8/1(日) 七月投稿分

 

7/1

コロナ禍や言うこときかぬ無精ひげ

BBC東京五輪をよく語り

ほどほどに採れてほどほど万願寺

7/2

民主主義胡坐をかけば出し抜かれ

泡盛で夏日すっきり払い退け

ヒマワリと齢八十あっぷっぷ

7/3

本物どすえどっかり前線居座られ

チケットを買ってコロナの恨み節

ればたらや秋五輪の恨めしさ

7/4

診察はテニス談義で女医は〆め

出不精をコロナのせいと言い訳し

後は効き目の二度目のワクチン

7/5

「走り湯」に流れ下った土石流

新聞も紅茶に浸り陽に干され

お隣りの都議選いやに気にはなり

7/6

土石流嗚呼またしても人が為し

履歴書にワクチン接種の蘭もでき

銀恋もワクチン接種終えてこそ

7/7

袖の下オレもオレもと総選挙

ご多聞に漏れず七夕逢瀬なく

人民服よもや彼が着ようとは

7/8

如才なくミニヒマワリがこっち向く

花時も運不運なりつゆの中

十七音心の浮沈見透かされ

7/9

断腸の想いレガシー飾り立て

打たれても老舗吉本笑い取り

石の上死語の三年新卒者

7/10

おもてなし土産は要らぬ五輪株

虚無僧が天蓋被ってライブ打ち

孫たちに遅れて十年嵐くる

7/11

プチ冒険重ねて此処に小心者

カサブランカ一輪咲けば よっ！大将

メンフィスで再度エルビス腰を振り

7/12

主に似て真っすぐ伸びぬヘボキウリ

天水にボウフラ湧かし動物記

六割に掛けてハイク梅雨最中

7/13

空梅雨が今は恨めしゲリラかな

競技より景色に見惚れトライアスロン

歯磨きは腰を屈て我が手引き

7/14

相すまんそっぽ向くユリそっと切り

回想の序章はいつもセピア色

飛び込んだ店に老爺はめくるめく

7/15

四里の道ゆうやけこやけ詩は肥え

棋聖戦目がまわるほど深く読み

メダカの稚魚生まれ寿ぐ老いの友

7/16

洗い物受けて白寿は恙なく

ネット旅宝さがしで日が暮れる

黒い雨大雨小雨のふるい分け

7/17

梅雨明けて五輪とコロナ鍔迫り合い

カンフーも五星紅旗に跪き

千人の対岸の火火の粉飛び

7/18

尻込みもしたくなるよな余命表

姦しにまじめ亭主が傍に付き

I R しかと ハマっ子品定め

7/19

見通しは不確かクラウド八十路

黒雲がテレビに描く抽象画

遠慮して香り潜めたユリを挿し

7/20

そう言えば心当たりの BACK TO BACH

比国から帰るかけ子は手錠かけ

申し訳ないほど青空ここ三日

7/21

五輪丸待てど海路の日和なく

戸車を替えて網戸は機嫌よく

お気に入りTシャツ躊躇う新疆綿

7/22

脱ぐために体を作るわけでなし

老夫婦操り人形見えぬ糸

オンラインメンズムースを塗りたくり

7/23

美女美男知る由もなくマスク顔

ここだけとノーマスクのジムプール

鉢植えのアイコトマトに惚れる朝

7/24

重い腰やっと猛暑のすだれ掛け

重い腰やっと猛暑のすだれ掛け

開いたなら開いたで五輪無事祈り

7/25

開会式〆のボレロが気にはなり

YOU TUBE 汲めど尽きない好奇心

へぼキウリ身内も礼を弁える

7/26

反カジノ選り取り見どりの市長選

食べるだけ生ってくれれば万願寺

シオカラも日陰に憩う思慮深さ

7/27

ようやるな競泳女子の１５００

水一杯みどりの生死采配し

蹴上がりができればよろこび一生もん

7/28

蹴上がりができればよろこび一生もん

金銀銅一億人の贈り物

スケボーも五輪の一隅よく照らし

7/29

感染者油断五輪を突っ走る

日陰から今や日向のストリート

MJQシャイな男のカルテット

7/30

金メダル取れても憂いの患者数

水ちょうだい朝な夕なの花の声

木偶の坊長所短所を塗り重ね

7/31

口達者疎まれだすは減らず口

上手すぎて覇者の泳ぎは身に余り

水しぶきだけは負けないジムプール