真珠

深海の真珠は輝かず。

中国の反日運動

2005年08月13日 | 時事評論

 

ここ二三日、中国のあちこちで、反日運動が広がっている。商店や百貨店のみならず、領事館や大使館でも、民衆の、多くは若者であるが、投石などがあった。


テレビでの報道を見る限り、中国の治安当局は、これらの暴徒を積極的に取り締まっているようには見えなかった。

最近の日本の教科書検定問題や国連の常任理事国承認をめぐる問題が、中国国民の反日感情をいっそうに刺激することになったようである。


成熟した民主主義国家では、こうした抗議行動が暴徒化することがほとんどないことを考えれば、あらためて中国の民主化の問題と、その全体主義的体制の現実とを再認識させてくれる。


いずれにせよ、中国の国家体制のあり方は、日本の政治体制にも直接間接に影響を及ぼすものである。つまり、日本が完全な独立国家になるためには、中国がその政治体制を変革することなくしてはありえないということである。


日本が完全に独立するためにも、中国は早く民主化を達成する必要がある。日本が完全な独立国家になり、その国内から植民地的な文化を払拭して行くためには、まず、日本の国内に外国軍が、現在においてはアメリカ軍であるが、駐留している限り不可能である。


実際の問題として、現在の段階では、日米安保条約を解消することは非現実的であり、実行することは出来ない。それは、隣国に中国や北朝鮮といった体制を異にする軍事的国家が存在するからである。その現実は現実として、一方で、現在の日本は真の独立国家ではないのだと言うことを常にしっかりと自覚しておく必要がある。自国の軍隊だけで自らの国家を防衛できないような国家が、真の独立国家と呼べないのは当然である。


しかし、10年後か20年後になるかそれは現実の問題としてわからないとしても、しかし、将来の課題として、在日アメリカ軍の撤退の問題を片時も忘れてはならないことは言うまでもない。この問題は、単に国防の問題にとどまらず、文化の問題、倫理の問題でもあるからである。今日の日本社会の腐敗と堕落は、自国の国防を他国に依存して、それを恥とも思わないような国民の倫理的意識に由来しているからである。だから、実際の問題として、わが国には独立国家としての文化も成立せず、植民地文化がはびこり、また自国の植民地文化の傾向に気づきもせず、まして恥とも思わない国民の腐敗と堕落の根源となっているのである。


そして、在日アメリカ軍が日本から撤退する条件は、中国の完全な民主化以外にありえない。だから、中国が現在の擬似社会主義体制から、民主的国家に転換することなくして、在日アメリカ軍の撤退は非現実的であり、不可能である。


日本が民主主義国家として真の独立を果たすためには、中国本土の民主化の達成が不可欠である。あらゆる機会を利用して、中国の民主的改革が達成されるように、働きかけなければならない。中国の反日的運動を、その真の動機において、つまり、天安門広場で挫折した民主化への欲求の、中国人自身の民主的な体制変革へと運動を転化させる必要がある。


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