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八甲田の特異な山

2011-10-20 09:33:04 | 風景

最近、朝晩はめっきり寒くなってきました。
紅葉前線は八甲田を越えつつあり、十和田湖・奥入瀬渓流へ向かって日々進行中です。


さて、八甲田・十和田ゴールドライン(国道103号線)を酸ヶ湯方面から十和田湖方面へ向かって走っていると、毎回気になる風景が目に飛び込んできます。
その場所は、ダケカンバの白い枝とアオモリトドマツの濃い緑が交互に入り混じり、まるで山の斜面に模様を描いたかのような独特の雰囲気を醸し出しています。
特に、晩秋から春にかけては落葉したダケカンバの白い枝が目立ち、その一角は異彩を放つ空間となります。

 
笠松峠にさしかかる手前で姿を現すこの山が、例の場所です。
石倉岳(1202m)というのですが、山頂付近がごつごつとした岩で覆われています。

この岩は火山岩の一種である“デイサイト”という岩石だそうで、全体が珪化(※岩石の中に珪酸が浸透し、硬い珪質岩になること)して白色に変質し、海底で噴出したような形跡がみられる部分もあるようです。

石倉岳は、900万年~1200万年前に海底火山の活動によって造成された岩が隆起してできた山なのだそうですよ。

 

「なんだか、高校の化学の授業で出てきそうな難しい単語が出てきたけど・・・
「それはさておき・・・ 落葉していないせいか、今はまだダケカンバがそれほど目立っていませんね。」
「そういえば、石倉岳山頂からの眺めは素晴らしいようですね。」
「そうなんです!ただ、山頂に辿り着くまでに岩場を登る危険な箇所があるので、装備をしっかりして慎重に登ってくださいね。」


 

ちなみに、北八甲田火山群の活動は40万年前、雛岳(1240m)や高田大岳(1552m)、八甲田ロープウェーの山頂駅がある田茂萢岳(1324m)、前嶽(1252m)から始まり・・・
30万年前には、八甲田の最高峰である大岳(1584m)や赤倉岳(1548m)、硫黄岳(1360m)と続き・・・
25万年前に小岳(1478m)、20万年前に井戸岳(1550m)という具合に進んでいったようです。

なるほど、北八甲田の山々は、このような順番で形成されていったんですね。(*-ω-)(-ω-*)~!!

一方、南八甲田火山群の活動は110万年前から始まり、櫛ヶ峯(1517m)を最高峰とする複数の成層火山体が形成されたようですが、駒ヶ峯(1416m)を形成する溶岩だけは新しく、30万年前に噴出したものなのだとか。


以上のことから、石倉岳は現在の八甲田が形成されるずーーーーーっと前から存在していたことが分かります。
八甲田の中でも際立って古く、津軽でも早くから注目されていたということで、もしかしたら石倉岳には特別な何かがあるのかもしれませんね

 

さて、今回の情報は、県立郷土館で今年9月11日まで開かれていた地域総合展「十和田湖・八甲田山」から学びました。いつも勉強になりますm(_ _)m

・・・
県立郷土館では、10/28(金)から企画展「今純三と考現学展」が始まります♪
詳しくは、こちらでチェック! ⇒⇒⇒ 青森県立郷土館


by ヴァ♪


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