すでにこのブログを
何度かご覧いただいている方には
この私めのだいたいの職業がおわかりかと存じますが
実は、というか改めて打ち明けさせていただきますと
船の、それも特に大型外航商船関係の仕事をしておりまして
大きく分けると
船の機器を輸出入販売する仕事と
船の技術サポートの現場仕事
その技術サポートの中でも
いまだ建造中の造船所での仕事と
すでに就航している船での仕事があるのですが
仕事の依頼を連絡してくる時
これまでには、事前にあまり船の情報が与えられず
現地に行って初めてどんな船なのかを知る!
なんていう信じられないようなことがほとんどで
それも仕方ないかと、これまでは諦めていたのですが
最近、ネットサーフィンしてて
とっても便利というよりも 凄すぎるサイトを見つけてしまいました。
使い方は、
Googleの検索で
まづ、船名を入力すると
探している船名と
"Veesel's detail and Currect Position"
のサイトが表示さらるので そこをクリックしてみると
当該船のスペックが表示され
ここでも、充分なほどの詳しい情報が入手できちゃいます。
たとえは、船の船種(どんな貨物用の船か)にサイズ(全長、幅、高さ、排水量など)
そして船齢から船籍等々まで
更に、その下には 現在地の情報まで
そして、このCurrect Vessel's Trackをクリックすると
地図のページに変わり
現在地と航跡が表示されちゃうんです。
この円を描いているのは、ようするに投錨中ってこと(沖で錨を下ろしている状態)
満潮、干潮、湾内の潮の流れなどで どのような状態にいるのかが表されちゃいます。
港の岸壁や桟橋に着岸している時は
こうして航空写真に変えると
どの位置かは勿論のこと
周辺から どの貨物を扱っているか
荷を揚げているのか 積み込んでいるのかまで
想像がついちゃうってわけです。
これは単なるサンプルですが
この船の係留されている桟橋の根元には
カナダのバンクーバーにあるグレーン(穀物)の大型エレベーターがあり
船はBULK CARRIERというバラ積み船なので
ここで穀物を積んで どこかに向かうことが想像できちゃうって訳なんです
たとえば、この船の前の港が 中国の港だとすると
これから穀物を積み込むのに 2~3日
それから太平洋を横断してゆくとなると・・・
だいたい5,800 Nautical Miles (海里)として
この手の船だと 船速が15ノット/時以下で
いまの時期の北太平洋航路だと
24・5日以上はかかるだろうな
とすると
中国着が 12月の20日以降に中国の港に入港したとして
運よくそのまま岸壁に着けて(普通は、先船があったりして沖待ちが多いんです)
またまた運よく天候にも恵まれたとして
(貨物によっては雨だと荷役しない場合もあって、穀物だと普通雨ではしない)
最新の荷役装置でも揚げに2日
そこから回航してゆくと・・・
早くても年内ギリギリだな! って見当がついちゃうって訳です。
これまでだと、相手先からの情報しかなかったから
いったいいつ頃になるのか ほとんど盲目状態で
直前になるまで確かな情報が伝わってこないために
マーフィーの法則なのか なんなのか
そんな時に限って、もっと実入りのいい他からのオファーと重なって
地団駄を踏む思いで、幾度となく運の悪さを恨んだものでしたが
このサイトを知ってからは
ある程度の予想がつくようになって
その船が予定の訪船地に着くまでに他の仕事も入れられるようになっちゃいました
余談ですが
その昔、船会社のオペレーション(運航)部門で働いていたとき
チャーターで船を貸して運航していたのですが
船の機械トラブルで到着予定が遅れそうになると
当時は船からは無線での定期連絡がなされるだけでしたので
「荒天で船速がおちて遅延」と連絡してきてその場を凌いでいたのですが
(チャーターの場合、船側の事由によって遅延した場合、OFF HIREといって
1日単位でチャーター料が支払われなくなったり、悪くするとデマレージという
滞船料(要するに違約金というかペナルティー)を支払わなければならないため
そんな言い訳することもしばしばだったんだけど
いまの世の中じゃ~ きっと通用しないんだろうな
そんな(情報)技術の進歩に驚かされたって話でした。
恐るべし GPS&IT