「さまよえるオランダ人」
佐渡裕プロデュースの兵庫芸文のシリーズは、一昨年の「ドン・ジョヴァンニ」以来の参戦(4作品目の参戦)。
ワーグナーなので両キャスト観たい! ということで、7月23日24日を鑑賞。
まず、ホールについて。23日は4階席、24日は1階席でした。
4階席ですが、座席の一段が高さがあるので、前の席の人が気になりません。
席の前に手すりがあるのですが、手すりの下からちょうどオケピが見え、ステージは手すりの上にちょうどある感じなので、前の人がよほど前のめらない限り、視覚的イライラのない席です。頭を左右に振るタイプの人だったとしても気になりません(苦笑)。
佐渡裕プロデュースの兵庫芸文のシリーズは、一昨年の「ドン・ジョヴァンニ」以来の参戦(4作品目の参戦)。
ワーグナーなので両キャスト観たい! ということで、7月23日24日を鑑賞。
まず、ホールについて。23日は4階席、24日は1階席でした。
4階席ですが、座席の一段が高さがあるので、前の席の人が気になりません。
席の前に手すりがあるのですが、手すりの下からちょうどオケピが見え、ステージは手すりの上にちょうどある感じなので、前の人がよほど前のめらない限り、視覚的イライラのない席です。頭を左右に振るタイプの人だったとしても気になりません(苦笑)。
1階席も前も書いたと思いますが、中央のブロックは前後がズレているので、ストレスは少ないと思います。
ただ、2階から4階までの両サイドL席R席はどうなんだろうと思って休憩中に観てみましたが、前の方は死角がかなりありそうだけど、後ろの方はそれほどは見えにくくなさそうでした。
しかも、今回のミヒャエル・テンメ氏の演出、傾斜のある山型(三角)の台の上で展開されるので、これはサイド席のお客さんへの配慮かも、と思いました。
平日でしたが連日盛況、佐渡さんの人気・知名度の賜物でしょうか。
いつもに増して高齢の方が多い印象でしたが、そのせいか、24日に、ある出来事がありました。
第1幕の後の休憩、もうすぐ第2幕がはじまる、という時、1階中央あたりで困ったような心もとない表情で会場の後方を観ている高齢男性がいました。
ホールの係の女性が話しかけたところ、自分の席がわからなくなったそうです。
チケットも持っておらず、というか何も持っておらず、奥さんと一緒に来たと言っていました。
「もうすぐ始まるので、後ろの席へ」と案内されて行きました。
新国「カルメン」での出来事を思い出し、まさかあの方「助けてくれー!」って叫びやしないか、とちょっと心配になりました。
https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/c6e1429a09a8b12489bb7887eef8ef78
終演後見たら、最後列の席にぼんやりと座っていました。
その後お連れさんと会えたのかしら?
そしてこの日もう一つハプニングが。
3幕で突如ピリピリピリピリッという音が。
最初は何かの効果音かと思いましたが、いや違う。
しかもずーっと鳴り続けている。
どこからかわからなかったのだけど、そのうち、一階中央のやや後方の中央辺りに座っていたおじさま方が「そこで鳴ってるぞ」などと、ざわざわとし始めました。私の隣の御婦人も「あら携帯が鳴ってるわ」と、わざわざ声に出さんでええがな! というようなことを口に出していました。クライマックスなのに。
そのうち誰かが操作したのか、やっと音が消えましたが。
最初、あの席に迷った男性が席に携帯を置いておいて、お連れさんが鳴らしたのかしら、と思いましたが、電波は入らないようになっているはずだから、アラームなのでしょう。
16:30にセットということ?
しかもすぐ止めないって。お年寄りは高い音が聞こえないというし、自分で気付かなかった、とか?
Xを観ると、こういうハプニングについて、西宮だからよくある的な書き込みがあったのですが、それは土地の民度というより、「誰でも気軽に観に来られるオペラシリーズだから、いろんな人がいる」という意味かな、と思いました。
さて、感想を。
キャストは、
オランダ人 ヨーゼフ・ワーグナー、高田智宏
ダーラント ルニ・ブラッタベルク、妻屋秀和
ゼンタ シネイド・キャンベル=ウォレス、田崎尚美
エリック ロバート・ワトソン 、宮里直樹
マリー テファニー・ハウツィール、塩崎めぐみ
舵手 鈴木准、渡辺康
ひょうごプロデュースオペラ合唱団
兵庫芸術文化センター管弦楽団
指揮 佐渡裕
演出 ミヒャエル・テンメ
佐渡さんのワーグナーはなんか新鮮でした。他の作品も聴いてみたい。
オランダ人 ヨーゼフ・ワーグナー、高田智宏
ダーラント ルニ・ブラッタベルク、妻屋秀和
ゼンタ シネイド・キャンベル=ウォレス、田崎尚美
エリック ロバート・ワトソン 、宮里直樹
マリー テファニー・ハウツィール、塩崎めぐみ
舵手 鈴木准、渡辺康
ひょうごプロデュースオペラ合唱団
兵庫芸術文化センター管弦楽団
指揮 佐渡裕
演出 ミヒャエル・テンメ
佐渡さんのワーグナーはなんか新鮮でした。他の作品も聴いてみたい。
合唱も迫力ありました!
そして歌手の皆さんですが。
日本人キャスト、高田さん、ややオランダ人にしては声質が違うようにも感じましたが、確かな歌と、存在感!
そして、田崎さん、妻屋さんはもう間違いない方々。安心して聴けました!
中でも宮里さん、最後まで疲れもせず、情熱的に歌い演じておられました!
塩崎さん、吉田さんも良かった。
そして外国人キャストですが、プログラムを観ると世界で歌ってこられた方々のよう。
特にゼンタのキャンベル=ウォレスはとても素晴らしかった! きれいだし。
そして歌手の皆さんですが。
日本人キャスト、高田さん、ややオランダ人にしては声質が違うようにも感じましたが、確かな歌と、存在感!
そして、田崎さん、妻屋さんはもう間違いない方々。安心して聴けました!
中でも宮里さん、最後まで疲れもせず、情熱的に歌い演じておられました!
塩崎さん、吉田さんも良かった。
そして外国人キャストですが、プログラムを観ると世界で歌ってこられた方々のよう。
特にゼンタのキャンベル=ウォレスはとても素晴らしかった! きれいだし。
オランダ人のワーグナーも良かったし、大きな不満はないのだけれど、正直言って歌は全体的に日本人組のほうが良かったと思いました。
ただヴィジュアルはやはり西洋人の方々のほうが映えますよねー。マリーはもっとふっくらした人のほうがイメージだけど。
オランダ人、かっこいいと思ったのですが、観ているうちに小柄なのかな? と、思えてきて。特にダーラントと並ぶと。
でもカーテンコールで観ると佐渡さんより大きいのでかなりの高身長。そして顔が小さい!
ヴィジュアル的には外国人組は粒揃いでした!
ただヴィジュアルはやはり西洋人の方々のほうが映えますよねー。マリーはもっとふっくらした人のほうがイメージだけど。
オランダ人、かっこいいと思ったのですが、観ているうちに小柄なのかな? と、思えてきて。特にダーラントと並ぶと。
でもカーテンコールで観ると佐渡さんより大きいのでかなりの高身長。そして顔が小さい!
ヴィジュアル的には外国人組は粒揃いでした!


そして、千穐楽も終わったので演出についても書きます。
最初に書いたように、三角ゾーンでほぼ展開されるのはサイド席の人への配慮かな、評価しています。
序曲で幼いゼンタにマリーが無理やりオランダ人の本を読ませていて、これはゼンタがオランダ人を救うようマリーが仕向けたのか? と思いました。
演出によっては、マリーが14年前だか21年前だかにオランダ人を救おうとして出来なかったと思わせる設定の演出もあるので、そういうことかな、と思い、途中、そしてラストのマリーに注目していましたが、うーん、普通に嘆いているようにも見えるから、そういうことでもないのか、と思ったり。
第1幕、オランダ人が現れる場面、船から離れた岩場? にオランダ人立っているので、どうやって船から出たんだ、と思ってしまったり(ファントムだからいいのか?)。
第2幕の両サイド(山型の外側)に家らしき白いセットがあったのだけど、ゼンタたちがいるのが屋内なのか屋外なのかよくわからなくなり、なくてよかったようにも思いました。
第3幕の幽霊船のところはなかなか面白かった。
で、このブログでも再三書いてきた肝心のラストですが、ゼンタの犠牲により、オランダ人も呪いから解かれ昇天するという王道のラストで私は好きでした。
具体的に書くと、ゼンタがエリックから短刀を奪い胸を刺し自害、倒れたゼンタの手元にオランダ人の本(オランダ人の肖像のページが開かれている)。そして、後方の幽霊船は沈み、オランダ人はゼンタに近寄り、ゼンタの手、ではなくオランダ人の本に反対側から触る形で息絶える、そして本のオランダ人の肖像が燃える。
オランダ人は、最初と最後だけ、青白い仮面をつけていたので『ファントム感』がありました。
https://blog.goo.ne.jp/aokohime/e/8541d2add6d0d034cb882dffbf68e8c8
が最初に書いたように山型の中で展開されるので、周りで観ている人たちが近い。(ゼンタの自害を)誰か止めろよ、と思ってしまいましたが。
ダーラントの衣装がどんどん金ピカになっていき、娘を犠牲に富を得たのだから、ある意味希望通り?
そして(ラストの演技ではどちらとも判断出来なかったけれど)、マリーがゼンタにオランダ人を救わせようとしていたのなら、それも望み通り?
エリックは可哀想だけど、ドン・ホセのように自分で殺してやろうと思っていたところ、自ら死んでくれたのだからこれも望み通りと言えなくはない??
ということである意味ハッピーエンドなのかなと思いました。
次は9月の二期会の「オランダ人」。
深作健太氏の演出なので、王道ではなさそうですが、どんな感じになるか、楽しみです!
