違うことこそ素晴らしい be different what great

一人一人の違いを認め合い豊かな社会を創ろう。
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人権は全ての人々に認められる。

2007年12月03日 | Weblog
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-8074-0707-1.html
訳者・・はアムネスティの会員である。
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前書きなど

訳者あとがき

 本書は、Princess Masako Prisoner of the Chrysanthemum Throne——The tragic true story of Japan's Crown Princess のオーストラリア版第二版をもとに、著者からの最新訂正を反映して全訳したものである。お手持ちの英語版との相違はすべて著者による訂正であることをお断りしておく。わざわざこんなことを書くのは、本書に興味を持って英語版を購入した人が多いという話を聞いたからだ。著者は事実と推測と意見を書いている。噂は噂として記述している。混同せずに読み取っていただければ幸いである。
 なお、本書に出てくる金額は、一豪ドル八十円で豪ドル換算された記述を、翻訳の際にさらに同じレートで日本円に換算しているので、最初の金額とはズレが生じている可能性がある。
 著者のベン・ヒルズはオーストラリアのジャーナリストである。日本駐在の経験と綿密な取材を基にこの本を書いた。あくまでも外部の目から見た記述なので、事実の解釈という点で必ずしも同意できない部分もある。読む人によってさまざまな受け取り方ができる本だと思う。キャリヤと結婚を前にした女性のジレンマに注目する人もいるだろうし、つらい不妊治療に共感を持って読む人もいるだろう。皇太子夫妻のロマンスに涙を流す人もいるかもしれない。
 わたしはこの本を「ある人権侵害の記録」として読んだ。人権を侵害されているのは雅子妃ひとりではなく、天皇をはじめとする皇室の人々であり、侵害しているのはわたしたち「日本国民」だ。だいたい、いわゆる「公務」なるものがこんなに忙しいものだということに驚いた。天皇には年に千回も約束があるのだそうだ。しかも、天皇家の土地というものはない。使用権があるだけで、皇居もいわゆる御用邸といわれる場所も、すべて国家の財産なのだという。日々の暮らしに追われ、皇室のことなど縁のないものとして取り立てて考えてみることもない普通の日本人にとっては、初めて知ることだったのである。
 まず、皇室の人の権利を考えてみよう。職業選択の自由がない。両性の合意に基づく婚姻の自由がない(決めるのはほかの人だ)。移動の自由がない(好きなところにいったりできない)。意見表明の自由がない。選挙権がない。あるのは生存権くらいのものである。人権が否定された状態の人はほかにもいると言うかも知れない。それくらいの忙しさは会社のトップなら普通のことだと言う人もいるだろう。でも、そうした人たちの存在が憲法に規定されているわけではない。この存在は、国民に基本的な権利を保障している憲法に規定されているのだ。それを決めたのは「国民の総意」なのだそうだから(わたしは訊かれた覚えがないけど)、人権侵害しているのはわたしたち国民すべてということになる。というわけで、わたしは翻訳しながら罪悪感に駆られたのだった。
 最初に申し上げたとおり、この本はさまざまな読み方ができる。ただ、こんな風に感じた人もいるということを心に留めていただければ幸いである。
藤田真利子

著者プロフィール
ベン・ヒルズ(ベン ヒルズ)
一九四二年英国ヨークシャー生まれ。
オーストラリアの著名で経験豊かな調査報道記者で、『フェアファックス』紙の通信員として三十年以上にわたって五十ヵ国以上から、戦争、選挙、スキャンダル、著名人、社会問題などを報道してきた(benhills.com 参照)。一九七〇年代はロンドンを拠点に主にアフリカと中東を取材し、八〇年代は香港、九〇年代は東京に拠点を移し、皇太子夫妻ご成婚を最初にオーストラリアに報じた。オーストラリアで最も権威のあるジャーナリズム賞であるウォークリー賞を受賞し、年間最優秀記者賞であるグラハム・パーキン賞の優秀賞を受けた。著書が二冊あり、『ブルー・マーダー』はアスベスト災害について、『日本—記事の裏側』は日本で取材した三年間について書いている。妻の金森マユ(写真家)とシドニーで暮らしている。


藤田 真利子(フジタ マリコ)
一九五一年福島生まれ。
訳書に、キャサリン・ブラックリッジ『ヴァギナ女性器の文化史』(河出書房新社)、アンナ・アルテール他『体位の文化史』、マルク・ボナール他『ペニスの文化史』(以上、作品社)、ノーム・チョムスキー他『グローバリズムは世界を破壊する』(明石書店)など多数。
アムネスティ・インターナショナル会員。


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