飛び込み営業の日々

2007-06-26 00:06:01 | アパート建築営業マン
 
来る日も来る日も、飛び込み営業の日々が続いた。

行く先々で、「またか。お宅の会社は、今日2人目だよ。昨日は3人来た」というようなことを言われる。それだけなら、まだいい。「ウチの前には広い空き地があるせいか、お宅の社員の人が引っ切り無しに押し寄せる。この土地はウチのものじゃないと、そのたびに説明しなきゃいけない。いったい、何度同じことを言えば良いのか・・・・」という人が多い。

この会社のシステムにほとほと感心するのは、そういうときだ。いかに図太い飛び込み営業マンといえども、しょせんはタダの人間。断られ続ければ、イヤになって自然と足が遠のいていく。だから、何も知らない別の人が行くのだ。一人の人間がシツコクするのは限界があるのだが、大勢の人間が入れ替わり立ち替わりシツコクするのだから、果てしなく続けられるのである(笑)。実際、果てがない。

都内とは思えないほど、畑や雑木林が続く田園地帯だ。畑の中で農作業している、帽子をかぶった初老の男性に声をかけた。野外で作業中の人に、声をかけやすいのは言うまでもない。玄関でインターホンを「ピンポーン」と押して、玄関先まで呼び出すのとはえらい違いだ。このため、野外で作業している人を探して、見つかるまで外を歩き回る営業マンも多い。

男性は言う。「ここは生産緑地(この指定を受けると農地の固定資産税が極端に安くなるのだが、その代わり、他の用途に転用できない)の指定を受けているので、固定資産税はタダみたいなものだ」。どうやら、他に土地はないようだ。この瞬間、アパート建築営業マンにとっては、見込み客でなくなる。しかし、「俺は数年前に親父が亡くなるまでは、日野のトラック工場で働いてたものさ」と言う。日野のトラック工場!!そりゃまた、きついところに行ったものだ。かつてのバイト仲間がここで数年間を過ごしたというので、噂を聞いていた。ついつい自動車工場の話で盛り上がり、長時間をココで潰してしまった。