心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

晩夏の蓼科山と双子池へ。(その2)

2024-08-19 20:00:00 | 山日記
早々と山頂を後にし、蓼科山荘方面へ下る。時々雨粒が正面から降ってくる。



樹林帯に入るも急な下りが続く。雨で岩が濡れているので気が抜けない。



蓼科山荘を過ぎると、先ほどの風がウソのように止んでいた。



北八ツらしい苔と針葉樹の森に懐かしさを覚え、ここが自分のホームグランドだと実感する。



崩壊地に出る。目の先は北横岳が見えるはずだが、ガスに包まれている。



涸れた沢から森へと入る。地面の柔らかさが足の裏で感じられる。



苔の森から笹の森へと変わる。随分と下って来たのを感じる。



天祥寺原に到着。振り返れば蓼科山が見えるが、山頂は流れるガスに包まれている。



ここから双子池へ向かう。
この笹の原と針葉樹の草原は北八ツで一番好きな場所。


大河原峠からの道との合流点から先は日陰の笹の森の登りとなる。



左側は苔の原、右手は笹の原という景色。



青空の下、草原と森の混在する気持ちの良い道。



亀甲池に到着。夏の終わりともあって、水位は低く水の匂いが気になり、早々と立ち退く。



薄暗い笹と苔の森の登り。



まるで削ったかのような緑色の四角の巨岩が目を引く。


下った先に見えて来たのが双子池の雌池。



雌池を眺めながら歩いた先には雄池。双子池はいつの時期に訪れても期待を裏切らない。



帰り道、11時過ぎになってようやく蓼科山のガスが取れて全容が見えて来た。



今回は蓼科山山頂からの景色が見られなかったが、青空の下での山歩きが出来た事が収穫だった。
山頂からの景色は空気の澄んだ秋になってから再挑戦したい。

        (2024年8月17日)

(終わり)


晩夏の蓼科山と双子池へ。(その1)

2024-08-18 20:00:00 | 山日記
30年ぐらい前の事、蓼科山に初めて登ったコースは女神茶屋から。
記憶として残っているのは直登でキツかった事ぐらいか。そして山頂から穂高が見えたこと。
朧気な昔の記憶の断片を手繰るように登ってみようと考えた。


登山口からすぐ、大きなダケカンバがお出迎え。



鹿の駆け回るなだらかな笹の原を進む。



薄暗い樹林帯に入るといきなりの急登に驚かされる。



そしてまたなだらかな笹の原。先ほどに戻ったかのよう。



そしてまた登りに差し掛かる。薄暗く苔のむす森は編笠山、西岳の景色を思い出させる。



夏なのに風の音しか聞こえず、言いえない不思議な気持ちになる。


 
ダケカンバの疎林になると少し明るくなり、どこかで感じていた緊張感がほどける。



ガスが薄くなり、朝日がぼんやりと射し込む。今日の天気が気になるも、あまり期待できそうもないか。


巨岩が積み重なる斜面。蓼科山の成り立ちが何となく分かる。



また平坦な登山道に変わる。蓼科山は遠目からは分からないが、登ってみると複層火山だという事が実感できる。


そしてまたも巨岩を縫っての直登となる。



若いダケカンバの林。こちらも先ほど見た光景のようでデジャヴかと思ってしまう。



崩壊地の直登。視界が開けるもガスで霞んでしまい、先が見えない。



ようやく霞んだ先にボンヤリと違う景色が見える。山頂までもう少し。



積み重なったガラガラの岩場が現れる。




ハイマツの先はボンヤリながらも頂上らしき影が見えてきた。


 
ここで初めて高山植物の群落が見られた。とは言っても植生は乏しい。



午前7時の蓼科山山頂。ガスと横殴りの風がお出迎え。30年前はここから穂高が見られたのに、と残念無念。



(続く)





夏真っ盛りの白山へ。(二日目その2)

2024-07-30 20:00:00 | 登山
血ノ池と御前峰。



大汝峰へと向かう。



こちらもガラガラの岩が積み重なった山。



手足を使って登り切ると本峰が見えてくる。



この先はなだらかな岩の道。


こちらから見た、剣ヶ峰、御前峰。この時間はガスが掛からず、青空も覗いていて、まさに夏山らしい光景だった。



室堂に向かう途中からの別山。下からガスが上がりつつある。



室堂から下った先の弥陀ヶ原。


ここから本格的な下りが始まる。



藪が迫る登山道を抜ければ、



圧倒的なお花畑が広がる急斜面となる。



花の密度は然程でもないが、どこまでも広がるこの面積は凄い!の一言。



先が見えない、果てなく長い下り道。



左側の尾根。ガスが掛かっていて分からないが、チブリ尾根がいかに楽だったかを実感する。



かなりの急斜面、岩の登山道を下るので、周りの景色よりも、転ばないようにひたすら足元に注意を払う。



少し勾配が緩やかになった頃、巨岩が現れる。この先登山道は岩の胎内くぐりとなる。



勾配が緩やかになる。足の疲れも溜まってきたので少しホッとする。



この先白山禅定道へ、と思っていたが、刈払いがされてなく危険性も考えて、別当出合へと変更する。
しかし、俗に言う「蹴落としの坂」で一層緊張感が増した。



振り返れば、白山は楽勝と考えていたが、最後に落とし穴が待っていた。
改めて登山は慢心は禁物、そして「初心忘れるべからず」と云う事。30年ぶりの白山、良い勉強になった。

     (2025年7月26、27日)

(終わり)

夏真っ盛りの白山へ。(二日目その1)

2024-07-29 20:00:00 | 登山
二日目は展望歩道へ。アルプス展望台に到着する頃、日の出となる。
あいにく雲に阻まれ、ご来光が見えない。



それでも御嶽山と乗鞍岳がなんとなく見える。



ハイマツの登山道を行けば、御前峰の頭が覗き始める。



ズングリとした御前峰が次第に大きくなってくる。


岐阜県側からの大倉尾根との合流点。三十年振りの景色に、ここを歩いた記憶がくっきりと蘇った。



ここから望む別山。



室堂から御前峰へ向かう。岩畳が整備されていて登山道というより遊歩道のよう。



見上げれば、のしかかってくるような圧倒感。山がデカい、デカすぎる。





御前峰山頂からの景色。
大汝峰と剣ヶ峰。



別山方面。




余りに巨大な光景なので、大汝峰が手に届きそうな錯覚に陥る。



ガレ場を降る。お池巡りと言うより火口に向かう、と言う方が正しい。



紺屋ヶ池。夏なのにまだ雪渓が残っている。



先ほどまでいた御前峰の山頂。
こうして見ると御前峰と言うひとつの山ではなく、剣ヶ峰へと続く火口の「ふち」だったことに気付く。


剣ヶ峰。



上り坂。こちらは御前峰、剣ヶ峰からの火口の「ふち」を乗り越えるといった方が正しいか。



翠ヶ池。巨大火口の中の噴出孔だったと思われる。



巨大な岩に刻まれた幾層もの噴火の記録。白山の壮大な歴史が垣間見れる。



(続く)

夏真っ盛りの白山へ。(初日その2)

2024-07-28 20:00:00 | 登山
別山からの稜線も次第に近づいて来た。



このまま草地の中を歩いて行くのかと思いきや、またも低木林に入る。




段々と稜線がガスで霞んで来た。早く行かなくては、と思うが、中々足が進まない。


登りに差し掛かり、薄暗い樹林を行く。陽射しの織りなす模様が森に広がる。



先ほど通り過ぎたチブリ尾根避難小屋の赤い屋根が点になって見える。



敷き詰められた岩畳の登り道。直登に変わってきた。



木々の背が低くなり、左側から視界が開ける。


 
ハイマツの中の道。右手は既にガスの中。


ようやく、登りに終わりがみえた。



しかしながら、稜線は既にガスの中で眺望が得られない。別山からの御前峰が見たかったが致し方ないか。



南竜ヶ馬場へ向かう。草原のトラバースが延びる。



ニッコウキスゲの群落。ちょうど今が花盛り。



ギザギザのアップダウンが見える。



群落とまではいかないが、所々高山植物の花が目を楽しませてくれる。
 

この先の窪地が天池。高層湿原の景色ではないのが残念。



先ほどまでは稜線左側が崩壊していたが、今度は右側の崩壊が激しい。
 

油坂に差し掛かる。疲れた足にこたえる下りが続く。



流れを渡り、登り返せば南竜湿原。そしてここが今日のゴール。



(続く)