三斗小屋温泉に宿泊するにあたり、何処を歩こうかと考えていると、三本槍岳から北に伸びる登山道が目に入った。2つの池も途中にあり、何だか面白そうな予感。
甲子温泉からいよいよ山に入る。緩やかながら、ジグザグに山肌を登って行く。
下を走る289号線からのクルマの喧騒が聞こえなくなる頃、猿ヶ鼻に着く。ここからはほぼ平坦な道になる。
甲子峠分岐からそのまま甲子山へ登って行くと岩肌の登山道となる。登りでは大丈夫だが、降りだと濡れていれば滑りそう。
細くなっていく稜線のトンネルの道を抜ける。
甲子山山頂。やはり予想通りのガスの中。威圧感のある旭岳が見たかったが、姿を見せてはくれなかった。
旭岳の足元の密な森。これから足を踏み入れるのを躊躇してしまう。
森の中は予想に反し、疎林と笹の美しき景色。
そしてその先はブナの純林。秋紅葉の頃に訪れたら一層美しい景色だろうが、熊との遭遇が恐い。
枯れた沢を一直線に登る。しっとりとした、美しい森もここまで。
所々切れ間はあるものの、低木の茂みをかき分けて進む。
分岐から坊主沼へ向かうと、静寂の森の中に水辺が現れる。
深翠の湖面と木々の淡き緑の対比。秋、紅葉を映す水面、きっと想像以上の美しさだろう。
滑りやすい笹の斜面につけられた、道らしかぬ道。こういう場所の刈り込み作業をされている方々に感謝。
また藪をかき分ける道。周りの山々がガスで見えないのでどの辺なのか分からず、野への放たれ感を強く感じてしまう。
この先に見える山はどの山なのだろうか。(結果的に笠が松だった)
また、密度の濃い灌木を潜り抜ける。
目の前が開けるが、ガスは相変わらずかかったまま。笠ヶ松まで来たようだ。
ガスの流れの間から姿を現したのは須立山。端正な三角の姿を眺めながらしばし休憩。
(続く)