七月投稿句
7/1
マスクせずパンデミックを呼ぶ男
ベゴニアを隣家の塀で謳わせる
コロナ禍でふるさと急に近くなり
7/2
大海老や名文少年ダイカイロウ
電池切れ三日も探した声の主
キチン前バックシャンのキウリ誉め
7/3
大方は直すどころか壊す家電
老所帯キウリも間延び今朝一本
川柳子三十一文字の草枕
7/4
百人を超えた途端のバッシング
ヒト以外誰も騒がぬこの騒ぎ
五輪旗もいやいやしながら遠ざかり
7/5
絶対になってくれるな第一号
梅雨明けも近い三線よく響き
香港の夜景も黄砂で埋め尽くし
7/6
若いもん危ない所ほど行きたがり
水遣りに替えて雑草取り梅雨最中
大雨やメダカ零れず鉢溢れ
7/7
七夕や短冊加護を書き連ね
五月雨を集めて猛し球磨の川
有難く鮎へ変身ミニトマト
7/8
露出過多悩殺される古老たち
釣り好きや妻が頼りの釣果あげ
タチアオイ花もてっぺん梅雨の明け
7/9
見物人なくもモナリザ絶えぬ笑み
アウトローなる俳句ただならぬ
鳥葬もツアーに組み込む強欲さ
7/10
袖の下通してよろしく下心
子守歌のんびり唄えぬ温暖化
マスクまでして筋トレ痩せ我慢
7/11
東京弁怪しむ友の故郷ことば
朝三寸夕に食べごろ鉢キューリ
温暖化堤の嵩も切りがなく
7/12
密林に分け入るような緩和策
五千人集えばコロナも五千倍
ポリバケツ俄か予報士覗く日々
7/13
Go toに尻叩かれて旅支度
球場のデシベルやっとMLB
コロナ禍でホストすっかり身の近く
7/14
理科嫌い線状降雨を棒読みし
対策が看板となる赤チョーチン
コロナ禍でホスト俄かに身の丈に
7/15
コロナ禍に怯えて鉾は蔵籠もり
諮らえどよきに計らえ御処
夏の雲梅雨明けまだかともどかし気
7/16
夫の無念晴らす剛毅や妻に問い
有料が恥ずかしそうなネット記事
梅雨時は箪笥のコヤシ陽の目見る
7/17
コロナ禍で巷に溢れる哲学者
旅に出よ命の保証はありませぬ
どちらからえっ東京からまあ怖い
7/18
梅雨晴れ間一瞬ニイニイ捕らえ鳴く
十七で早々棋聖背負う覚悟
蜜もたぬベゴニア 揚げ羽蝶素っ気なく
7/19
見逃さず妻の眼力尺キウリ
女医さんに褒められたくてBMI
神奈川にGO TO/アラート入り混じり
7/20
羨やまれ今は疎まれ華の江戸
中トロもまずはスマホに下見させ
安寧がなくちゃオチオチ旅もなく
7/21
生きる甲斐無用無駄の力添え
才能は人を十倍大きくし
紅梅が心当たりの射幸心
7/22
ぬか漬けは隔世遺伝の孫好み
足止めを食らって伸びる孫の丈
通知表もらう姿なき紙面
7/23
へぼきうりなってみなはれその気持ち
山の湯に体沈めて意欲炊く
大谷石掘り出し跡の仮屋園
7/24
木道のその先泥濘七十路
冬は雪夏も惹かれてユリの花
宇都宮ギョーザも縮むコロナの禍
7/25
感染者のっぴきならぬ数となり
来月も×××のカレンダー
どうしても GO TO Trouble と聞こえちゃう
7/26
子どもでも命は一つ知るところ
大谷石イエスもホテルも飾り立て
大クサメ背中に刺さる数多の眼
7/27
土俵際押し切るはずの小笠原
Xデー五輪は何処カレンダー
那須の野に蝦夷蝉鳴いて夢現
7/28
梅雨空の上に青空あったのね
そのうちに急くことはなくGO TO論
明日はコレ明後日アレと鉢きうり
7/29
マスクするしないか瀬戸際奴さん
棘を立て朝獲りきうり粉も吹き
Tシャツに嗚呼歯磨きが今朝も垂れ
7/30
木道をおっととっと七十路
パジェロでもコロナの坂に往生し
素直さがこれ見よがしのきうり獲れ
7/31
被爆国黒い雨は降り止まぬ
如何ともし難く長梅雨ミーンミン
アベマスク殿に仕えて尻ぬぐう
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