昨日あれだけ疲労がたまっていたのにも関わらず、
一睡で体力は回復し、元気に出勤した。
今日はいつもより一時間早い、一時出勤。
着いたらすぐに巻きを習った。
ネギトロ巻き、鉄火巻き、納豆巻き、海鮮巻き、堀北真希、上太巻き、○○巻き、押しサバ寿司、博多なんちゃら寿司・・・
このくらい習った。
一度やったくらいじゃ覚えない。
なにせ3日目の新人だし・・・
大体はSさんから教えてもらった。
Sさんのお手本を見て俺が巻きを作る。
Sさんはボソッと呟く。
「うまいなぁ・・・」
新人の俺に、これほどうれしい言葉はない。
てれれてってれーん!
Sさんの印象が30上がった。
ラットのテンションが20上がった。
体力が2下がった。
スキルアップ!上太巻きを覚えた。
そしてSさんは俺に質問をする。
Sさん「ラットくんは家でご飯作ってるの??」
俺「はい。家の晩飯は毎日僕がつくってます。」
Sさん「ほーえらいねぇー!」
俺はエロ・・・えらいと言う印象をもたれたはず!
よっしゃきた!!!
俺は学習能力がない訳ではないので、休憩時間は星新一の本を読んで過ごした。
休憩終わり、俺の友達がバイトにやってくる。
2人のうち女の子の方が俺にチョコをくれた。
「14日バイトじゃないでしょ??だから早めにね♪」
ちょっと胸キュンだった。
この子は毎年くれるのだ。とってもいい子だ。
義理チョコでもうれしいものだ。
今から残り3時間!頑張るとしよう!
しかしここからが恐怖の時間だった。
俺の横で巻き寿司を作っている、先輩のWさんという女性。
いわば、しごき人。
マジで怖い。
俺のいとこのおばちゃんに声が似ているので、仲のいいはずの親戚に怒られているようで心が倍傷つく。
「はい。そこのきんし卵はなんグラム??」
「20グラム・・・ですか?」
「30ぐらむぅぅうううう!!!!!」
こんな感じだ。
めちゃめちゃ種類がある、巻きの具の重さを一度で全て覚えられる人間がいるわけがない。
Wさんは容赦なく俺をしごく。
俺は負けないように、一生懸命作る。
順番を間違えば、軽く命を落としそうな状況である。
一時間しごきに耐えるとWさんは時間が来て帰って行った。
Sさんが励ましにくる。
「焦らんでいいけんね♪最初はみんなこうだからさ!」
いい人だ・・・。
俺のいくら軍艦落としてたけど、あれはかりそめの姿だったんですね!
俺はSさんのこと35歳くらいだと思っていたけど、大学生だったなんて知りませんでした!
あと、カラオケが好きなんですね!知りませんでした!
俺はSさんについていきます!
続いて何人かが俺が海鮮巻きを作っているところにやってきた。
Oさんという姉さんと、すっごいいい太ったおいちゃんのAさん。
Oさんは俺の横で、俺が作るところをじーっと見ている。
俺はWさんにしごかれた条件反射でたじろぐ。
Aさん「あー大丈夫大丈夫☆この人は巻けんけん見よるだけやけん♪」
Oさん「ん♪習おうと思って!」
俺「・・・。」
Oさん「Wさん怖かったろー?でも最初だけよ♪」
Aさん「そうそう♪あの人は最初怖いけど慣れたらアホなおばさんやけんw」
俺「アハハ!」
それは知っている。
休憩時間にDSトレーニングをしていたから。
てか先輩・・・巻きができないって・・・
俺頼りにされてる!うれしい!
地獄の後はうれしい事がたくさん!
その後はなんか穏やかな雰囲気で掃除し、巻き作り、終わった。
次は土曜日!
長い休みうれしいなー♪