”黙殺の音”低周波音 silent killer

サイト「黙殺の音 低周波音」http://yatanokarasude.gozaru.jp/tei/tei.htm

GHP(ガスヒートポンプ)による「騒音被害」が、「低周波音被害」へ進行 3

2023-08-16 11:00:26 | GHP(ガス・ヒート・ポンプ)騒音

    

8)問題は最初の設計

そんなこんなで日が流れ、設置工事の前日に例の”事後報告コンビ”がやってきてまたしてもやってくれた。当初は換気扇の排気方向を横に変更するという話だったのだが、「大きすぎて立地境界線を超えてしまうので現状と同じ下方排気になってしまいました」と。それでは窓を開けると私の部屋に臭いが盛大に入ってくる状態が改善されないので、「下を向いている口をダクトか何かで横に向けられないのか」と尋ねると、「給湯器のメンテナンスをする人間が通れなくなるので出来ません」と言う。「そんなものは表側から回ればいいことで無理にバックヤードを通って行く必要はないだろうし、いざとなればフェンスを乗り越えればいいだけのことではないか。そもそも壁のスリットから大気解放というとんでもない設計自体が問題なわけだが、消音器など付けずとも屋根までダクトを伸ばして排気すればいいではないか」と言うと、「ファンの静圧が足りないので今からでは無理です」と宣う。ボイラーの煙突があったのを鉄板で塞いでわざわざ壁から排気するように変更したのはなぜなのか。そのまま流用して屋根の煙突から排気することがそんなに難しいことなのか。

とにかく、あれはだめこれはだめとどれもこれも最終的には最初の設計が障害になるものばかり。「いったいどこのどいつが手がけたものなのか」と尋ねると、「市が依頼した外部の設計業者だ」という。金だけだして丸投げの構図か…。「そのトンデモ設計者を連れてこい」と言っても応じない。「そもそも、その諸悪の根源はこの惨状を見たことがあるのか」と聞くと、「工事中に何度か見に来たことはあるようですが…」などと言う。自分の目で見てなおこれなのか。そのような輩は資格を剥奪した方がいいのではないか。まぁ臭いは一時のものだし窓を開けなければ害はないのでひとまず後回し。なお「防音パネルについては通常は50mmですが特注で200mmあります」などと言っていたが、波長の長い重低音にはその程度の差は誤差の範囲でしかないんじゃないのか。増えた厚みは吸音材によるものだろうし、さして意味があるようには思えない。警笛のような音には効果があるかもしれないが。また、「全部の設置が終わったらもう一度計測するんだろうから、設置する前と後の計測値を開示しろ」と言ったら「上の者と相談します。」と歯切れが悪い。言わなかったら隠匿していそうだ。


9)防音工事開始

そして工事の日がやってきて、まずは換気扇かららしく吸音箱がクレーンで吊り上げられていたが、自分の身長ほどもある大きさに驚くと共にそこまでの大きさが必要なほどの音を出していたということの証明だなと思った。換気扇の排気は中高音が主体なのでこの箱だけで近づかなければわからない程度にまで小さくなったが、道行く人は皆あれはなんだと注視するほど無骨で、綺麗になったばかりの保育園はいきなり美観が損なわれた。まぁ自爆なので同情の余地はない。

翌日は壁の資材が運ばれてきて支柱を建て始まったのだが、なぜか常時動いている2号機ではなく気温的にあまり動かない3号機からであった。そしていざ作業を始めてみると、3号機のみ基礎に手を加えることなく流用したため、面積が足りず支柱の足は半分宙に飛び出ているし、水捌けのために傾斜しているせいで水平が出ておらず基礎と垂直に柱を立てると斜めになる、といった状態のため遅々として進まない。部屋にいても外からは「穴が合わないぞー」や「どうすんだよこれ」という声が聞こえてきたし、4本目が建ったころには日が暮れておりその日はそこで終了。しかし3本目は見るからに傾いていた。

次の日も前日の続きで、ひとまず垂直に柱が立った部分だけパネルを上から落とし込むように積み上げていき、傾いてる柱はどうするのかと思いきや、基礎と足の隙間にバールを差し込んで小さく切った鋼板を何枚も挿入して帳尻を合わせるという荒技に出た。あちこちの足の下に小さな鋼板を挿入し一通り垂直が出せたのか次にパネルを挿入し始めたが、力業のしわ寄せが出たようでパネルが途中で引っかかって降りていかず、やむなく支柱上端の固定ボルトを外して逆ハの字状に広げて落とし込んだり、引っかかる度にバールでこじってずり落としたりと、なかなかにワイルドな作業風景であり、最上段に至ってはパネルが填らず角材でド突くという壁の設計者が見たらどう思うのだろうかという光景が展開されていた。

翌日は休日であり作業員が居ないので至近距離で眺めてみたが、なんだこれはというところがいくつもあった。強引に垂直にしたために基礎から支柱の足が数センチも浮き上がり、パネルが基礎と密着せず最下部に中が見通せる開口部が出来ているし、壁際の配管周辺はペラペラの鋼板1枚で蓋をしてあるだけなので叩くとクワーンと鳴く。加えて片側が支柱に固定されてるだけで反対側がフリーなので振動板と化しているし、あちこちバールでこじったために傷だらけで無惨な姿。支柱とパネルの間に隙間が空いている部分もあり、そこには細長く切った鋼板を被せて目隠しをしてあった。とはいえまだ作業の途中なのでとりあえず生暖かく見守ることにした。

週明けには1号機の資材が運ばれてきており、そちらを先に終わらせるようで3号機の処置は後回しにされていた。こちらは天井が開いた箱状のものをすっぽり被せるだけなので、特に問題もなく順調に進み、最後に上に消音ボックスを乗せて大枠としては一日で終了。

不定期に出る警笛のような謎の音だが、防音工事会社の現場監督が来ているときにちょうど2号機から鳴り出し、ふと窓から見てみると正面にいたその人物がパネルを押さえたり耳を近づけたりと出所を探ろうとしている様子が確認できたので、突撃していってこの音はなんなのだろうか?という話をしてみた。この音を聞くのは初めてだったらしく、どこか異常があるのではないかという話になったが、1台だけなら不良とか個体差と言えなくもないが3台全部が同じだぞと言ったら、なんでこんな音がするのかわけがわからないと首を傾げていた。自分も一緒になって音源を探してみたが、どうも右下の底板のあたりから出ているみたいで、それが基礎で反射して架台の隙間から前後に放射されてるような感じだった。少なくとも正面から見て右下のあたりなのは確かだというのはお互いの共通意見だった。メーカーに相談した方がいいかもしれないなぁと言いつつも、防音壁の設計に際して提出された資料にはこんな音のデータはなかったのでメーカーでも把握していないかもしれないとも。当然壁の設計にもこんな音は考慮されてないので困るなあという話になるわけだが、だから俺が何度も言ったじゃないかと。計測時には出ていなかった変な音が出てるから壁の仕様をシミュレーションしてる人間にもう一度実物を確認しに来るように伝えておけと。設備課の人間は一体なにをやっているのか。

翌日も同様の物を2号機に被せるだけなのであっさり終わった。



10)”要塞”出現

そしてこの時点で保育園の東側はガルバリウム鋼板に囲まれたもはや要塞と形容すべき外観になっており、無骨な威容を誇る見た目に生まれ変わった。こんな無惨な姿になってしまったことに対して誰か詰め腹を切る者はいるのだろうか。

そして防音壁に囲まれたあとの2号機の音だが、予想通りに比較的高い音域の所謂低音という帯域は小さくなったが、空気の振動とも呼べる低い周波数の音は消えておらず、体に感じる圧力は依然として継続中という結果に。3号機はそもそも階段下という狭い所に無理矢理押し込めたうえに、壁と階段の隙間はショートサーキット対策で塞ぐことが出来ないため、前方と側面を遮蔽しても裏側から回折して漏れてくるという最初から無理のある構造であり、加えて最下部の隙間もまだ塞がれていないので漏れ放題という状況。この点について防音工事の現場監督に確認してみたが、L型アングルとコーキングで塞ぐとのことであった。それでは体裁だけで意味がないのでは?

次の日は全面的に作業が休みだったので、消費者安全調査委員会に申出書を提出するために正確な型番を確認するべく、園長の立ち会いの下で防音壁内部に入らせて貰い、製品ラベルを撮影させてもらったのだが、3号機の扉を開けた瞬間に余りの暑さに驚いてしまった。上方が階段で塞がれ、更に側面を壁で囲まれたためにショートサーキットを起こしているようで、30℃越えの屋外から入っても遥かに暑いと感じるほどの環境温度になっていた。壁と階段の間に数十センチの隙間はあるのだが、位置的に煙突効果が生じていないようだった。あれでは効率は確実に低下しているだろう。撮影後に園長と話をしているときに厨房の職員が外へ出てきたので、壁で囲んだことで厨房内部の音はどうなったかと質問してみたところ、「かなりうるさくなっている」とのこと。そして「こんな音を今まで外部に浴びせて迷惑を掛けていたのだなと実感した」とも。まぁお互い被害者なので仕方がない。

翌日、現場監督に内部が灼熱になっていることについて聞いてみたところ、「まだ内部に仕切りを付けていないのでそうなることは承知しており、これから作業するので問題ない」とのこと。まぁ効率が落ちようがオーバーヒートしようがこちらは一向に構わないのでどうでもいいことではあるが。


11)市長宛に投稿”

まだ3号機の壁は完全ではないが、1号と2号で不十分だという結果が出たので、市長への提案制度である「わたしの提案」宛に一連の出来事をまとめてGHPを騒音規制の対象にという要望を投稿したのだが、その日のうちに既に顔馴染みになってしまった保育課の主任が突然やってきた。「どうしたのか」と聞くと「市長公室から当方の文章が回ってきたので、壁の状態の確認も兼ねて来た」らしい。保育課と設備課に押しつけて逃げた環境課についての苦言を呈しておいたからか、今回ばかりは逃げるわけにもいかず「保育課、設備課、環境課の三者で話し合いの上で回答を作成し、市長が目を通したうえで当方に書面で送られてくる」という話だった。加えてGHPの導入に至った経緯のまともな説明が未だにないことと、自らの決定がどのような結果を招いたのかを実感してもらうために、「導入決定に関与した面々を連れてこい」という要求に一向に応えないことに対する苦言に対応するためか、「今度係長を連れてくる」とも言っていた。


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