3日後に直筆の感謝のお手紙をいただいたときは、その意外性と「直筆の手紙」という部分に「だまされて」、結果的にその人に利用されてのちにいやな思いをしたという経験もありますが。。。
4.物事を始める前にあれこれと考えてしまうので時間がかかる
よく奥さんに「考える前にまず行動!」と言われます。でも、あーだこーだと考えちゃうんですよね。朝起きて、家を出るまでも、しっかりと段取りを考えてから動きます。起きたらシャワーを浴びて、目薬をしてコンタクトをはめてからドライヤーで髪を乾かして、そのあと会社にもっていく水筒を準備して、準備が整った後に朝食を食べて5分ほどゆっくりしてから、トイレに行って歯を磨いて。。。。。という具合に。そしてその間にイレギュラーなことが起こるとちょっとイラっとします。予定が狂うので。なので奥さんは「考える前にまず行動!」と言うのです。でもその通りにすると必ず何かを忘れて、慌てたり後悔したりします。
あとは旅行など外出するときは、行程表のような感じで事前にあれこれとスケジュールを考えてしまうので、家族からすると「団体ツアーに行くみたいで意外性がない」と言われたりします。事前に計画したとおりにスムーズに事が運ぶことに快感を覚えるので、この癖はやめられません。知らない場所に電車で行くときに、駅の何番出口から出ると早く到着できるか調べるのは私にとっては「必須」です。
で、これが近所のショッピングモールに出かけるような時でも事前にいろいろ考えてしまうので、家族にとっては困りものですよね。先にお昼ご飯を食べるのか、いやお目当てのお店に寄ってからにするのか、決めておかないと落ち着かないのです。
新しいことを始めるときは、特に慎重に考えます。成功のパターンとそれを達成するためのプロセスや具体的な手段、失敗のパターンとそれが起きるリスクと回避策といった具合にあれもこれも考えて納得しないと行動できません。
5.その場限りのことよりも、生き方や哲学的なことに興味があるので、浅い話や浅い人は苦手
飲み会は本当に親しい人や気の合う人じゃないと行きたくない理由の1つがこれです。「知ったかぶり」や「自慢話」が一般の人以上に苦手なのですが、それは上っ面の理解しかないのが見抜けてしまうので「さも完璧に理解しているぞ」という話し方をする人と話すのは避けるようにしています。
ノリのいい、お笑い芸人的な「ボケと突っ込み」の会話の流れは好きです。でもその流れの中に「きらりと光る」ものが見えないと退屈になります。あとは政治やサッカーなどの話をするときも、ミーハーな話やステレオタイプの話は苦手で、「お、この人よく知っているね。」という部分が垣間見えるとすごく楽しい会話になります。
(つづく)
■参考図書
鈍感な世界に生きる 敏感な人たち ~Highly Sensitive Person (HSP) ~ イルセ・サン
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