新・HAMA一等兵のペケ戦記

昨夜はソ連兵と戦い、今夜はエイリアンと戦う、ニッポン男児HAMA一等兵のゲーム戦記(プレイ日誌)!

ナイト & デイ (BD)

2011-02-19 11:02:05 | Audio Visual

A_098トム・クルーズ & キャメロン・ディアスのロマンティック・アクション、「ナイト & デイ」は内容的には気楽に観れるエンターティメントだが、どうも北米では興行的には成功したとは言えないようだ(wikiより)。自分が観ていて一番気になったのが、時折アップになる二人の笑顔にある種の「つくり」をなぜか感じてしまった点か。二人とももう既に実年齢では中年の域に達しており、若さ溢れる自然な笑みは期待できないのかもしれない。それだからか、笑顔がどうも嘘くさく感じてしまった。

「96時間」のリーアム・ニーソンは特に老いや中高年の悲哀を隠さず、却ってそれが凄腕アクションに新鮮な驚きを感じさせてくれ、配役の妙味を感じた。若いパパが演じたらおそらく普通のアクション映画になってしまっただろう。しかし、「ナイト & デイ」は内容的にもう一回り若い役者が演じたほうがぴったりだったのではと感じた。個人的にはトム・クルーズは好きな俳優で(キャメロン・ディアスはその逆)、今回はトムの腹筋に同年代として頭が下がる(と言うか目を逸らしたい)思いだったが、今回の作品はトムにはどうだったかな・・・、と正直感じてしまった。


山田洋次・新旧二本立て

2011-02-12 15:23:13 | Audio Visual

A母からリクエストがあった「おとうと」(BD)を中古にて安価で入手したので、昨年末発売されたばかりの「幸福の黄色いハンカチ」(BD)と同時上映とあいなった。

「おとうと」はクレジットの最後に市川崑監督の「おとうと」(1960)に捧ぐと記されているが、この映画を観ていて山田監督の本音のところは「寅さん(渥美清)に捧ぐ」ではないかなと思えた。「男はつらいよ」シリーズがだらしない兄としっかり者の妹のストーリーだとすれば、この「おとうと」はだらしない弟としっかり者の姉のストーリーである。また脇役含め、「男はつらいよ」シリーズとの類似点をいくつも見出すことが出来る。

「完全版『男はつらいよ』の世界」(吉村英夫、集英社文庫)によれば、全48作のシリーズのターニングポイントは29作目だったとの監督の言葉があり、原因は渥美清の病気だったそうである(p383より)。渥美清は肝臓癌を患い1996年に転移性肺癌で亡くなっており(wikiより)、映画「男はつらいよ」シリーズでは描けなかった「病気」や「死」を含むリアルな人間像を描いたのが本作と言えるのではないだろうか。特に現代人にとっての終末期医療の一つのあり方が描かれており、個人的には父や弟の最期を自分も含め家族で看取れなかったことに悔いを感じた。

内容的には良い映画であるが、ディスク品質については非常に残念と言わざるを得ない。「山田洋次監督作品=初のブルーレイリリース!」とパッケージ裏に表記してあるが、「ブールーレイ=高画質」が成り立たない格好な一例となった。全編通して映像に霞がかかったようで解像感がスポイルされており、これは意図したものかは不明だが、同時に観賞した「幸福の黄色いハンカチ」が予想以上に高画質だったのでその落差に唖然とした。


マルサの女 (DVD)

2011-02-07 00:36:48 | Audio Visual

A_094マルサにガサ入れされた権藤が津川雅彦演ずる査察官に金を貯めるコツを教えるシーン。「金を貯めるには使わないことだ」、「金持ちはコップになみなみ注がれた水は飲まない。零れ落ちた水滴を舐めて我慢する」、と続く。これ、実は非常に的を得た台詞である。喉が渇いた一般人は水(金)をコップいっぱいまで貯めるまでに飲んで(使って)しまう。コップいっぱいの水(資産)があれば水滴(利息)がつく。金持ちは資産には手をつけず利息だけ使うから減らないのだ。この脚本を書いた伊丹監督は金融の肝を知っていたに違いないと察することができるシーンである。

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「マルサの女」は伊丹十三作品では一番好きな作品だが、セルDVDはノン・スクィーズ版がジェネオンからでているのみ。デジタル・リマスターされ、いつかBDがでて欲しい。