心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

夏真っ盛りの白山へ。(初日その1)

2024-07-27 20:00:00 | 登山
加賀白山。
三十年振りの山。朧気ながらも断片的な思い出があり、その思い出をたどりながらもう一度訪れたいと考えていた山。
当時は岐阜県側、大倉尾根からだったが、今回は石川県側、チブリ尾根から挑む。

夏シーズンということもあり混み合う、市ノ瀬から別当出合に向かうバスを横目に、チブリ尾根への登山道に入る。


薄暗い森は鳥、蝉の声が無く、ザックに付けた鈴の音、川の流れの音しか聞かれず、となんとも寂しく感じる。



なだらかながらも少しずつ標高が上がると植生が変わってきた。



欅の大木がぬっと現れる。



薄暗い登山道に微かな朝陽が射し込む。


こことこの先にもう一箇所水の補給できる。夏山で水の心配が無いのはありがたい。



山毛欅の木がチラホラ出て来た。
自分が住んでいるエリアでは山毛欅の木に馴染みが無い分、山毛欅の木に惹かれる。


目に染みる程の柔らかな緑色のドーム。これも森歩きの楽しみのひとつ。



木々の葉の隙間が出て来た。そろそろ稜線歩きとなるのだろうか。


 
左手に開けた眺望は観光新道の稜線と白山釈迦岳だろうか。


木々が藪に変わってきた。なだらかながらも標高を稼いでいるのを実感する。


 
まだ朝の時間なので、上空は澄み切った青空が見える。



前方に白山御前峰、その左に大汝峰が顔を覗かせる。



再び藪の中の登山道。雪国の山なのに、地面が泥濘んでいないのがありがたい。


前方が見えるようになる。別山から御前峰への稜線はまだ隠れている。



雪の重みで撓ったダケカンバ。雪国の山なのに撓る木が少ないのが不思議。


振り返れば彼方の山々はガスが上がってきている。随分高い所まで来た、と感じる。



低木林から草地へと変わる。所々高山植物の花々が咲いていて、これも夏山らしい光景。



(続く)



新緑の男山へ。

2023-05-02 20:00:00 | 山日記
野辺山をはさんで八ヶ岳と対峙する男山。標高は1,851mながら、凛々しい三角錐の山容は目を引く。
五月に入り、足慣らしにどんな山なのか登ってみた。


登山口は集合住宅のすぐ側なのに驚く。とはいえ、一昔前は生活の山、里山だったのだろう。



獣用のフェンスから林道を登っていく。芽吹きの森には鳥たちの囀りが響き、五月の山の雰囲気に浸る。



勾配がキツくなり、稜線を越えるとこちらは明るくなだらかな下りの道になる。


新緑をすり抜ける光が眩しい。この時季ならではの淡い緑が印象的。


木々の向こうには男山の山容が見える。まだ先は長いのだろうか。



林道の脇は芝生のよう。笹が見られないのは何故だろう。



枯れ草の見られない林床。最盛期の夏の頃は草生い茂る景色と変わるのだろうか。


芽吹いた落葉松林の向こうに男山の頭が覗く。遠くから望む山容とはまた印象が変わる。


 
なだらかな林道ももうじき終わり。


ここから踏み跡の様な登山道となる。地図では手挽き坂となっているが、傾斜はまだ緩い。


少しずつ傾斜が増し、標高が上がってきたのか、落葉松の新緑が薄くなってきた。


登山道は楢の落ち葉が敷き詰めてある。季節の巻き戻しを感じさせる。


ガレた岩を登る。ロープが用意してあるが、それ程大変でもなかった。



天狗山へ延びる稜線に出る。山頂まで50m。



ここから岩の登り。とはいえ、手を使って登るレベルでもない。



あっという間に山頂に出る。来た道を振り返れば天狗山の頭が飛び出ている。
 

金峰山、瑞牆山方面。スッキリと澄み渡れば山容がわかるのに。



野辺山の先に八ヶ岳が見えるハズ。あいにく雲が取れなかったのが残念。



約一時間半の登りでこれだけ楽しめた良い足慣らしだった。
今の時季も良いが、落葉松の黄葉の時季、黄色一色の山も良いかも、と思わせる景色。低山ならではのお手軽さの山歩きだった。

         (2023年5月1日)

(終わり)


秋の雨飾山へ。

2022-10-13 19:00:00 | 山日記
幾度か訪れたことのある雨飾山。どの時季に訪れても良い山だが、やはり秋の紅葉の頃は外せない。


大海川沿いは少しずつ秋の雰囲気が漂う。ここだけの散策でも随分と遠くの場所に来たのを実感する。



登り始めは急坂が続く。やがてブナの森となる。葉の色付きが少しずつ始まってきたようだ。



急坂が終わると、森の茂みの道に。
少し開けたブナ平に着く。



多少の登りはあるものの、なだらかで泥濘みの道を行く。



荒菅沢への下り道に差し掛かると、視界が開け、雨飾山山頂が覗く。
紅葉のパッチワークが見頃。



下り切ると、荒菅沢を渡る。
布団菱の彼方に雨飾山の鋭い山容が見える。



ここから木々のトンネルを抜ける急登となる。



木々が切れ、この先の尾根が見える。まずはあのコブを越えて行く。



左手には頂上からの尾根が見える。
なかなかガスが切れない様子。



そして、荒菅沢を見下ろす。彼方には妙高山が見える。



視界に入ってきたのは、ジャングルジムのような岩場。まだここを越えなくてはならない。


笹平に着くと山頂が望める。
笹の原は露に濡れ、登山道は泥濘みで靴とズボンはグッショリとなった。



布団菱を見下ろす。高度感と広がりのあるこの絶景は見逃せない。



山頂へ取っ掛かる。ゴツゴツの岩が剥き出しの登り。



山頂から笹の原を見下ろす。何となく色付きが見られる。



駒ケ岳、鬼ヶ面山、鉾岳。
今も記憶に残るワイルドでハードな山々。



焼山と金山。いつか茂倉尾根を伝って訪れる事はあるのか。



今年の紅葉は雨の影響か、今ひとつだった。それでも訪れて良かった。
小粒ながらピリリとした良き山。
次はいつになるか分からないがきっとまた来たくなることだろう。

       (2022年10月13日)

(終わり)




夏の雲ノ平。黒部五郎岳から北ノ俣岳へ。(その2)

2022-08-03 21:00:00 | 登山
青空へ向かって一直線の登り。



こちらを越えると、山というより丘のようなずんぐりとした山が視界に入ってきた。次こそが北ノ俣岳の山頂らしい。



山頂へ続く岩の転がる道。傾斜はほとんど感じず、足取りも軽い。



北ノ俣岳から見た、黒部五郎岳。そんなに歩いた感はないが、ここからは遥か彼方に思える。



雲ノ平とその彼方の山々。この風景ともこれでお別れ。しっかりと瞼に焼き付けておこう。



ここから北ノ俣岳西斜面を下る。段々と雲が湧き前方を覆い始める。



ハイマツ帯に入る。登りの時の大変さが嘘のように快調に降りていく。



深い溝に付けられた登山道となる。



ガキの田の池塘が見える。


そして木道。この辺りは問題ないが、この先の崩れかかった木道は歩きづらいし、足を取られそうで注意したい。


木々の先に寺地山が見える。その前にまだ下りきり、折り返しの登りがある。


笹の原から森の中へ。足元が笹で濡れてくるのでスパッツは必需品。



そして森の中は泥濘みの道。ある意味、泥濘みは地雷のよう。注意をしていてもズボッとハマッてしまう。


左手の視界が開く。スッキリとした天気なら、笠ヶ岳、御嶽山、乗鞍岳が見えるが今日のところはどうだろうか。



寺地山の山頂までもう少し。



この先は下りのみ。森を抜ければ、何か所の草原を抜けていく。



行きよりも帰りの方が泥濘みが酷く、もうすでに靴は水分を吸い込んでズッシリと重い。



神岡新道分岐から飛越新道へ。標高が下がってきたせいか、木々が太くなってきたようだ。



このダケカンバが見えれば登山口はもうじき。森の中風もなく、標高が下がり更に暑くなり、体力を絞りきった下山だった。



2年前の、水晶岳の山頂から雲ノ平を見下ろした時、次は雲ノ平から水晶岳を見上げたい、その思いがこうして叶えられた。決してアプローチの良い山域ではないからこそ、より一層感慨深い。
おいそれと訪れることはないが、次に訪れる日まで今回の山旅の思い出を大切にしまっておこう、と思う。

      (2022年7月28~30日)

(終わり)

夏の雲ノ平。黒部五郎岳から北ノ俣岳へ。(その1)

2022-08-03 19:00:00 | 登山
今日も登山日和。明るくなるのを待って出発。黒部五郎岳のカールに向かっていくと、山頂付近に日が当たって来た。


木々の中を歩けば、ほんのりと花と木の甘さの混じった爽やかな香りが流れてくる。



いよいよカールらしい岩の屹立する荘厳な風景が見られる。



朝日せいでシルエットになってしまったが、カールのシンボル、雷岩が見える。



黒部五郎岳は遠くから見る、たおやかな山容も良いが、カールから見上げる、岩の要塞のような厳しさもまた魅力。



肩に向かって登っていくとコバイケイソウの大群落が広がる。



岩の重なる登り道。少しずつ高度を上げ、稜線までもう一息。



肩からカールを見下ろす。
椀状の谷間そして彼方に連なる山々の右側には槍ヶ岳、穂高が見える。



肩から見た山頂は、手の届きそうなくらい近くに見える。



山頂から見た薬師岳。


北ノ俣岳まで連なる稜線、そして山々。



緩やかな尾根道ながら一直線に下って行く。ハイマツエリアに入る頃、黒部五郎岳を振り返る。



輝く笹の原の先には雲ノ平、更にその先には水晶岳を中央にズラリと山々が連なる。



岩の間にはチングルマが一面に咲いている。



そして振り返れば、黒部五郎岳が一層遠く見える。


目指す北ノ俣岳は連なる山々の一番右にある。ここから穏やかながら、登り返して行く。


振り返り見下ろすと、登山道からは外れるが、池塘群が見える。



視線を上にやれば、黒部五郎岳。もうここまで遠くなったのか、と感じる。



(続く)