森へ！！！

　この話題は相当してきたので、もういいよ、というひともいるかもしれませんが、平にご容赦を。

　何度書いても書き足らないくらい、『ピアノの森』はすごいことになっているのです。

　ショパン・コンクール第二次審査。

　作中で重要な位置にいる悲運の天才ピアニスト阿字野壮介。その彼を継承する唯一のピアノを弾いたパン・ウェイ。

　自身の殻を打ち破り、コンテスタントからピアニストへの成長を果たした雨宮修平。

　ポーランドのショパンを見事演奏してのけたレフ・シマノフスキ。

　他にも幾人か目を見張る演奏をしたけど、目玉となるのはこの三人だと思う。中でも僕が好きなエピソードは雨宮修平で、これは以前にも書いた通り。

　これら全てが心震わす演奏であったけれど、とりとなる主人公一ノ瀬海の演奏は、そのどれもが霞むほど凄まじい。

　それはひとえに作者一色まこと先生の腕によるもので、これはもう漫画の次元が違うといっていいと思う。

　画力がどうとか、登場人物がよくかけているとかそんなレベルでなく、表現力が別の次元に来ている感じ。

　ショパンとかピアノとかマズルカとか、そんなの全然わからなくても心震える。カイのピアノを聴いて感動する作中の人物達と同じ感動を、音楽を聴くことなく味わうことが出来る。

　これはもの凄いことなんだよ。

　もう散々云い尽くしたから、ぜひ見て欲しいなんてことはもう云わない。

　でもね。やっぱりこれだけは云う。

　一色まこと先生が描く『ピアノの森』が大好きです。