※ 2016年6月15日、紙面画像を差し替えましたため、出典を書き直しました。
現代語訳は当初アップしたものから変更ありません。
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こんばんは。
よっつめの作品「箱入娘のお人魚う」が完結しました。
昔話「浦島太郎」の後日談という体のパロディでした。
浦島太郎が鯉と恋をしてできた不倫の子が人魚、というちょっとオトナのお話。
親にすてられてしまったり、夫に金もうけの道具にされたりと不遇な人魚ですが
結末では幸せそうでよかったです。
不老長寿の人魚と平次は、きっと今もどこかで夫婦仲良く暮らしていることでしょう。
ところで「箱入娘のお人魚う」の原題は「箱入娘面屋人魚」と書いて
「はこいりむすめめんやにんぎょう」と読ませます。
おそらく、下のような連想で付けられた書名だと思います。
人魚 → 人形 → 人形町 → 面屋(=人形町の人形屋)
→ 箱に入っている → 箱入娘 ← 浦島太郎の娘
黄表紙のタイトルは語呂がよくて洒落ているので好きです。
その感じがなるべく伝わるように訳題を考えていますので
ぜひ原題と比べてみてくださいね。
それでは、まじめな情報を。↓↓
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書名:箱入娘面屋人魚(はこいりむすめめんやにんぎょう)
作者:山東京伝
絵師:北尾重政
刊年:1791年(寛政3)
紙面画像は国立国会図書館デジタルコレクションの保護期間満了コンテンツ
(場面【2】のみ国立国会図書館マイクロフィルムの複写)を使用し、
訳するにあたっては棚橋正博編『江戸戯作草紙』(小学館・2000)の翻刻・注釈に拠っています。
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(R)