あおこのぶろぐ

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びわ湖ホールプロデュースオペラ 「神々の黄昏」 その3(演出編)

2020-03-14 21:41:10 | 日記
何度も書いて来ましたが、「ニーベルングの指環」では、私はキース・ウォーナーの「トーキョー・リング」が大好きなのですが、このミヒャエル・ハンペによる「びわ湖リング」は、トーキョー・リングと共に「世界に誇れる2大ジャパニーズリング」と言っていいのではないかと思います。

海外でオペラを観たことがないので、国内に限りますが、1980年代以降、国内で観られた「リング」は、大方チェックして来ました。

私が観たものを振り返ってみると……
来日公演は1987年のベルリンドイツオペラに始まり、2002年のベルリン国立歌劇場、2006年のマリインスキーの公演。
二期会、新国立劇場の公演、東京シティフィルのオーケストラルオペラ、東京春祭シリーズに、あらかわバイロイトまで行きましたです。

映像では主にBSで放映されたもの、あとはMETライブビューイングも観ました。

その中でもお気に入りトップ2。
私は読み替え演出支持でも不支持でもありませんが、「好き」の判断は結局、「腑に落ちるか」「ワクワクするか」ということです。

「オペラ」は数ある舞台劇の中でも最も「不自然な劇」、中でもワーグナーの作品、特に「リング」は不自然の極み。

これまで、水中を泳ぐ乙女たち、天を駈ける馬たち、小鳥、大蛇などをヴィジュアル化して来たこのプロダクション。

今回がネット生配信されたことで、多くの人が観て感想を書き込んでいて、途中、「動きがない」「絵画のよう」「つまらない」などの感想もあったものの、概ね好評だったようです。

最新技術を使いながら、クラシカルで懐かしささえ感じさせる世界観、そして台本に忠実に、わかりやすく舞台を作り上げています。

ワーグナー初心者も観ていただろうことを考えれば、とても良かったのではないでしょうか。

私がこのプロダクションを評価するのは、まず舞台がきれいなところ、作品のイメージを損なわないところ、ト書きや音楽に忠実なところ、です。

今回の「神々…」では特に第3幕が見どころいっぱい。
息絶えたはずのジークフリートの指環をはめた手が上がるシーンでは、ジークフリートがノートゥングを握っていました。
確かにその時剣(ノートゥング)の動機が流れるので、非常に納得。

他にも映像を使って、カラスを飛ばせたり、葬送行進曲でヴォータンを、ブリュンヒルデの自己犠牲でグラーネを呼ぶ時に、グラーネ(馬)を登場させたり、と、とことん視覚化。

様々な演出の「リング」が観られる昨今ですが、びわ湖リングは「初歩編」「お手本」として欲しい演出です。

特に3月8日の2日目の公演は、聴覚面(演奏・歌唱)、視覚面(容姿・演技等)共に、総合的にかなり高レベルだったと思います。

過去の作品を鑑賞した際、アンケートで「DVD化して欲しい」と書いたのですが、前3作品はDVD化出来る映像は残っていないとのこと。

ならば舞台写真を使って、「初心者にもわかるリング」として、「フォト絵本」のように出版するのはどうかしら、と勝手に思っています。

そして出来れば数年後に、チクルス再演して欲しいです。



久しぶりに読んでみた。


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