去年から、いやずっと前から歩きたいコースがある。それは北アルプスの雲ノ平を囲む山並みをぐるりと巡る山旅。
本来なら去年のこの時期に行きたかったが、飛越新道の入口に至る林道が通行止めだったために諦めた。
今年は林道が開通したので、実現に至った。
初めて、ここから黒部五郎岳へ登ったのが、あの御岳噴火の前日だから、6年も前の事。そして次の年の夏にも登ったので、黒部五郎岳への山旅をはっきりと覚えている。
朝6時前、明らんできたのを待って登り始める。いきなりの急坂。
チラホラと紅葉が始まっている。
緩く坂を下ると、遠くの山並みが見える。薬師岳方面だろう。
急登が終わり、なだらかな道となる。刈払いがされていて歩きやすい。
薄曇りの空から朝日が射し込む。
自分自身も気持ちが高まっていく。
立山杉だろうか。あちこち風倒木が目立つ中、無事でいてくれた事が嬉しい。
少しずつ登りらしくなってきた。
このあたりで草原が見えると、飛越新道も終わりに差し掛かる。
この木をくぐると、神岡新道と合流する。神岡新道方面は通行止めとなっていた。
泥濘んだ道の両側は紅葉の赤が冴える。
平坦な道の周りはいろいろな植物がお出迎えしてくれているみたいで、賑やかに感じる。
木々を抜けると、草原が開ける。秋の色、黄色に染まっている。
また、森に入る。色とりどりの紅葉が目を引く。
疎らな針葉樹の森。光と風が通り抜け、気持ちの良い森歩きとなる。
再び草原へ出る。上空は段々と青空が広がる。
右手には笠ヶ岳が見える。ここのところ笠ヶ岳へ行っていないので恋しく感じる。
またも森歩きとなる。足元は泥濘んでいて滑りやすい。雪国の森なんだと感じる。
次の草原に出る。今は草紅葉だが、夏の花のある頃が思い出される。
また森に入る。次第に高くなる太陽が眩しくなってきた。
次の草原に出る。今は草紅葉だが、夏の花のある頃が思い出される。
また森に入る。次第に高くなる太陽が眩しくなってきた。
(続く)