”黙殺の音”低周波音 silent killer

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急性風車病 続 風車を”聞き”に行く 再々稿 修正改稿2023-11-15 09:39:56 初稿2008-06-12 08:20:10

2024-03-16 15:07:50 | 風車被害

急性風車病 続 風車を”聞き”に行く 修正改稿 初稿 2008-06-12 08:20:10

田原市 久美原風力発電所→臨海風力発電所→炭生館

 前回は実際に稼働している風車の状況を知ることができなかったので、6月初めの木曜日、久美原風力発電所近くのOさんに風車の稼働状況を確認したところ、元気に回っていると言うことなので出かけた。

 私としては、勝手に、辺りを圧し、頭が押さえられるような音圧を期待したのだが…、確かに風車は元気に回っていたが、風が強すぎて(風速8m)いわゆる微妙な超低周波空気振動は、家の外も中もあまり感じられない。彼も、もう少し風が落ち着いている春秋の方が苦しいと言うことだ。

 一応、私は、風切り音でもなく、機械音でもない、彼が言うところの嫌な音は聞き取れたのだが、当日は家の裏の方にある高圧電線のヒューヒュー言う音の方が煩いくらいだった。

 で、風車の真下に行ってみたが、ここも基本的には風車の風切り音が凄い。”チョット聞き”では、タワーの出入り口から漏れてくる機械音の方が酷い。だが、この音はOさんの家までは聞こえて来ないという。で、何のきなしに、タワーを触ってみたところ、厚みが10cm くらいは有るはずのタワーの鉄板が、「ビ、ビ、ビ、ビ」と振動しているではないか。一緒に行った建築士のT君が「これだけの厚みの鉄板が振動するのは凄いことです。普通のビルで毎日これだけ振動していたらかなりやばいのではないですか。」と言うことだった。まー、高層建築はこれより凄いはずだが、それはもっとユラーり、ユラーリと揺れて「揺り殺して」しまうようだ。

 で、まー、私としてはタワーの振動が超低周波空気振動を創り出すという考えに落ち着いたのだが、その振動エネルギーが現実として彼の家にまで伝わるのかどうかは解らない。それが解る人は、大手の建築会社やそれなりの研究所みたいなところに居るのであろうが、我々一般人として知りようがないし、また、こう言ったことには決して口を出さない。

 結局、T君は「風車登頂部分(ナセル)内の機械音(発電機と増速機)と下部の冷却器、トランスの騒音がタワーにより増幅されるのではないか」と言う意見。ただ機械音はOさん言うところの160Hzの方ではないかと私は思うのだが、詰まるところ、どれが、どれかを特定することは難しい。
 恐らく、特定するには一般の工場騒音のように、風が無い時に、ナセル部分の機械を止めて個々に動かして周波数を確認するしか無いのではと言う、現実的には実現が困難な方法しか無いと言うことで終わった。


 確かに、風が無くては風車は動かない。動けば風のせいにされる。被害者が一番苦しい時の状況を捉えるのは難しい。汐見先生が言われる様に、専門家にしても風車の測定は「大変厄介な測定」であると確認した次第である。

 この後、通りがけに見た平成14年から稼働している小型風車の回転は「クルクル」と少し見ているだけで目が回るような感じで、随分速いような気がする。ただ、小さいからそう見えるだけ、実際の回転数は変わらないかも知れない。

 この風車は蔵王山という田原市の展望台にあたる頂に有るのだが、昔、冬場の晴れた日に登った時には、海越しの遙か彼方に富士山が見える様な見晴らし絶好の場所で、もちろん風況が良いということで造られたのだろうが、建設当初その麓の家々から「音が煩い」という苦情が沢山あったそうだが、結局、気のせい、と言うことで苦情は立ち消えになったのか、させられたのか解らないが、今は問題になっていないそうだ。



 到着した田原臨海風力発電所は、低周波音が解る人間ならここへ行けば数分で目が回ると言うことなので行ったのだが、辺りが殆ど埋め立て地の工場地帯に2000kW・11基が、西側から北側に掛けて工場地帯のフェンスのように並んでいる。畑地の丘陵地にぽつんと建っている久美原や細谷のとは様子が全く違い、文字通り「ウインドファーム」である。当日は風速 12~13mで久美原より風が強い。上空の風車の風切り音が凄い。多分これが、”It sounds like airport.” と言う事になるのではなかろうか。風がもう少し静かなら一層その感じになるのであろう。

 従って、ここも、音がぶっ飛んでしまうのか、私のイメージのような状況ではなかった。しかも立派な柵がありタワーに触るような事は出来ず、振動を感じるような状況になかったが、恐らくここの振動の方が凄いような気がする。だが、出入り口から発する音は久美原に比べ全く静かであった。同行したOさんの話では、「久美原の出入り口からの騒音は異常」と言うことである。

 しかし、そんな中で一本だけ別に建っている「リサイクルセンター」の風車は近くに建物があるのでそこで風を避けながら耳を澄ましたところ、「シュバ、シュバ、…」と言う風切り音に混じって聞こえる「ドー」と言う音は、タワー全体から聞こえてきて、明らかに“筒状の響き様の音”であった。確かに聞こえてしまい、“感じる”超低周波空気振動という感じではなかった。
 T君は、「ビルの機械室へ入ればどこでもこういった音は聞こえるんですが、これが低周波音ですか? それならぼくも聞こえます」と言うこと事で、確かにそう言った音の方が大きいことは確かである。そして、その音は間違いなく「電気的」音で、と言うことは60Hzと言うことになり、これも低周波音であることには間違いない。

 最近の風車は大型化と機械部分の騒音防止はかなり改善されそうで、明らかな騒音は少ない。それには「風車のゆっくり回転」が伴っているらしいが、思うに、これが恐らくこのところの日本の家電製品と同じ「静音化=低周波音化」をもたらしたのではなかろうか。となれば根はエコキュートと同じなのだが。

 今の風車状況はこの数年の話しであり、それまでのいわゆる「煩い」と言う、風車騒音とは全く別の次元になっているのでは無かろうか。世界の風車騒音研究の多くが当にこの数年であるのと見事に符合しているので、海外からの低周波音による風車被害の研究はこれから本格化するのではなかろうか。



 久しぶりに田原を調べてみたが、あれから16年の2024/03時点で、google Earthを見る限り、上記二重線の間の雰囲気は無く、当時、別世界に来たような広-い空き地には、コンビニやトヨタの社宅なんぞも建っているようで、これまた別世界になっている様だ。巡る、巡る…


黙殺の音 風力発電問題の極め

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