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さとのごはん日記

毎日の出来事と毎日のごはん、それはとっても関わりあってる!と思う私からあなたへ

家族を「する」家

2005-07-25 01:19:08 | 私の本棚
という本を読んだ。
「家」(構造や住まい方、暮らし方)から「家族」を
考えてみるという、面白い視点のノンフィクションだ。

私が生徒に対していつも感じているようなこと
調理実習で思ったことでも書いたのだが、「想像力の不足」について、
退屈を知らないことに由来する、つまり個室にパソコン、テレビ、ゲームなどを持ち込み、
情報の洪水に浸りきることで、「自分と向き合う」ことをしなくなった、と考察している。
結果、自分の言葉を持たず、自分の考えを持てず、
自己解決能力が弱いのだと。

この部分、大いに共感。

うちは子ども部屋が冬はとても寒く、夏は冷房がなく、
もちろん、パソコンもテレビもない。
そのせいかリビングで過ごすことが多いが、
リビングが子ども部屋?状態。
ときには、
テレビをとりあえずつけ(あまり見てる様子もなく)
パソコンでメールをしつつ、
耳にはヘッドフォンが、なんてことがある(怒!)

「どれかひとつにしなさい!」と注意するのだが、
言われなければ、「情報の洪水」の中にとっぷり漬かってるんだろうな、いつまでも。

「家」が家族みんなに便利に快適になればなるほど、
「個」別化が進んでいく、しかも子ども達は
本当に1人きりになる時間を過ごしているのではなく、
情報の渦の中で、家族ではない他人と、こういっちゃ悪いが、
あまり深くない、当たり障りのない会話で時を消費している。

考えさせられる本だった。
「家族の息使いの感じられる、思い出深い家」を
めざしたいなあ。

プレジデント社 藤原智美 著



アイアムサム

2005-06-10 17:59:25 | 私の本棚
「誰も知らない」でお話したように
家族をテーマにした映画を観てみようと
生徒達にふったら、
「アイアムサムでもいい?あの映画泣けるよ~」と
声が上がったので、早速観てみました。

ものすごく感動しました。
教えてくれた生徒に感謝。

まず、親の資格は何か、
とことん考えさせられますね。
それはとってもシンプルなものだって
教えてくれた気がする。

あとはラストの展開。
この結末こそ、子育て支援の基本理念でしょう。
ルーシーはきっと賢くてステキな女性になること間違いなし。

子育て支援の法律を作る議員のおじさん達に見てもらいたい映画でした。


火車

2005-06-06 20:26:37 | 私の本棚
宮部みゆきのミステリーです。
クレジットカードによる多重債務がテーマになっていて、
経済の分野でカードを教えるときのヒントになるかと
読んでみました。

最近読まなくてはいけない本が多い中、
すっかり引き込まれて読書を楽しめました。

甥の婚約者が突然失踪、
探し始めれば彼女は別人。
なぜ、別人になる必要があったのか。
そこにはあまりに悲しい多重債務者の姿が・・・。

ごく普通のむしろ真面目な人が、
ほんのちょっと無理をしてしまったために
あっという間に陥るサラ金地獄。
日常生活と隣り合わせにある深い地獄のふち。
ぞっとする話です。

宮部みゆきが面白いのは、
その緻密な取材によるものだと思う。
現代の大きな問題とそれに巻き込まれてしまう
人たちの心のあや。
事実とフィクションのバランスがすばらしい。

誰も知らない

2005-06-06 18:52:20 | 私の本棚
なぜ、この映画を見ようという気になったかというと、
授業で「家族をテーマにした映画、本を読んで感想文を
レポートしよう」と呼びかけたときのこと、
「クレイマー、クレイマー」「ミセスダウト」など紹介したのですが、
「せんせ、誰も知らない、はどう?アイアムサムは?」と意欲満々。
ふ~んと思って、「誰も知らない」を観てみたのでした。
(アイアムサムもまた後日)

いや~悲しい映画ですね。
大人の無責任さを見せ付けられましたね。
最初はけなげにお母さんの帰りを待って、
きちんと家事をするこどもたちが、
当たり前だけどすさんでいくのがものすごくせつない。

「かあさんは勝手なんだよ。」と明(柳楽優弥)が
抗議したとき、「一番勝手なのはあんたの父さんじゃない、
勝手にいなくなってさ。私は幸せになっちゃいけないの。」
とのことばが胸を刺す。
こどもには何も罪はないのに
出てくる大人はみんな自分達のことしか見えない。

私はこの物語、現代社会への痛烈な批判と受け取りました。

是枝裕和 監督

フラディルフィア

2005-05-14 17:43:10 | 私の本棚
若き日のトム・ハンクスの映画です。

ゲイの若手敏腕弁護士が、
エイズになってしまう・・・、
エイズやゲイに偏見を持つ会社は
彼を陥れ、不当な解雇をする。
法を愛する彼はさまざまな人の手を借りながら、
命の限り、不当解雇に立ち向かう、
というストーリーです。

しみじみと日本と違うなあ~と思ったのは、
彼の家族が、彼を受け入れ、励ましていること。
考え(この場合好みというべきか)や生き方が違っても、
家族に変わりはないじゃないか、
みたいな感じなんですね。
果たして日本ではこんな風に偏見のある特殊な立場の家族を
守ってあげられるでしょうか。

でかまるや、ちびまるの彼が男の子だったら?
う~ん、悩ましいね。
でもやっぱり、息子の大切な人は誰であれ、
大切に思えそうな気もするな。

法廷でのやり取りがすごく面白かった。
説得力のある話術の勉強になりましたわ。