錆びたラックケースをこじ開け、張りっぱなしの弦を交換して1ヶ月になる
偶然にしては出来すぎとも言える出会いから集まった4人を祝福するかのように、その夜は春雷が轟き渡った
これから出す音の期待に、挨拶の言葉など、多くはいらない
久しぶりに入るスタジオは、まるでついこの間入ったばかりのように、立ち位置へと自然にたつ自分がいる
セッティングも思ったよりスムーズにこなし、アンプから最初に出てきた音に、ブランクの期間が一瞬にして消えたかのうような安堵と共に、アドレナリンが沸き立つのを感じる
静寂の中に響くスティックのカウントから、圧倒的な音圧で始まるバンドのサウンド
空間を隙間なく埋めるギターを全身で浴びながら、背後のドラムのビートが脳髄にビートを起動する
そしてVoの顔を見ながら、生でしか味わえないベース本来の重低音を爆音でかき鳴らす
Jumpin' Jack Flash
その最中、窓に閃光が走る
それはここで何かが誕生した事への祝福だったのだろうか
つづく?