マーラーのアダージョのような・・・?
今回はヴァレンティン・シルヴェストロフ(1937年- ウクライナ)作曲の交響曲第5番です。
以前もご紹介しましたシルヴェストロフは現代音楽の作曲家です。しかし、今回の曲は前衛的な音楽では無く、どちらかと言いますと、後期ロマン派にも通じ、ヒーリング効果も期待出来るかのような美しさを持つ曲です。
このシルヴェストロフの交響曲第5番はグスタフ・マーラーのような後期ロマン派音楽であるとも言われております(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
現代音楽は訳が分からないという方(私も以前はそうでした)、是非お聴き頂きたい曲です。クラシック音楽が過去形では無いという事を実感頂けると思います(現代音楽でも聴き易い曲や奇異をてらった曲があり、私は前者を好みます。)
なお、この曲は全部が美しいロマンティックなメロディーではありません。時には、暗闇を思わせるようなメロディーも登場しますので、その辺りは現代の味付けがなされているように感じます。しかし、全体を通して聴いた時、私も後期ロマン派を感じる作品であると思います。
是非とも一度はお聴き頂きたい曲です。
なお、この曲はシルヴェストロフの有名な曲のようですが、作曲家の一般的知名度から「準秘曲」とさせて頂きます。
それでは曲のご紹介と参りましょう。この交響曲は1つの楽章から構成されており、演奏時間は約41分となります。
不穏な響きで曲は始まります。少しの間、この不穏な雰囲気は続きます。時折りオーケストラの力強い響きも登場します。まるで暗闇の中から響いて来るかのようです。
やがて、不穏なメロディーの中から非常に美しいメロディーが登場します。ハープの音色とともに、まるで洞窟の中で満々と水を湛え、一筋の陽の光に煌く地底湖をイメージさせるかのような、穏やかで美しいメロディーです。まさに、癒し系のメロディーであり、おおまかには、このメロディーが穏やかに繰り返され曲は進行します。
曲の中盤になると、不穏な響きが支配的になり、まるで漆黒の闇の波動が広がるかのようにオーケストラの演奏が響いてきます。
しばらくすると、不穏な中にも穏やかなメロディーが登場してきます。そして、不穏な雰囲気は徐々に鳴りを潜めて行き、次第にハープの音色ともに穏やかで美しいメロディーが展開されて行きます。
そして、最後は不穏な響きが轟いた後に静かに幕を閉じます
参考までに、私の所有するCDの中から1枚をご紹介します。
レーベルはBISで、ユッカ=ペッカ・サラステ指揮、ラハティ交響楽団の演奏のものです
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