ママチャリでカメラ散歩

レンズ越しに見える花や小さな生きものの世界に魅せられ暇さえあればカメラ散歩三昧。
(まだ写真は初心者ですが)

 オレンジと太陽

2012-11-20 | 映画
  

久しぶりに見応えのある映画を観ました。「オレンジと太陽」 2010年 イギリスの映画
監督 ジム・ローチ(ケン・ローチの子供で初監督作品だそうです)
主演 エミリーワトソン

この映画はなんの予備知識もなくいきなり観ました。はじまる前はイタリアかスペイン等の明るく解放的なものかなと想像してたけど全く違ってました。

原作は「からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち 」 マーガレット ハンフリーズ(著)



内容紹介
英国ノッティンガムでソーシャルネットワーカーとして働くマーガレットが次々と訴えられたことは、「私」を探すことであった。幼い頃、家族が死亡したと言われて施設に預けられた記憶を持つ人、大きな船にのって子どもばかりのところにいたという幼い頃の記憶を持つ人など、様々な不思議な幼少期の物語を語られたマーガレット。その一つひとつの話を丁寧に聞くうちに頭の中で構築されたストーリーは、「想像もできないほど多くの子どもたちが、大きな船に乗せられてオーストラリアに送られていた」というもの。
にわかにはそのストーリーが信じられなかったマーガレットではあるが、地道な調査を始めるうちに行き着いた結論は、1970年代まで英国では、施設に預けられた子どもたちを福祉の名のもとにオーストラリアに移民として送って過酷な労働を強い、またそこでは無残な虐待が行われていたという事実であった。親の許可もないまま、ある時には親は死んだと偽ってまで移民させられた子どもの数は実に13万人にものぼるという。長きにわたって親は子を探してその安否に心を痛め、子は親を、また自分自身を探し続けているという事実に驚愕し、一人ひとりから聞き取りを行い、人生を取り戻してもらうために奮闘するマーガレット。時に権力の側から妨害を受け、脅迫に脅えながらも、真実を求めて果敢に立ち向かうマーガレットの姿を描いた感動の実話。
この児童移民の事実については、2009年11月にオーストラリア首相が、2010年2月にイギリス首相が事実を認め、正式に謝罪をしている歴史的事事実である。
この本を基にした映画「オレンジと太陽」が2012年4月より全国で順次公開。
    以上 アマゾンより転載

この原作者 マーガレット ハンフリーズが映画のモデルになっています。
1940年代から1970年迄に英国で行われた児童移民をテーマにした実話に基づく映画です。
英国の女性ソーシャルワーカーが一人の相談者からの依頼で調査に訪れたオーストラリアでかつて児童移民だった英国出身の人達に面接して行くうちに驚くべき実態が明らかになっていく。

日本では従軍慰安婦問題等がいまだに国家間の政治取引の場に利用されては浮上するけどそれより児童移民の方が何倍も恐ろしいです。

国が主導し児童福祉と慈善団体が窓口になって一時的に保護された子供達等もオーストラリア等に送られていた。
受け入れ先は宗教団体などもあり、教会建築の労働力になっていた。しかも教会関係者による虐待とレイプ
信じがたい事実があきらかにされて驚きます。
エミリーワトソン演じるソーシャルワーカーの橋渡しで孤児だと思っていた人が母親と英国で再会するシーンは感動的。
こうした活動がマスコミにとりあげられるとともに大きな反響を呼びときには妨害を受け精神的に追い詰められることもあったが夫と子供達の協力と理解で乗り越え、いつしか
移民として海を渡った人たちの英国の家族探しが主人公のライフワークになっていきます。

その後マーガレット ハンフリーズは児童移民トラストを設立し夫とともに現在も
カウンセリングや離散家族の再会を含む社会福祉サービスを提供しているそうです。

オレンジと太陽の国に行くんだと聞かされ船に乗った子供達。タイトルの意味がこんなところにありました。
歴史教科書には絶対出てこない英国の負(恥)の歴史。この映画を観なければ知ることはありませんでした。
これを映画にした監督もすごいですね。
コメント
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