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あおこのぶろぐ

オペラ、テレビ、日常など、気が向いたときに書いていきます!

さまよえるオランダ人year その2 兵庫芸文センター

2025-07-27 21:48:07 | 日記
「さまよえるオランダ人」
佐渡裕プロデュースの兵庫芸文のシリーズは、一昨年の「ドン・ジョヴァンニ」以来の参戦(4作品目の参戦)。
ワーグナーなので両キャスト観たい! ということで、7月23日24日を鑑賞。


まず、ホールについて。23日は4階席、24日は1階席でした。
4階席ですが、座席の一段が高さがあるので、前の席の人が気になりません。
席の前に手すりがあるのですが、手すりの下からちょうどオケピが見え、ステージは手すりの上にちょうどある感じなので、前の人がよほど前のめらない限り、視覚的イライラのない席です。頭を左右に振るタイプの人だったとしても気になりません(苦笑)。

1階席も前も書いたと思いますが、中央のブロックは前後がズレているので、ストレスは少ないと思います。
ただ、2階から4階までの両サイドL席R席はどうなんだろうと思って休憩中に観てみましたが、前の方は死角がかなりありそうだけど、後ろの方はそれほどは見えにくくなさそうでした。

しかも、今回のミヒャエル・テンメ氏の演出、傾斜のある山型(三角)の台の上で展開されるので、これはサイド席のお客さんへの配慮かも、と思いました。


平日でしたが連日盛況、佐渡さんの人気・知名度の賜物でしょうか。
いつもに増して高齢の方が多い印象でしたが、そのせいか、24日に、ある出来事がありました。

第1幕の後の休憩、もうすぐ第2幕がはじまる、という時、1階中央あたりで困ったような心もとない表情で会場の後方を観ている高齢男性がいました。
ホールの係の女性が話しかけたところ、自分の席がわからなくなったそうです。
チケットも持っておらず、というか何も持っておらず、奥さんと一緒に来たと言っていました。
「もうすぐ始まるので、後ろの席へ」と案内されて行きました。

新国「カルメン」での出来事を思い出し、まさかあの方「助けてくれー!」って叫びやしないか、とちょっと心配になりました。

https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/c6e1429a09a8b12489bb7887eef8ef78


終演後見たら、最後列の席にぼんやりと座っていました。
その後お連れさんと会えたのかしら?


そしてこの日もう一つハプニングが。
3幕で突如ピリピリピリピリッという音が。
最初は何かの効果音かと思いましたが、いや違う。
しかもずーっと鳴り続けている。
どこからかわからなかったのだけど、そのうち、一階中央のやや後方の中央辺りに座っていたおじさま方が「そこで鳴ってるぞ」などと、ざわざわとし始めました。私の隣の御婦人も「あら携帯が鳴ってるわ」と、わざわざ声に出さんでええがな! というようなことを口に出していました。クライマックスなのに。

そのうち誰かが操作したのか、やっと音が消えましたが。

最初、あの席に迷った男性が席に携帯を置いておいて、お連れさんが鳴らしたのかしら、と思いましたが、電波は入らないようになっているはずだから、アラームなのでしょう。
16:30にセットということ?
しかもすぐ止めないって。お年寄りは高い音が聞こえないというし、自分で気付かなかった、とか?


Xを観ると、こういうハプニングについて、西宮だからよくある的な書き込みがあったのですが、それは土地の民度というより、「誰でも気軽に観に来られるオペラシリーズだから、いろんな人がいる」という意味かな、と思いました。


さて、感想を。

キャストは、
オランダ人 ヨーゼフ・ワーグナー、高田智宏
ダーラント ルニ・ブラッタベルク、妻屋秀和
ゼンタ シネイド・キャンベル=ウォレス、田崎尚美
エリック ロバート・ワトソン 、宮里直樹
マリー  テファニー・ハウツィール、塩崎めぐみ
舵手 鈴木准、渡辺康

ひょうごプロデュースオペラ合唱団
兵庫芸術文化センター管弦楽団

指揮 佐渡裕
演出 ミヒャエル・テンメ


佐渡さんのワーグナーはなんか新鮮でした。他の作品も聴いてみたい。
合唱も迫力ありました!

そして歌手の皆さんですが。
日本人キャスト、高田さん、ややオランダ人にしては声質が違うようにも感じましたが、確かな歌と、存在感!
そして、田崎さん、妻屋さんはもう間違いない方々。安心して聴けました!
中でも宮里さん、最後まで疲れもせず、情熱的に歌い演じておられました!
塩崎さん、吉田さんも良かった。


そして外国人キャストですが、プログラムを観ると世界で歌ってこられた方々のよう。
特にゼンタのキャンベル=ウォレスはとても素晴らしかった! きれいだし。
オランダ人のワーグナーも良かったし、大きな不満はないのだけれど、正直言って歌は全体的に日本人組のほうが良かったと思いました。

ただヴィジュアルはやはり西洋人の方々のほうが映えますよねー。マリーはもっとふっくらした人のほうがイメージだけど。
オランダ人、かっこいいと思ったのですが、観ているうちに小柄なのかな? と、思えてきて。特にダーラントと並ぶと。
でもカーテンコールで観ると佐渡さんより大きいのでかなりの高身長。そして顔が小さい!
ヴィジュアル的には外国人組は粒揃いでした!




そして、千穐楽も終わったので演出についても書きます。

最初に書いたように、三角ゾーンでほぼ展開されるのはサイド席の人への配慮かな、評価しています。

序曲で幼いゼンタにマリーが無理やりオランダ人の本を読ませていて、これはゼンタがオランダ人を救うようマリーが仕向けたのか? と思いました。

演出によっては、マリーが14年前だか21年前だかにオランダ人を救おうとして出来なかったと思わせる設定の演出もあるので、そういうことかな、と思い、途中、そしてラストのマリーに注目していましたが、うーん、普通に嘆いているようにも見えるから、そういうことでもないのか、と思ったり。

第1幕、オランダ人が現れる場面、船から離れた岩場? にオランダ人立っているので、どうやって船から出たんだ、と思ってしまったり(ファントムだからいいのか?)。

第2幕の両サイド(山型の外側)に家らしき白いセットがあったのだけど、ゼンタたちがいるのが屋内なのか屋外なのかよくわからなくなり、なくてよかったようにも思いました。

第3幕の幽霊船のところはなかなか面白かった。


で、このブログでも再三書いてきた肝心のラストですが、ゼンタの犠牲により、オランダ人も呪いから解かれ昇天するという王道のラストで私は好きでした。

具体的に書くと、ゼンタがエリックから短刀を奪い胸を刺し自害、倒れたゼンタの手元にオランダ人の本(オランダ人の肖像のページが開かれている)。そして、後方の幽霊船は沈み、オランダ人はゼンタに近寄り、ゼンタの手、ではなくオランダ人の本に反対側から触る形で息絶える、そして本のオランダ人の肖像が燃える。
オランダ人は、最初と最後だけ、青白い仮面をつけていたので『ファントム感』がありました。
https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/8541d2add6d0d034cb882dffbf68e8c8


が最初に書いたように山型の中で展開されるので、周りで観ている人たちが近い。(ゼンタの自害を)誰か止めろよ、と思ってしまいましたが。

ダーラントの衣装がどんどん金ピカになっていき、娘を犠牲に富を得たのだから、ある意味希望通り?

そして(ラストの演技ではどちらとも判断出来なかったけれど)、マリーがゼンタにオランダ人を救わせようとしていたのなら、それも望み通り?

エリックは可哀想だけど、ドン・ホセのように自分で殺してやろうと思っていたところ、自ら死んでくれたのだからこれも望み通りと言えなくはない??

ということである意味ハッピーエンドなのかなと思いました。


次は9月の二期会の「オランダ人」。
深作健太氏の演出なので、王道ではなさそうですが、どんな感じになるか、楽しみです!




大阪・関西万博に行って来ました

2025-07-03 12:24:20 | 日記

大阪・関西万博に行って来ました。
備忘録の意味と、今後行かれる方の参考になればと思って書きます。

愛・地球博も一人で行きましたが、今回も一人。

チケットは開幕前の安いうちに取ったものの、6月中旬まで忙しくて、パビリオンの予約やらシャトルバスの予約は、取り方がめんどくさかったこともあり、後回しになってしまいました。

そこで、付け焼き刃のような準備でプランを固めて行きました。
宿のある新大阪から、エキスポライナーに乗り、桜島からのシャトルバスで西ゲートへ(このシャトルバスは台数が多いので予約出来た)。

開門前から1時間近く並ぶのは嫌だったので、8時台のシャトルバスで開場へ。
8時45分くらいから入口前で並びました(まあ、開門前から並んで早く入っていれば後の待ち時間はもっと短かったとは思うのですが)。

開門しても、荷物チェックに時間がかかり、入場出来たのは9時半くらい。事前に荷物チェックを始めて、9時にサクサク入れるようには出来ないのかしら?


入場してまずはお手洗いに行って、イタリア・ヴァチカン館に並びます。
既にかなりの列で、2時間以上待ちとプラカードが掲げられていましたが、いろんな人にどのくらい待つか訊かれ、「2時間以上としか言えないです」とプラカードを持っていた青年は言ってました。

並び始めたのは9時38分頃だったと思います。
10時くらいまではなかなか列は進まなかったけれど、10時過ぎてからはある程度の間隔で進みました。とは言え、パビリオン入口は遠い⋯⋯。
前後の人たちは折りたたみ椅子を持っていたけど、かなり低いもので、進む度に立って移動するのは逆に疲れるのでは? と思いました。
丸い折りたたみスツールを持っている人たちもいて、そちらのほうが高さがあるので座り心地良さそうでした。荷物にはなるけど。

でも、体力には自信があったほうですが、さすがにずっと立っていたら腰が痛くなりました⋯⋯。
なので、低ーい椅子でも腰への負担は和らげたのかも、と今は思っています。

イタリア・ヴァチカン館の待ち列は、大屋根リングの下で日陰だし、風も来て結構涼しかった(午前中だったからかも)ので良かったです。
待っている間、持参した水、干し梅、おせんべい1枚とブラックサンダー1本食べました。

しかし、だんだん腰は痛くなるし、苦行でしかない。みんなよく並ぶなあ、と思いました。
並んでいたのは殆んど日本人でしたが、順番を崩すことなく、みんな頑張って並んでいました。結構ご高齢の方も。
やっぱり日本人て、基本的に真面目で我慢強いんだわ。


約3時間半並び、ようやく中へ。
これだけの展示物を観る機会はないですからね。
待った甲斐はあったかも。




それからすぐ横にあったよしもとパビリオン近くのキッチンカーでカレーパンと抹茶ドリンクを買い、大屋根リングの下のベンチでいただきました。
(午前中は日陰だったがこの時間は日がさしていた)

そこからはある程度ノープラン。気になっていたパビリオンもあったけど入れなかったり。
でもオペラ好きとして、イタリア、オーストリア、ドイツだけは行こうと決めていました。

オーストリアは音楽をテーマにしていましたが、ドイツは完全にエコをテーマにしていました。
ドイツ館のキャラクター・サーキュラーちゃんの説明があり、興味深かったけど、もっとドイツらしい街並みとかお城とか、音楽とか森とかも、観てみたかったなー。




あとはすんなり入れそうなところをいくつか観ました。
ヨルダンも評判がいいと聞いたので、チェックしましたが、いつ見ても2時間半待ち。イタリアで懲りてそんなに並びたくないので、スルー。

韓国はドイツのお隣にあって、最近韓国ドラマをよく見ているし、行ってみました。
テーマ性があって興味深かったです。

そして、韓国パビリオン内のレストランでちょっと早めの晩ご飯にしました。
程よい時間だったのと、とにかくすぐ座れたのが大きくて。
キムチチキンバーガーセットとチャミスルレモンサワーを頼んだのですが、凄いボリューム!
野菜もいっぱいだったのでそこは良かったですが、食べきるのに時間がかかりました⋯⋯。サイダーがセットについていたので、サワーに足して飲みました。
隣の女性は参鶏湯定食らしきものを食べていましたが、これも凄いボリュームで、やはり時間をかけて食べていらっしゃいました。


その後時間と体力の許す限り、すぐ入れるパビリオンに入り、大屋根リング上からの夕景、そしてドローンショーも観て東ゲートから帰途につきました。




夜間入場も宣伝していますが、確かに夜のほうがいいかも。
何故ならどのパビリオンもライトアップされてきれい!
暑くない!
日傘の必要なし!


日傘。ワタクシ20年前の愛・地球博で実感したのですが、日傘は行列の時も、そこそこ人のいるところで歩いている時も、人様の日傘がとにかく邪魔!
なので、持っていってはいましたが、一度もさしませんでした。ツバの大きな帽子と腕カバー、スカーフ、そしてもちろん日焼け止めを用いました。
イタリア館以外は大体日のさすところで待つことが多かったのですが、何度前後の人の日傘が当たったことか。
列でなくても会場内、結構な人なので、歩いていても邪魔。
さす場合は、もっと周囲に気を配ってほしいと思いました。


ということで、そういう「イラッ」もない夜のほうがいいです。
何時間も待たなければならないパビリオンを絶対観たい! というわけでないのならば、夜だけ行って雰囲気を味わうのもいいのでは、と思いました。


またパビリオンをそんなには見れなかったけど、見た中で、ダイレクトにその国の良さが伝わったのは、ペルーですね。
マチュピチュや地上絵など、世界遺産がたくさんあり、それらを360度の映像で見せる、それだけなのですが、ダイレクトに「ペルーすごい! 行ってみたい!」と思いましたし。
テーマ性のあるものよりわかりやすかったです。

もちろん行ってないパビリオンのほうが圧倒的に多いので、行かれる方、是非楽しんで来て下さい!


ちなみに翌日、万博記念公園に行って太陽の塔に会いに行って来ました。
ミャクミャクもキャラクターとして見慣れては来たけれど、シンボルとしての太陽の塔には敵わない!
大阪万博には幼い頃に行ったらしく、ほぼ記憶はないけど、我が家に太陽の塔の掛け軸が飾られたりしていたので、小さい頃から特別な存在でした。
万博開催の記念に、久しぶりに会いに行きました♪



 みなとみらいで聴く Dramatic Series「ラインの黄金」

2025-06-23 22:50:16 | オペラ
ここ3ヶ月ほど、忙しくてオペラに行けず(METライブビューイングの『フィデリオ』は観た)、久しぶりのオペラ(広義の)。久しぶりのリング、そしてもっともっと久しぶりの『ラインの黄金』。
調べたら、えっ! 2017年のびわ湖ぶり??

その時と同じ、指揮は沼尻竜典さん、ヴォータン夫妻、ニーベルング兄弟は同じキャスト、そしてドンナーが息子さんに!

青山貴(ヴォータン)
黒田祐貴(ドンナー)
チャールズ・キム(フロー)
澤武紀行(ローゲ)
妻屋秀和(ファーゾルト)
斉木健詞(ファフナー)
志村文彦(アルベリヒ)
高橋淳(ミーメ)
谷口睦美(フリッカ)
船越亜弥(フライア)
八木寿子(エルダ)
九嶋香奈枝(ヴォークリンデ)
秋本悠希(ヴェルグンデ)
藤井麻美(フロースヒルデ)


沼尻マエストロ✕神奈川フィルのワーグナーは、県民ホールで、タンホイザー、オランダ人、ワルキューレと観て来ました。
今回も堪能しました。

演奏会形式は、当たり前ながら演奏する姿が見えて、音もダイレクトに届くので、川の流れ、雷鳴、虹等々が奏でられる様を、目と耳で楽しめていいですね!
京急電鉄のレールをアンヴィルに使うなんて素敵♪


歌手の皆さんは青山ヴォータン以下、びわ湖でもお馴染みのメンバー中心で、安心感がありました(今日はお声が不調? という方もいましたが)。

妻屋さんと斉木さんのハーゲンコンビの兄弟も、純なファゾルトと策略家のファーフナーのキャラが出ていて良かった。
アルベリヒの志村さん、びわ湖でも歌っていたはずなのに、一人だけ譜面台有りでした。
アルベリヒというと思い出すのは昨年亡くなられた島村武男さん。当たり役でしたね。ご冥福をお祈りします⋯⋯。

フリッカ、エルダ、ラインの乙女たち含め皆さん役のイメージ通りで、女性陣は本当に充実していました!


今回(たぶん)初めて聴いたのが、ドンナーの黒田祐貴さんとローゲの澤武紀行さん。

黒田さんは見た目も歌もスマートで、DNAを感じさせました。今後の活躍が楽しみです!

そしてローゲの澤武さん。ローゲと言えば、ラインの黄金にしか出ないけど、リングの裏主役のような存在。軽さと巧妙さを合わせた歌と演技で大活躍。アルベリヒが去る場面では譜面台を舞台袖まで運んでいました。
カーテンコールでは一番の拍手を浴びていらっしゃいました。

今回は、歌手の演技、動きと照明のみのセミステージで、春祭に近いものでしたが、充分にキャクターと状況がわかるものでした。

2016年のティーレマン指揮サントリーホールの「ラインの黄金」も、確かパイプオルガンをワルハラ城に見立てた演出で、今回よりもっと演出有りの舞台だったと記憶しています。

皆さんの演技が充実していたので、同じセミステージでも、もう少し演出のあるステージ、上記のサントリーホールや、かつての東京シティフィルのオーケストラル・オペラのようなステージを期待してしましまいます。
何なら演出、扮装有りの完全舞台上演もいいですね!
そしてリング全曲観てみたい、と期待が膨らみます。

来年「ワルキューレ」やるのかな?


この公演のことを知ってから、自分のスケジュールがはっきりしなかったので、チケットを取るのが遅めになりました。
初めてのホールなので、いろいろ考えて、二階席の一番後ろの席にしました。一番後ろなら前のめりになっても後ろを気にしなくてすむから。

しかし、このホール、座席が前の列とズレていないので、前の人の座高が高いと悲惨。
実際前の席の人、座高が高いわけじゃないんだけどやや前のめり(背もたれに背中をつけていない)、しかもかなり頭を揺らすタイプの人。
結構このタイプに当たってしまう(涙)。
座高が高くても、じっとしていてくれたら、間から観るのですよ。右に左に頭を動かせれると『チッ』と思います。隣席ならぬ前席ガチャでハズレたという感じでした。
なのでワタクシ、殆んど前のめってその人の上から観ていました。そういうことも想定して一番後ろを取ったのですが。
ホールの状態がわかったので、次に行く時は別の取り方をします。

そして場内ちょっと暑かった。
2時間半の公演で、上演前に何度も「トイレ行っとけ」いえ「お化粧室はお済ませ下さい」アナウンスがありました。冷やし過ぎてトイレに行きたくなることを避けさせるため?

また終演の際についても、上演前にアナウンスがあったお陰か、フライング拍手もなくて良かったです。
(春祭のヤノフスキとの戦いみたいなのがなくてほんと良かった)


みなとみらいホールも素敵なホールだったけど、客席がズレていないところは残念だし、サイドの、エキサイティングシートみたいなバルコニー席は見え方はどうなのでしょうか?


ちなみに神奈川県民ホールは、以前このブログにも書きましたが、死角の少ない作りで、かなり好きなホールでした。いつか生まれ変わって開館するなら、以前のいいところを残して欲しいなと思います。



生&配信で堪能 東京春祭「パルジファル」

2025-03-30 20:17:52 | 日記
ワーグナー好きの私ですが、「パルジファル」は、宗教臭い(という言い方は適切ではないかもしれないけど)ところがちょっと苦手で、今一つ好んで聴いていなかったのだけど、びわ湖、二期会で上演された2022年に聴きまくり、DVDも複数買ったりして、かなりはまりました。
3年前のブログびわ湖公演の際に書いたブログはこちら。
https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/a432edaf7aa4f9e149908403e6ac8bd2


ということで結構いろいろなプロダクションを映像も含め観聴きしたけれど、今でも「パルジファル」というと真っ先に思い浮かぶのは、2012年の二期会公演(グート演出、飯守泰次郎指揮、アムフォルタスが黒田博さん)のラストシーン。
それ前後に観たどの公演より、今も強く記憶に残っていたりします。
(それにしても二期会、カルメンは25年ぶり上演だったけど、その間にパルジファル2回上演してるのね)


春祭ワーグナーシリーズ、昨年書いたように、やりくりして3/27(木曜日)、会場に足を運びました。
去年の「トリスタンとイゾルデ」の感想はこちら↓
https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/2e418b9e5aae6224dbc2d08a7dade918

生ヤノフスキ、いつまで観られるかわからないし(いや、でも来年からまたリングやります、と言っても完遂しそう)、去年の「トリスタン」を観て、スチュアート・スケルトンを生で観聴きしたいと思ったので。
が、また4階のL側。カルメン2日目よりは正面寄りだったし、装置やはっきりとした演出があるわけではなかったけど、かなり死角もある席でした。

日曜日、実は用事があったのだけど、正面から観たいし、もう一度聴きたくて用事をパスして配信も観ることにしました。

スケルトンはやっぱりチャーミング(風貌的に西田敏行さんを思い出しました)。
おバカちゃんから騎士への変貌も見事だったし。殆んど楽譜を観ず、演技していました。日曜のほうがより良かったかな。
扮装、演出ありの公演でも観てみたい。

ただ、昨年も書いたように、巨漢でいらっしゃるので、動きが制限されそう⋯⋯。健康には本当に気をつけて! 世界的歌手には、栄養士とかフィジカルトレーナーとかついて管理してあげればいいのに、と思ってしまいます。


グルネマンツのタレク・ナズミも良かった。声も好きだし、パルジファルらを導く包容力と貫禄も感じられた。そしてかっこいい。歌わない時も、ずっと歌っている人を見ていて、役に入り込んでいたのも良かった。

クンドリのターニャ・アリアーネ・バウムガルトナーも声、パフォーマンス、ヴィジュアル、役にぴったりでとてもよかったです。

アムフォルタスはクリスティアン・ゲルハーヘル、素晴らしい歌唱で聴きごたえあったのだけど、ずっと楽譜を観ているのが気になってしまった。初めて歌うわけではないだろうに。
スケルトンは「ほほ見ない」、ほかの人たちも、時々見る、くらいだったのでそこはちょっと残念だった。

びわ湖のセミステージや、東京シティ・フィルのオーケーストラルオペラや、ティーレマン指揮サントリーホールの「ラインの黄金」など、演出付きのものも観てきましたが、これは「演奏会形式」。別にいいじゃんと言われそうですが、私は、このシリーズは歌手の方々の演技等にも注目してきました。
去年のスケルトンのトリスタンやブリン・ターフェルのオランダ人、フォークト様のローエングリンやヴァルター、ペトラ・ラングのオルトルート、エレートのベックメッサーなど、目でもパフォーマンスを楽しませてくれていたので。


ティトゥレルの水島正樹さん、舞台上に現れていたのか初日の現地ではわからなかったけど、やはりいなかったのね。
配信で聴くと聞こえ方がやはり違う。でもいい声で印象的。見た目がかなりお若いので、役のイメージを考えたら現れなくて正解かな。

そしてクリングゾルのシム・インスン。声はいいし、たたずまいもかっこいいし、悪役好きの私はすっかり魅せられました♪

その他の日本人歌手陣も間違いのない陣容。
その中で第3の小姓・土崎譲さんが初めて聴いたんじゃないかと思いますが、ワーグナーヒーローに合いそうな声で、印象に残りました。

合唱団、東京オペラシンガーズはいつながら安定しているし、N響もさすが。
開場前の外でのファンファーレからもう泣きそうになった。ただ、外だからか音が固く聴こえ、第1幕も最初はなんか溶け合わない感じがしましたが、だんだん乗って来たようで、2幕3幕はもうとにかく没頭できました!

そしてヤノフスキ。
86歳でこの長い曲を立って指揮するだけでもすごい! 演奏は予定されていた時間より早かったけど、不必要に速かったとは私は思わなかったし。

余談ですが、昭和女子大学人見記念講堂こけら落とし公演がカール・ベーム指揮ウィーンフィルのベートーベンの交響曲第7番で、DVDを持っていますが、あの時ベームは86歳だったらしいけど、椅子に座って指揮していました。


拍手のタイミングはヤノフスキが決める、という感じですが、相変わらずフライング拍手した人がいました。学ばないのかな⋯⋯。

木曜は第1幕のあと、ヤノフスキは拍手を受けず降りましたが、日曜は振り返って拍手を受けていました。

また、幕の終わりに拍手もそこそこに出た人が結構いましたが、もったいないと思う。日本人歌手とクリングゾルは終幕のカーテンコールにはいなかったし。2幕の後はパルジファルとクンドリも登場。トイレが我慢出来なかったなら仕方ないけど⋯⋯。
ロビーの椅子を取りたい気持ちもわかるけどね。

ちなみに、木曜日、第2幕終わりの静寂の中でおなかが鳴っちゃった人がいて、それはさすがに気の毒だと思いました。おなかはコントロールできないものねえ。


演奏会形式ではありますが、「演出」的なものありました。
第1幕の後半の合唱部分、グルネマンツが歌わないパルジファルを連れて登場。その後二人で椅子に座って1幕終わりまで聴いていたり、終幕でグルネマンツとクンドリが脇に登場したり。
誰の発案かわからないけど、それも「演出」ですよね。
ちなみに第3幕、私の席からはクンドリがまったく見えなくて、配信で「いたんだ」と思った。そして、パルジファルとクンドリが見つめ合っていたということを、配信で知りました。
そしてパルジファルがクンドリを見つめる目ったら!
配信でもグッと来ました。

1階にいたら5階席からの合唱も、天から降り注ぐように聞こえたんだろうな、とか。

なので、来年はS席で観られるよう頑張ろう、と思ったのでした。


とにかく満足度が高かった今回の公演。

自分の葬式の時、出棺では「マイスタージンガー」終幕で送ってもらい、火葬場では「神々の黄昏」終幕を流して欲しい、と思っている私だけど、葬式前に地球滅亡を迎えるとしたら、最後の日には「パルジファル」を聴きたいかも、と思いながら開場をあとにしたのでした。





二期会&新国立劇場「カルメン」感想 演出編 そして客席で起こったある悲劇について

2025-03-07 20:58:39 | 日記
「カルメン」、久しぶりに観たけどやはり名曲揃い。
前奏曲はテレビでもあちこちで流れるけど、今はやっぱりすぐ思い出すのは「オモウマい店」かな。

さて、二期会のイリーナ・ブルックの演出は、場所を特定しないものでした(近未来だとか)。だけど作品のイメージは損ねてはおらず、私は面白く観ました。
今回セリフもレチタティーヴォもない、圧縮版とも言える上演。なので歌ってない人がお芝居したりと、舞台上あちこち目が離せません。

1、2幕と3幕、4幕の2部構成。1、2幕に舞台下手に、2階建ての小屋(櫓?)があり、そこの2階で結構な動きがあります。
モラレスがホセに、ミカエラが来たことを伝えたり、ホセが「ハバネラ」を歌うカルメンに釘付けになっていたり、スニガが寝ていたり、そのほか本来のト書きにはないことも起こったりします。

初日、カルメンの投げた花が2階にいたホセに届かず、落ちた花をホセが脱兎のごとく走り降りて拾いに行っていたのだけど。やっぱり2階でキャッチするのが本来の演出なのかな、2日目注目しよう、と思っていたのですが。
22日は上の階のレフト側の席だったのだけど、その小屋自体が全く見えない!
サイド側の席ということで、ある程度見切れることは覚悟していたけれど、えっ、こんなに完全に見えないもの?
あれやこれやが起こっているはずなんだよな……と想像するしかない……。

つまり、私の近くの席にいた人たち、しかもその日1日しか観に来ていない人たちは、あの小屋で何が起こっていたか見えない、というか、あの小屋自体あることも知らない、ということになります。それってどうなのでしょう?
すべてが見えてこそ「演出」も評価出来るというもの。なのに、死角があっては一部の人に演出意図が完全には届かないということになります。

新国立劇場のZ席なら、そういうことも覚悟しますが。

その点は本当に残念で、もし再演があれば、小屋の位置を変えるなどしてほしいと心から思います。


3/6の新国立劇場は4階席の最後列から鑑賞。正面ゾーンでも、高い階からだと装置によっては奥のほうが見えなかったりするので、奥行きがある舞台と聞いていたし見えないところもあるかもと心配していました。ですが、後ろに映っていたモニターはよくは見えなかったけど、舞台全体良く見えました。
アレックス・オリエの演出は、装置も人の動きもあまり死角がないものでした。
第3幕のカルメンの着替えシーンとかはL側の人は見えなかったかもしれないけど、新国立のサイド席はその辺は覚悟しなければいけないし、許容範囲かと。ミカエラのアリアシーンも両サイドで歌われ、ちょっと見えにくかったかも、ですが。
死角が少ないのと、舞台設定がはっきりしているので、二期会のブルック演出より一貫性があってわかりやすく、納得出来る部分も多かったです。

二期会のブルック演出は、こうしてみるとやはり上級編なのかな。民衆も含めた登場人物の動き・演技を観るのは興味深かったけれど、衣装のせいなのか、一貫性がなく、舞台設定を観る人の判断に委ねているとも言えるけど、ふわっとぼんやりしたまま終わった感じもあります。
でもこのオペラの、主要登場人物4者の思いのベクトルが絡まる恋物語としての部分は、(歌手の演技も含め)二期会版(特に初日)のほうがリアリティがあったかな。


3月6日は終演後、大野和士芸術監督の2025/2026シーズンラインアップ説明会も聴いて来ました。聞き手の奥田佳道さんが、ワーグナー作品がないことに何度も触れていましたが、その点は確かに残念。でも来季もお金と時間をやりくりして観に行きたいと思います。




そして最後に。書いていいものか迷いましたが。
3月6日の新国立劇場で、長い鑑賞人生でも初めての「悲劇」に遭遇しました。
第4幕(この公演では3幕2場)の大詰めで、客席でも、ある意味舞台上以上の修羅場があったのです。
何があったんだろうと気になった人も多いと思うので、近くにいた私が敢えて書きたいと思います。

開演ちょっと前にお御足の悪い高齢の男性と、付き添いの男性が来ました。4階席、後ろから2列目の通路際の席だったらしいのだけど、劇場の係員の方も手伝っていたのですが階段に苦労していて、そのすぐ後ろ、最後列の通路際の席の女性が好意で換わってあげていました。付き添いの男性はすぐ隣は取れなかったようで、一つ置いた横の席、つまり後ろから2列目の通路から3番目の席だったようです。並んだほうがいいのでは、とその女性が提案し、最後列の通路から2番目の人も付き添いの人と席を換わってあげたのでした。係員の方もそれをちゃんと把握していました。
「みんな優しいなー」と思って見ていたのですが。

つまりお御足の悪い高齢の男性が最後列の通路際、付き添いの人がその横に座ることになりました。
その高齢男性、前半は曲のあとに「ブラボー」と叫ぶなど、ご満悦だったのですが、第4幕(第3幕2場)のカルメンとエスカミリオの二重唱あたりで、突然喋り出しました。
「なんでこんなに暗くしているんだ」そんな感じだったと思います。その後も喋り続け、付き添いの人が高齢男性の袖か腕を握るなどして黙るように言いますが、ヒートアップします。
「そうやって見張っているのか」みたいなことを言い出し、席を立とうとします。
でも足が悪いのですぐに動けません。そこで付き添いの人はさっと席を立って、高齢男性を抱えて外に出ました。劇場係員の方も出口のところにいたので、すぐに扉を開けて助けていましたが、抱えられた高齢男性は大声で「あ--!」叫びだします。そして客席から出ながら「助けてくれー!」と。
緊迫したシーンの中、その声はおそらく劇場中の人が耳にしたでしょう。
(コンヴィチュニーの演出か? と思った人もいたかも??)
扉が閉まってからもしばらく声は聞こえていました。

これは私の予想ですが、あの高齢男性は第3幕途中で眠ってしまったのではないかしら。
目が覚めた瞬間周りは真っ暗で、今どこにいるかわからず、パニックになったのでは。そして抱えられたことで怒りと恐怖で一層パニックになり、「助けてくれー」と叫んだのでは。
あと少しだったのに。付き添いの男性が本当に気の毒でした。

最初に最後列に座っていたお二人が席を換わってあげていなくて、もともとの席に座っていてあの状況になったら、もっと周りに迷惑をかける大悲劇になっていたかもしれません。
ということもあり、改めて席を替わってあげていたお二人を讃えたいと思いました。

あの高齢男性もオペラが好きで、いろいろと弱ってもオペラを観たいと思って足を運んだのだろうに、と思うと胸が痛みます。そして付き添いの方の焦りを思うと……。

私もいくつになっても、出来ればオペラを観に行きたいと思っているのですが(お金があるかはわからないけど)……、いろいろ考えてしまいました。