心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

Great long walk 、農鳥岳・大門沢へ。(その2)

2017-10-17 18:00:00 | 登山
西側に廻るように登山道はつけられている。


ここまで来れば西農鳥岳までもう少し。だが風は手を緩めない。



塩見岳がスッキリと見える。
ボチボチお別れ。瞼に焼き付けておこう。



西農鳥岳山頂。北岳、間ノ岳がクッキリと見える。



これから目指す東農鳥岳山頂は近いようで遠い。しかも強風の中。山にもてあそばれている。



行く手を阻む岩峰。登山道は右側を巻く。


登山道は緩やかにアップダウンを繰り返す。だが左側はスパッと切れ落ちている。



東農鳥岳の山頂が遠くに見える。
ここまでなんとか烈風に耐えてきた。



さあ、東農鳥岳まであと少し。
そしてこれが今回最後のピーク。



西農鳥岳を振り返る。ここまでよくぞ頑張ったものだ。



東農鳥岳山頂。標柱が昔のままで懐かしい。



東農鳥岳から見下ろす。南アルプスはなんとまあ山深いのだろう。



この先も白峰南嶺は続く。まだまだ歩いていきたい気はするが、今回はここから大門沢へ。



そして、ここから長く過酷な下りが続いていく。


 
大門沢から奈良田へ、川の流れの様に下って行った。
水の音と共に山旅は終わる。


(終わり)

Great long walk 、農鳥岳・大門沢へ。(その1)

2017-10-16 18:00:00 | 登山
さらさらと流れる水の音から目覚める
山旅三日目。

テントを撤収し、出発しようとすると、農鳥岳の上の雲が赤く焼けている。この兆候は何を意味するのか。



熊の平を出発して30分。農鳥岳へのトラバース道に到着すると、仙丈ヶ岳に朝日が当たる。



ハイマツの海彼方に塩見岳が見える。
昨日の登頂が夢の様。



トラバース道はハイマツとダケカンバの中を進んでいく。段々と周りが明るくなってきた。


行く手は一昨日歩いた稜線の真下を行く。もしもでも、上の稜線を歩いて間ノ岳から農鳥岳へ、なんて考えたくない。



これから目指す農鳥岳がはるかにそびえる。この山を越えていかねばならないんだ、と改めて思う。



トラバース道の中間地点だろうか、水場がある。この源流が大井川となって太平洋へ流れる。なんて壮大なドラマなんだろう。



そんな流れが下る深い谷間も少しずつ明るくなってきた。山また山を縫って、遥かなる流れの旅を想うと気が遠くなる。



そしてトラバース道ももう少しで終わり。農鳥岳までもうちょっと、かと思う。



いやいや、まだそこに農鳥沢が控えている。



しかも約100 mぐらい一気に下る。しかもここにきて、強烈な吹き上げの風。



降り終えたら今度は一気に登らなければならない。



強い風に煽られながら、農鳥岳の基部に着く。さあ、これから登りが始まる。



耐風姿勢を取りながら登るが、油断をすると身体を持っていかれそうになる。



上空は青空が広がっているのが救い。
ただ強い西風で身体半分が寒い。



農鳥岳の北壁。雪崩で削られたかの滑らかさ。絶壁の怖さすら忘れる光景。



(続く)

Great long walk 、塩見岳へ。(その2)

2017-10-15 18:00:00 | 登山

北荒川岳は塩見岳側の崩落が激しいが、反対側はおだやかな斜面。



ここは隔絶された奥深い山の中とは思えないのどかさ。間ノ岳、農鳥岳に雪が積もった頃にまた訪れてみたくなるような場所。



ダケカンバがあまりにも絵画的。
この光景をしっかり記憶に焼き付けよう。



塩見岳へは崖の縁に沿って登る道がついている。何だかゾワゾワする。



登山道はザレた急坂。しかも右側は崩落著しい崖。ゾワゾワどころかゾッとする。



脇目も振らず滑り落ちに注意を払い、なんとか途中まできた。振り返ればこんな登り。本当によく頑張ったもんだ。



北俣岳への分岐に到着。ここまで来れば緊張が一気に解れ、どっと疲れが出る。


ここから見える塩見岳。
こちら側からは岩場の登りがないみたいだから楽勝かな。


登り、とはいえ、これくらいなら容易いもの。



もう山頂へは手が届きそうな距離。


(東峰から)西峰を見る。今日は360 度の光景。


(西峰から)東峰を見る。今日も青空の下での山頂。



荒川東岳方面。改めて山また山の奥深さが南アルプスなんだ、と感じられる。



今日来た道を見下ろす。これからの長い道程にため息が出る。



蝙蝠岳。多分一生のうちに行くことのない山。



北荒川岳から見た塩見岳。太陽が上から射し込むといっそう迫力が増す。



(次の日に続く) 

Great long walk 、塩見岳へ。(その1)

2017-10-14 18:00:00 | 登山
熊の平のテントサイトではさらさらと流れる水の音が心地よい眠りを誘った。

山旅二日目。今日はいよいよ塩見岳へ向かう。このコースは初めてなので、緊張と期待が交差する。

夜明けとともに出発。ハイマツの丘を抜けると辺りが明るく、振り返れば間ノ岳に朝日が当たる。



前方にはこれから越えていく数々のピーク、そしてその先に塩見岳が見える。



灌木帯の先に安倍荒倉山山頂の看板がある。次に来ることはないだろうから、寄ってみる。



山頂からは西側中央アルプスのみが見える。



初めてなのにどこかで歩いたことのある懐かしい森の道。



森を抜け、次のハイマツのピークを登っていく。



この辺りが竜尾見晴だろうか、塩見岳がよく見える。



振り返ると間ノ岳方面農鳥岳がよく見える。こんなにも離れているのに山容がデカイ。



塩見岳に辿り着くには幾つ越えなくてはならないのだろう。



新蛇抜山山頂。この山の名前の由来が気になる。どういう意味があるのかな。


振り返ればここまでかなり歩いて来たのが分かる。中間地点ぐらいだろうか。



登山道から逸れれば秋の日溜まり。休んでいけば、との囁きが聞こえる。



随分塩見岳が近づいてきた。この丸い山は北荒川岳だろう。



ダケカンバの林を過ぎればハイマツの中を抜ける登山道が待っている。



(続く)

Great long walk 、北岳から熊の平へ。(その3)

2017-10-13 20:00:00 | 登山
これから向かう三峰岳方面。
もう登りはなく、ゆっくりとした下りになると、思っていた。



これから歩く山域を眺める。
この時は緩やかな稜線が続くとしか考えず、緊張感が緩んだ状態だった。



だが、足元は大井川源流域まではるかに見える。滑れば誰にも気付かれないまま奈落の底にまで墜ちていく。



この先が今日一番のハイライト。
狭い尾根にトラバースするように付けられた岩場の登山道。しかも下り。
緊張感はマックスになったまま。



ようやく三峰岳山頂が見えてきた。
まるで砦の様。



三峰岳山頂から農鳥岳方面を見る。
見えないが、間には深い大井川源流域が存在する。



北岳方面。間には遮る尾根すらない。



歩いてきた間ノ岳方面。これだけの下りを歩き通したんだ、と感慨にふける。



この先は台地じゃなかったっけ、とガッカリする。まだまだ急で足場の悪い登山道は続いていく。


ようやく台地らしい登山道となり、ひと安心。ハイマツの海の先には遮るものなく、塩見岳が見える。



今日はこの先熊の平小屋のテントサイトにて宿泊。
自分独りと思いきや、広河原から歩き通した強者がもう一人いた。
こういう山好きがいると嬉しくなる。


(次の日に続く)