ご訪問いただき、御礼申し上げます。
今回の投稿では、先回の第Ⅲ章2ページ分(架構例1の平面図・同基礎伏図)の差し替えが出てしまいました。
印刷していただいた方は、お手数をおかけし大変恐縮ですが、差し替えをお願いいたします。
架構例1と2はそれぞれ、作成・使用した年度が異なります。 (そのため、図面の向きが異なってしまい、恐縮です。)
今回架構例1の基礎伏図の差し替えをお願いすることになったのは、土台伏の再検討と基礎立上り部分の追加等からです。
約15年前作成の架構例の作図担当は投稿者でした。
当初作成の土台伏図は、4m材の使用で、「一端:隅 小根ほぞ差し割り楔締め~2間(3.636m)~もう一端:土台の継手 腰掛け鎌継ぎ4寸」を取っていました。57頁をご覧いただくと分るように、(柱仕上がり3寸8分:115㎜とした場合)柱の根ほぞのほぞ穴と鎌継ぎの先端の間隔を4寸程度(12㎝)と考えると木材の必要長さは4mを越えます。
実際の現場では、そのように加工されている例があります(通常その箇所は1、2か所のため、材端のきれいな木材を選び、根ほぞと継手の間を幾分縮める)。
ただ、テキストの架構例としては適切だろうかと考えてしまいました。「設計屋さんは、材木が全長使えると思ってるんだから」といった現場の声も聞こえてくるような気もします。
架構例1の土台伏図で、4m材の使用は、「一端は腰掛け蟻掛け~2間~もう一端4寸又は5寸腰掛け鎌継ぎ」までとして、土台伏の割り付けを変え、伴って基礎伏図も変更いたしました。
当時の架構例1の作図は、思った以上に詰めが甘く、柱位置(開口部)が、架構例のための間取りになっているところがあり、部分的に柱位置の変更をしました。そのため、柱の記入漏れが出てしまい、平面図のページの差し替えもお願いすることになりました。併せて、同ページの単価の部分は削除し、「参考 礎石立て例・布基礎天端に通気口を設ける例」を掲載いたします。
掲載の入れ替え、「戻り」は極力出したくないと思って作業をしていますが、故人の作業全体をまだ掴めていないようです。
作業に手間取っているのは、さらにPC内での図面修正作業の不慣れと、画質の強さを出すための操作に時間がかかっているからでもありますが(それでも縮小画像はかなり弱くなります)、各章内の不足・ミスをできるだけ減らすためにはある程度の時間が必要だと感じています。
「第Ⅳ章 土台の継ぎ手・・・・」(PDF55頁)の「上木、下木について」文化財建造物伝統技法集成より は、元テキストにはありませんが、掲載をさせてもらいました。
元テキストの図版の確認のためそれぞれの出典を開くと、ところどころに付箋が貼ってあり、その1項目になります。
「上木、下木について」は、木材を加工し組んで建物をつくる原理に触れることのできる一文ではないかと思え、故人と共に敬意を表し、掲載させていただきます。
投稿者自身の乏しい経験から、「分からない・分かっていない」ということは、「何が分からないことなのかが、分からない」ことだと、常々思ってきました。今もまだ分からないことだらけです。
初心に戻り、何を、どのように伝えると、分かりやすいのか、分かってもらえるのかを、試行錯誤しているブログだと思って頂けるとうれしいです。
次回第Ⅴ章2階床組は、一番作業量の多い章になります。今回以上に時間がかかると思います。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
編集者・投稿者 下山悦子 2020.10.21