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アイススケート、アート鑑賞、食べ歩き等の雑記。

「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」(東京オペラシティアートギャラリー)

2022-07-23 20:20:30 | アート鑑賞
とても楽しみにしていた展覧会に行ってきました。



「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」

ライアン・ガンダーはイギリスのアーティスト。
今回の展覧会のキーワードは「時間」「お金/価値」「教育」「隠された物/よく見ないと見えないもの」そしてすべてにつながる「想像」だそうです。
はじめは難しいかなと思いましたが、このキーワードをもとに作品と向き合うと、いろいろなことが見えてきます。


《タイーサ、ペリクルーズ;第5幕第3場》


《脇役(バルタザール、ヴェニスの商人:第3幕第4場)》

彼らはグラファイト(鉛筆の芯)でできているそうです。
そして役者なのですが、脇役なので出番までずっと待っている。
その見えない時間を想像させてくれます。
どんな仕事でも、その仕事のことを知らない人は、見えている部分が全てだと思い込んでしまいがち。
でもその裏には膨大な時間(準備)があるのだということをふと気付かせてくれます。
さらに、鉛筆でできた彼らが動き回ると白い壁に汚れが・・・。
観客が見ていないときに彼らは動き回っているかもしれないよというユーモア。
このようにユーモラスに問いかけてくれる作品が他にもたくさん。


《あの最高傑作の女性版》
《最高傑作》

壁にある目。
来場者の動きに合わせて表情を変えていきます。
美術館の作品は来場者に見られるもの。
でも、同時に作品も来場者を見ているよ。という。



ちなみにこの最高傑作くんがどんな性格なのかなと思い、しばらく前に立って目を合わせてみました。
するとこんな感じで居心地悪そうに伏し目がちになってしまいました。
照れ屋さん?


《はじめに、言葉がある以前、そこには・・・・・》

根源的な問いかけだなと思ったのがこちらの作品。
人類は火の発見によって、他のことに割く時間が確保された。
その時間を使ってあなたな何をしている?
と問いかけられているよう。
ただ何となく過ごしてしまいがちな「時間」ですが、「時間」は有限。
その「時間」をどのように使っていくのか。


《野望をもってしても埋められない詩に足りないもの》

こちらも時間の消費を示唆させる作品。
床にたくさんの黒い影。
会場の中にもたくさんあるのですが、外にまではみ出しています。
こちらの黒い影はお金、クレジットカード、タイムカード、航空券などのシルエットだそうです。

この展覧会のすごいところは、作品を観ながら考えたことが美術館の中だけに留まらず、普段の生活にしみ出してくること。
そして何より作品がユーモラスで楽しい。
まるで宝探しをするかのように会場をキョロキョロしてしまいます。

少し時間をおいてからまた観に行きたいです。









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