心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

待望の夏、雪倉岳·朝日岳へ。(三日目、その2)

2019-07-31 19:00:15 | 登山
木々の間からは朝日を浴びて眩いばかりの朝日岳が見える。



この先は崩れた沢沿いの道になる。道は細く崩れやすく、足元への注意を怠らないよう気を引き締める。



急斜面のトラバース道。草原が広がるとはいえ、油断は出来ない。



五輪ノ森に入る。今まで泥濘んだ道、脆いトラバース道だったので少しホッと出来る。



五輪ノ森を抜ければ、目の前に雪倉岳が構える。夏の午前中らしく霞んで見える。



眼下には湿原が豊かに広がる。




これぞ楽園の風景。
晴れ渡る夏の午前にここに来れて本当に良かった。


キンコウカが草原を染める。



緩やかに付けられた木道が何処までも続く様に延びる。



キンコウカと雪倉岳。楽園に相応しい光景。



湿原の先は森の中をひたすら下る。


樹間から雪倉岳が見える。
昨日のこの時間あの頂にいた事が信じられない。



下りに下り、ようやく白高地沢を渡る。



川を渡り、なおも下る。辺りはブナの森となる。



下った先、もう一度川を渡る。



ここからが今回一番の苦行。滑った岩の道をひたすら登り返す。



苦しかった登りを終えるといきなり兵馬ノ平が広がる。ギボウシの花が草原に色を添えている。


  
これで朝日岳の見納めとなる。山を見ながら、ここまで出会えた景色をもう一度思い返す。




蓮華温泉までまだ登りは続き、最後まで辛い山歩きだったが、終わってしまえば美しい光景の方が記憶の大半を占めている。だからまた山旅がしたくなるのだろう。

雪倉岳·朝日岳は遠い山だが、次はあまり間を空けずに再訪したい。

      (2019年7月24〜26日)

(終わり)











待望の夏、雪倉岳·朝日岳へ。(三日目、その1)

2019-07-30 07:50:27 | 登山
夜間はガスに覆われていたが、早朝星が瞬いていた。今日も早起きして、3時半前にキャンプ場を出発し、朝日岳山頂で夜明けを待つ。

段々と東の空が染まってきた。



やがて太陽が雲の中から顔を覗かせる。



昨日に続き今日も朝日に巡り会えた。
今回の山旅はつくづく天気に恵まれて本当に良かった。



南に目を向ければ、背の低い雪倉岳の彼方に白馬岳が見える。


 
少し下った先に雪渓が広がり、朝日でテカっている。



今日歩く方面。大きな風景が眼下に広がっている。



なだらかな稜線を下っていけば、左へは日本海への栂海新道が始まる。



足元には色とりどりの花々が咲く。



まもなく吹上のコルに着く。道は右へと向かう。



朝日岳を振り返る。ズッシリとした大きな山だと感じる。



雪渓の先、湿原の中を下って行く。



あちこちでハクサンコザクラの群落が見える。


振り向けば草原、雪渓、そして朝日岳。
この美しい光景を記憶に留めたい。



コバイケイソウも花盛り。



小さな流れの登山道は、場所により雪解けの泥濘んだ道となる。



そして草原の中に付けられた木道を降りて行く。



朝日の中のスッキリとした風景が清々しい。



やがて草原から樹林の中に突入して行く。




(続く)
















待望の夏、雪倉岳·朝日岳へ。(二日目、その3)

2019-07-29 05:43:34 | 登山
朝日岳山頂方面と水平道分岐に到着。
水平道は残雪があるようだが通行可能なのでこちらへ向かう。



樹林の中を歩いて行く。また太陽が出て来たので、日差しを遮ることが出来て助かる。



左手に雪倉岳が覗く。あんなにも大きかった山が遠く感じられるのは少し寂しい。



雪解けの跡は段々と植物が芽吹き、これから花一面となるのだろう。



再び緑深いトラバース道となる。



暫く行けばまた展望が得られ、飽きさせない。




この辺りはアップダウンなく歩きやすい。


木道の先には今日の宿泊先、朝日小屋のある前朝日が見えて来た。



所々残雪があるが、斜面ではないので歩きやすい。



山襞を越えて行けば、いよいよ小屋の屋根が見えて来た。



このコース最後の水場を越えて行く。
夏の暑い盛りにはここのありがたさを実感することだろう。



水場の下は草原となり、花が咲き誇っている。



小屋へは右から回り込み、遠回りしながら朝日岳からの道と合流する。



小屋へ、緩やかながらも最後の登り。



遂に小屋へ到着。頑張って歩いたせいか、まだ11時前。
やけにヘリコプターが飛んでいると思ったら、物資の運搬の最中だった。



落日前、夕陽が彼方の日本海と黒部川の水面を照らす。





厚い雲に遮られて夕焼けは見られないかと思ったが、一時薄いガスに透けて、赤く滲む様に染まる。




(続く)















待望の夏、雪倉岳·朝日岳へ。(二日目、その2)

2019-07-28 12:00:06 | 登山
上空は薄曇りながら、ここからぐるりと360度見渡せる。
まずは今まで歩いて来た稜線。



白馬岳方面。



剱岳も見える。



ボンヤリながらも見えるのは火打山、焼山そして妙高山だろうか。



さあ、北に向かって出発。



朝日岳方面が見下ろせる。



右手には雪倉池が見える。


この先登山道は稜線から左に折れ、斜面を横切りながら下って行く。



斜面途中からの光景。赤男山が朝日岳の前に鎮座している。



見上げれば稜線は遥か上。もうこんなにも下って来た。



雪倉岳の北面のガレた斜面の下に来る。



降り切ると赤男山の裾を巻く道となる。
樹林の間を抜けて行く。



木々の間から雪倉岳の北面が見える。遠くからはなだらかな山に見えるが、こんな一面もあるなんて驚かされる。



燕岩に到着。今にも崩れて来そうな岩壁に怯む。



緊張感から一転、気持ちが解れる小桜ヶ原。
昔は一面ピンクに染まっていたそう。
その風景が徐々に失われて行くのは残念だが、自然の営みだから仕方ないか。



遅いミズバショウの開花。



笹に囲まれた登山道の彼方に朝日岳が近づいて来た。



目に飛び込むキヌガサソウの群落。これぞ「キヌガサソウのシンフォニー」と感激してしまう。



(続く)














待望の夏、雪倉岳·朝日岳へ。(二日目、その1)

2019-07-27 06:00:22 | 登山
朝4時に出発。天気は晴れ。
雷鳥坂はゆったりとした登りで、ライトが無くても歩いて行ける。
左手に白馬大池が見下ろせる場所まで来た。



上空の雲もほんのりと染まってきた。


船越ノ頭の付近で日の出を迎える。
この場面に出会えて感慨深い。


 
これから向かう尾根が朝日に照らされる。



緩やかにアップダウンを繰り返しながら小ピークを越えて行く。



右手には堂々たる雪倉岳、その向こうには朝日岳が見える。今日一日は遥かなる山旅となりそう。



白馬岳方面。薄っすらとガスを纏っている。



次第に薄雲に覆われ、日が陰ってきた。



三国境へはゆったりとした登り。風が吹き渡るが、寒くも暑くもなく、歩きやすい。



白馬方面との合流点。ここから鉢ヶ岳方面へ下って行く。
なんて大きな風景なんだろうと目を見張る。



鉢ヶ岳の東斜面には斑模様の雪が残っている。チラホラ高山植物が咲いていて気持ちをほぐしてくれる。



いくつか小さな雪面を越えて行く。ツルツルに凍ってはいないが足元に注意が必要。


鉢ヶ岳と雪倉岳の間に出る。こうして見ると雪倉岳が二重山稜になっているのが分かる。



雪倉岳避難小屋付近から見上げる。
ここから急坂。気持ちが引き締まる。



ここまで見たウルップ草はもう花の盛りを終えていたが、これが唯一見頃の株。



あちこちで花の群落が見られる。さすがは花の山。


 
緩やかなガレた斜面となり、山頂はこのトンガリの向こうに待っている。



雪倉岳山頂へ到着。まだ8時前の静かな一時。



(続く)









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