山頂が雲にスッポリと覆われた大天井ケ岳に不安を抱きつつ
四寸岩山の頂きを下ること約20分
山中に何やら建物らしきモノが
そうなのです。
これこそが足摺ノ宿跡に建てられた 足摺宿なのでした
小屋の手前には石灰岩の塊があり
そこには石塔が
目を凝らして奥手の石灰岩の上を見ると、これまた山伏の石像まで
なかなか凛々しい感じの先達さんでした
宿の中にはきれいな祠と木彫りの行者が祀られています。
祠の隣に置いてあったノートには、この足摺宿を訪れた人々の一言が書かれていました。
中でも興味を引いたのが、何人もの登山者が、この宿で避難させてもらったことへのお礼文。
「台風が過ぎ去るまで二晩お世話になりました。大変助かりました。」
などなど
そんな方々からのお礼もかねて、般若心経を唱えてみました
ここは、その昔から宿のあった場所なので大丈夫なんでしょうけど
天川の川合方面からの弥山ルートにある双門滝近くの河原小屋だったら
流されちゃってましたよ~
http://www.youtube.com/watch?v=FZRqU5cFJT8
やはり、台風が接近してるような時に無理して登山してはいけませんね
足摺ノ宿跡を過ぎると、また同じようなすっかり落葉してしまった広葉樹林を抜けての
石灰岩の露出する地帯のある長い下り坂へと続きます。
それにしても、さっきの天候悪化しそうな不安を吹き飛ばすような陽が差し込んできて
女心と秋の空じゃないけど、山の景色は変わりやすいんだな~と実感
そうこうしていると、また舗装道に出て、カラフルなマップがルートを教えてくれていました。
ふむふむ この地点がコル(そんな大層なヽ(´Д`;)ノ)なんだな~
この林道を跨ぐと・・・オォーッ 川上村だー!
百丁茶屋跡への道標と九十丁の碑があります。
たしか、吉野の金峯山寺蔵王堂から山上ケ岳の大峯山までの二百丁あり
その中間だとか
修験道の行者さん達は、未明に吉野山の蔵王堂を出発して、山上ケ岳まで行くのが通常なんだけど
いまの自分にとっては、ここまでですっかり足がパンパン状態
とりあえず、お昼は百丁茶屋跡でと予定してたので、先を急ぐことに
緩やかな傾斜の山道をすすんでゆくと
ヤッター! ありました百丁茶屋の立て札が!!
足摺ノ宿よりももっとしっかりした建物にビックリ
この空き地に百丁茶屋があったのでしょうね
祠があったので、またまた般若心経を唱えてみました
この百丁茶屋跡に現在ある建物は、二蔵宿というもの
一般の我々も使わせいただけますが、基本的には、行者さんのための避難小屋なんです。
中には木炭ストーブもあり、毛布や布団はおろか、電気も供給されています。
この入口にメモしてあったのが・・・
エッエーーーーー!!!
五番関まで行けないわけー? と凍りついてしまいました。
そう言えば、たしかに誰ともすれ違わないし、どうにもおかしかったよな~。。。
と溜息をつきながら
とりあえず囲炉裏端に座って昼食のオニギリを食べて
これからどうしようかと思案していたところ
小屋の壁にスケッチ風のマップが
水場への行き方と、五番関への従来道と大天井ケ岳への吉野古道が!
ホッと安堵のため息をつきながら、非常用にとオニギリを1ケ残して出発
ここからは、傾斜の急な坂道を一気に登ってゆきました。
しばらくすると、またまたモノレールのレールに出くわしたと思ったら
急に開けた平地が現れ、いままで歩いてきた方向が一望
(奧に見える一番高い山が四寸岩山)
吉野古道部分(尾根道)だけが落葉樹林なんですね~
平地の奧にはまた祠が
アレ? モノレールのレールが・・・
そうなんです。 朽ちた大木と台風で倒れた木がレールを潰していました
そして目の前に大天井ケ岳の頂きが
実は、この時点で、太腿の筋肉がツリそうになってましたが
よーし! あと一息だー! と喝を入れ直して出発
途中まではモノレールのレール沿いに歩けたけど
途中からロッククライミング状態の急登になって
他のルートがないかと探して、岩場をよじ登り、なんとか登頂を果たせましたが
実は、最初に岩を登っていて落ち葉に足を取られ、
確保しようとした木や根っこがほとんど朽ちててとうとう身動きが取れなくなり、
無理してでもこのまま登り続けよう!と
いつもの自分だったらするところなのに
、今回は、『ここで滑落して骨折でもしたら身動きとれなくなるな』と思い直し
慎重に下まで降りて再度別ルートを探しました
その斜面には、古いロープがかかっていて
そのロープに頼ろうかと一瞬迷ったものの、やはり危険回避のためには
三点確保で一歩づつ登っていった方がいいなと判断しちゃいました。
そんな訳で、絶好のシャッターチャンスだったのに、危険なところはそんな余裕がないんですよね
なにはともあれ、ようやく山頂の三角点までたどり着くとこができて
嬉しいというよりも、”よくぞ無事で”と安心の気持ちの方が勝ってしまいました。
コレ↑は、モノレールの終点部分
下りだったら、しがみついて降りられるのかな?
世界遺産に登録されている場所なので、こんな場所にもしっかりとした道標が
太腿の筋肉はツリそうだし、膝も痛みを増してきていましたが
五番関まで あと2kmの表示が背中をおしてくれました
しばらくヤセ尾根が続き、木の根に足をとられないように慎重に一歩づつ進みます。
たいがい、滑落は危険な場所を過ぎた時に起こると本で読んでいたので
臆病なほど、慎重の上に慎重を重ねて
ようやく急坂を降りきったと思ったら
目の前に大きな岩塊が現れ、目の前にはまたまた山崩れが!
コレが従来道を塞いじゃったんだろうなと思いつつ
自分も降りられないじゃん! と
背筋を凍らせながらルートファインデイングしてみると、
ようやく反対側に赤いテープが見つかりホッと一息
岩塊をまわりこんで ようやく五番関に到着できました
ここが北側からのルートの現在の女人結界
ヘタに世界遺産になんかになってしまったもんだから
近年では、とっても苦労しているようです。
五番関からは大きな石灰岩のガレ場を下ってゆきます。
ここはメジャーな山上ケ岳へのルートでもあるため、難所ではありますが
太いロープも多々備えられていて、苔に足を取られないようにさえ気をつければ
大丈夫です
これが林道からのアプローチとなっている東屋のある公園
すぐ真横には五番関トンネルの西側が
このあたり、山上川の源流で洞川の生活用水の取水口でもあるんですヨ
ところが、先日の台風で路肩が崩れてしまい水道管も被害を受けていました。
五番関下の公園からほぼ競歩で歩くこと30分
ようやく母公堂に到着
(修験道の始祖、役の行者(役小角)が母親と会ったといわれる場所です。)
こちらは、天川の名物 ”ごろごろ水”
自分が初めて天川を訪れた時(1990年頃)は、この隣にある鍾乳洞から流れてくる源水を
自由に取水できてたんですけどね
一時は、ここの名水にはまってしまい、車に20L入のポリタンクを10ケほど積んで
毎月のように取水に来ていました。
(ホントに、ここの水は美味しくて、豆腐や蕎麦も最高においしいですよ)
向かって右手が温泉旅館街
その昔は、色街でもあったそうです。 女人禁制のお山に登って修行して
垢落としだったのかな
実は、どこでどう誤解したのか、ここ洞川からの最終バスが午後3時台だったと思い込んでいたため
最終に乗り遅れたら、10,000円以上のタクシー代払って最寄駅(下市口)に行くか
洞川温泉で一泊して翌日帰るしかなくなっちゃうと
五番関からは駈けるようにして一心不乱にバス停を目指し
滑り込むようにして到着したのが15:45頃
まだバスが停車してるのを見てホッとしながら運転手さんに尋ねると
なんと最終は17:55とのこと
乗ろうと思ってた15:55のバスは、行楽客で座席はすでに満席
補助イスがあったので、運転手さんに使えるかと聞いたところ
この先乗り込んでくるお客さんも多いと思いますので、その時はお立ちいただかないと・・・
と、申し訳なさそうな、歯切れの悪い返事だったので
「了解! そしたらゆっくり温泉につかって、いっぱい飲んで最終に乗る!」と伝えて
洞川の日帰り温泉に直行しました~
入湯料は、大人600円也
ゆったりと湯船につかりながら、しっかりと足腰を揉んで、すっかりリフレッシュできました
その後、食堂に入って 鮎の塩焼きと名水豆腐の冷奴にシメジの炒め物を肴に
ビールと熱燗を堪能しちゃいました
ご参考までに、こちらが↓洞川温泉バス停の時刻表です。
バスの行き先は、吉野地方の玄関口”五條の大淀バスセンター”
最終バスもほぼ満席にちかい込み具合でした
約1時間ほど乗車して、近鉄の天川・黒滝方面の玄関口 下市口駅に到着
19:24発”あべの橋”行き普通電車に乗り込み、橿原神宮前で京都行き急行に乗り換えて・・・
って、もういいか
ということで、
とっても充実した一日でした。
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