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古川道郎・川俣町長が除染についての公開質問状に回答

2012年03月01日 | Weblog
古川道郎・川俣町長が除染についての公開質問状に回答

市民団体・市民が求め創るマニフェストの会(さいたま市)が2月13日付で福島県知事及び福島県内の市町村長に送付した「除染についての公開質問状」に対し、2月22日付で古川道郎・福島県伊達郡川俣町長から回答が送付された。他の首長が回答しない中で唯一回答を送付した古川町長に謝意を表したい。

マニフェストの会は市民の立場から市民の意見を政権公約にまとめ、その実現を働きかける市民団体である。林田力も世話人の一人で、東急不動産だまし売り裁判を踏まえて「売買契約後に判明した欠陥は契約白紙化に」をマニフェストに追加した。福島第一原発事故後は原子力発電の全廃を求めて、積極的に提言している。

公開質問状は「除染を行う前に県民の健康を守るため、移住(主に県外でその費用は除染対策費用等で賄う)を先に行うべき」との立場から作成された。それは、除染についての有識者の見解を学ぶ中で、いくつかの懸念を認識したためである。とりわけ大人よりも体内被曝を受けやすい子どもたちが成長期に被る著しい被害を避けるためには、なによりも遠隔地に避難することが現実的な有効策と考えるからである。

その上で以下の2点の質問を行った。

第一に「除染を行って排除され排出される放射性物質の収集とその保管は、具体的にどのようになされるのでしょうか」である。

第二に「除染は移染・拡散とも言われており、除染の効果は余り期待できない、と言われています。除染によって健康を守る、と言われていますが、それはどのような方法によって検証・実証されるのでしょうか」である。

第一の質問に対し、古川町長は「除染後の放射性物質の収集については、環境省が発行している『除染関係ガイドライン』および福島県が発行している『除染業務に係る技術指針』に基づき収集します。また、その保管については、前述の『除染関係ガイドライン』に従い川俣町の地勢・地形に適した仮置き場を設置します。」と回答した。

第二の質問に対しては以下のように回答した。

「『除染によって健康を守る。』と言うことについては、川俣町の除染を実施することにより『川俣町の町民が、放射性物質から受ける健康被害の危険性を低減させる。』と言うことと同意義と捉えています。

本来ならば、東京電力福島第一原子力発電所から放出された『そこにないことが当たり前』の放射性物質による健康被害に対して、今すぐ直ちに検証・実証することはできません。

しかし、放射性物質を『そこにないことを当たり前』にする努力、除染をすることによって、『川俣町の町民が、健康被害を受ける危険性を排除していく。』ことが重要なことであり、責務と考えています。」

繰り返しになるが、回答を寄せた古川町長の率直さを高く評価する。その率直さは回答内容にも現れている。そこには複数の選択肢の中から考え抜いた最善の解決策としてよりも、目の前で燃えている火に水をかけるような、その場の対応として除染に取り組む姿勢が現れている。

除染によって生じた放射性廃棄物は「川俣町の地勢・地形に適した仮置き場を設置」すると回答するが、恒久的な保管場所についての言及はない。原子力発電は放射性廃棄物の処理方法がないために「トイレのないマンション」と批判されるが、除染もまた膨大な放射性廃棄物の処理方法がなければ「トイレのないマンション」を繰り返すことになる。

また、公開質問状の「除染によって健康を守る」に対して、回答では「川俣町の除染を実施することにより『川俣町の町民が、放射性物質から受ける健康被害の危険性を低減させる。』」と同義語とする。ここに除染幻想の欺瞞を明らかにする回答の正直さがある。

健康を守ることと健康被害の危険性を低減させることは同義ではない。放射性物質の被曝は微量でも危険である(林田力「福島第一原発事故の被曝と医療被曝の比較はナンセンス」PJニュース2011年3月22日)。

危険性を低減させることは文字通り低減させるだけであって、健康を守ることにはならない。健康被害の危険性の低減とは逆に言えば少数の健康被害を容認することである。住民の健康を守ることとは遠く離れた考え方である。これが除染の本質である。


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