心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

北奥千丈岳から黒金山へ、その2。

2018-11-08 07:00:00 | 登山
ゴトメキから東の方向に下る。まだこの辺は道が分かりやすい。



段々と道が不明瞭になり、疎らなマーキングを見落とさないように慎重に歩く。



立ち枯れ目立つこの斜面、倒木は当たり前の状態。



やがて笹が茂る、幅の広い尾根道へと移る。



澄み渡る青空を背景にしたゴトメキの山容を見返す。随分降りて来たと感じる。



登山道は無きに等しいが、尾根が然程広くないので迷わない。 



木々の向こうに見えるのは黒金山だろうか。登り返しがかなりありそうだ。



北斜面側に廻る登山道は森の中。



また笹の原になる。獣道が入り乱れている中、とにもかくにも正面に向かって進む。



「大ダオ」に到着。
北側に見えるのは北奥千丈岳か。
随分と下って来たものだ。



笹の原は気持ちの良い場所。
だが、先はまだこれから。再び気持ちを引き締めて出発。



薄暗い森の中に突入。ヒンヤリとした空気を感じる。



敷き詰められた苔の絨毯。笹の原と違って道迷いの心配は無い。



だが、森の中の登りは先が見えず不安が募る。


そして遂に黒金山山頂へ辿り着いた。今回の旅の終着点。



北側に開け、そこから甲武信ヶ岳方面を見る。あいにく雲に覆われ山容が分からない。



北奥千丈岳方面。感慨深く見入ってしまう。



そして歩いて来た稜線を辿っていく。ここを歩いて来た事が信じられない。

  
この後西沢渓谷、三富へと下って行った。

振り返って、予想以上に大変なコースだったが、今は歩き通した事に誇りを感じている。
恐らく同じコースを歩く事はもう無いと思うが、黒金山からの景色はまた見てみたいので、いつの日か快晴の日に黒金山へ再訪してみようと思っている。
      (2018年11月3日)

(終わり)

北奥千丈岳から黒金山へ、その1。

2018-11-07 09:00:00 | 登山
さあ今日はいよいよ北奥千丈岳から黒金山、そして西沢渓谷へと向かう。
下山の気安さと破線ルートを歩く緊張感とが入り交じる。


夜明けとともに歩き始めると木々には薄っすらと霧氷がついている。
前国師から国師ヶ岳を見る。ガスに包まれ東側は見えない。



朝日は望めないかなと諦めていたところ、北奥千丈岳に着く頃急に赤く染まってきた。



西側の金峰山方面は朝日に照らされている。



山頂付近の木々についた霧氷が朝日に染まる。



奥千丈岳へ向かう登山道の入口が分からない。あちこち探した結果、やっと南側のシャクナゲの間にかすかな道があるのに気付く。



おそらく奥千丈岳に向かう登山者は稀なのだろう、登山道は踏み跡のレベル。マーキングが頼り。



少しずつ森が明るくなり、南に向かって下って行く。



三角点があったので見てみれば奥千丈岳の標柱だった。



か細い灌木の中を歩く。頼りなげな道が続く。



昨日も風倒木が多く難儀したが、今日の道は凄まじく荒れている。
迂回は当たり前、時には乗り越え、時には跨ぎ、そしてすり抜ける様にくぐるなど、アクロバティックに切り抜ける。



標高が低くなってきたせいか植生が変わってきた。若い灌木の森となる。



所々切り開けた場所に出る。
朝早いせいか、まだ霜で白いまま。



白檜平の林道に出て一安心。
次はゴトメキに向かう。
破線ルートの割に道は分かりやすい。



この辺りは標高が低いせいか、11月なのに苔の瑞々しさが際立つ。



苔むす道はなだらかな登り。



道を覆う木々の葉をかき分けながら進む。



山頂に近づくにつれて獣道の様子を呈してきた。


 
「ゴトメキ」に到着。ここを訪ねる登山者はどれくらいいることやら。


(続く)

甲武信ヶ岳、国師ヶ岳へ、その3。

2018-11-06 09:00:00 | 登山

ゆったりとした下り。
単調な風景に段々と飽きてきた。



今の自分の位置はどの辺だろうか。光の向きが頼り。そして高度計の示す標高が頼みの綱。



森の奥底に沈んでいる気分になる。


  
いきなり視界が開ける。おそらく「両門の頭」だろう。
目指す国師ヶ岳は遠い、そして高いと感じられる。



木賊山と甲武信ヶ岳。
それぞれの山頂にいた事がもう朧気な記憶となっている。



明るい風景から一転。また森の中を彷徨うかの如く歩く。



所々風倒木が道を塞ぐ荒れた森。
森歩きに相応しい景色がありそうで中々無い。



苔むす森、北八ヶ岳がどこかで恋しい。



明るい景色に向かって行く時、少しの期待が芽生える。



ようやく「東梓」。只今13時10分。次第に時間が気にかかり始める。



木漏れ日が作り出す影を一歩ずつ踏みながら下る。



緩やかなアップダウンを繰り返しながら標高を下げて行く。



岩の割れ目に根を張る木々の逞しさに感心する。
一方で脆弱にしか根が張れないからこそ風に弱いのだと納得する。



「国師のタル」に到着。
これからは登り一辺倒。と同時に日没までに大弛峠につけるかと心配になってきた。



急坂が途切れないのでしんどい。
地表の霜柱が溶けていない。どおりで寒いはずだ。



ようやく国師ヶ岳のアタマが見えた。もう少しの頑張りだと思うと先ほどまでの不安が吹き飛ぶ。



15時45分国師ヶ岳の山頂にやっと到着。
長かった道程がようやく終わりを迎えようとしている。



山頂から見える尾根は明日の道程。


歩行時間約10時間の長かった一日がこうして終わった。
明日は明日で困難が待っているだろうが、まずは今日一日の無事を喜びたい。
      (2018年11月2日)

(続く)

甲武信ヶ岳、国師ヶ岳へ、その2。

2018-11-05 20:00:00 | 登山
立ち枯れの目立つ笹の原を下り、避難小屋のあるコルに向かう。


 
コルから西破風山を振り返る。 去年の初冬ここで一夜を過ごしたが、自分にとってお気に入りの場所。



また笹の原を登り返す。



やがてシャクナゲ茂る急坂を上がって行く。



登山道はえぐれた溝となり、歩き辛い。



緩やかな登りの先に木賊山の山頂へ至る。



下ったザレ場から見える甲武信ヶ岳はとんがり帽子の形。



小屋からの登り返しは針葉樹林の中を抜けて行く。
この登りは疲れの出てきた身体に堪える。



見晴らしのきく場所に出て、振り返れば先ほどまでいた木賊山が構えている。



木々の開けた登山道を進めば山頂はもうすぐ。



甲武信ヶ岳山頂の標柱が迎えてくれる。



見下ろせば、目指す国師ヶ岳までの稜線がなんと長いことか。ため息が漏れる。



千曲川源流からの道と分かれると、荒れた登山道となる。



南側斜面に出ると一気に開ける。しかし、基本的にこのコースは針葉樹林の中を歩くので青空は望めない。



シャクナゲの森に囲まれた「水師」の道標。感慨が湧かない。



木漏れ日はあるものの、薄暗い森を行く。



苔のむす森は緑一色。 
色彩豊かな秋の山歩きからかけ離れた世界。



「富士見」に到着。富士山どころか周りの山一つすら見えない。


単調な景色の中、時間だけがイタズラに過ぎていく気がする。


(続く)

甲武信ヶ岳、国師ヶ岳へ、その1。

2018-11-04 20:00:00 | 登山
雁坂峠から水晶山方面を眺める。
朝日が差し込む。



西側の山々を朝日が染める。



これから歩いて行く雁坂嶺方面。
ここから長い一日が始まる。



山肌が朝日で黄色に染まる。
まだ歩みのリズムと呼吸が整わない。



立ち枯れの木々の中を歩いて行く。



今日初めてのピーク、雁坂嶺は疎らな木々に囲まれている。



なだらかな道に射し込む日射しは少しずつ強くなってくる。



背の低い木々の向こうにはスッキリとした姿の富士山が見える。



本日目指す彼方。幾つの峰々を越えて行くのだろうか。



細い針葉樹に囲まれた登山道。
11月に入った時期の割に寒くないのは風がないからか。



笹はまだ霜が溶けず白くなっている。



緩やかに東破風山へ登って行く。



程なく東破風山の山頂へ着く。



木賊山と西破風山の間に甲武信ヶ岳が見える。



広瀬湖の彼方に富士山が浮かぶ。



段々とシャクナゲが目立ち、緑の密度が濃くなってきた。



そして西破風山山頂に至る。



山頂から少し下った所で視界がパッと開けた。 
木賊山が大きく構え、後ろには甲武信ヶ岳と三宝山が控える。


スッキリと晴れ渡った青空の下、今日はこれ以上望めない程の登山日和だ。

(続く)