![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/66/6ae2da22386f9b3dadaa10d592d97c7f.jpg)
地球生物会議ALIVEさんが平成9年から実施している「全国動物行政アンケート調査」の
平成25年度版 結果報告書が発売になりました。
「全国動物行政アンケート結果報告書 平成25年度版」は
ALIVE Online Shopで購入できます。
「全国動物行政アンケート結果報告書」については
拙ブログで、たびたびご紹介してきました。
昔は、年度が終って翌年2月に発行してましたが
その後、5月発行となり、平成24年度版はさらに遅れて7月発行となりました。
平成25年度版は、平成27年度中に発行されませんでしたので
もう発行しないのかと思ってましたが、ついに先月に発行されました。
オンラインショップの表記では、なぜか2015年10月発行となっています。
昨年暮れに事務局の移転があり、販売作業が遅れたようです。
環境省がすでに平成26年度のデータを発表してますので
その前年度のデータはもう必要ないのでは? と思われるかもしれませんが
「全国動物行政アンケート結果報告書」は
データ内容(アンケート回答)がものすごく細かいのでとても参考になります。
実際のアンケートが本書に掲載されてますが、
引取り数、譲渡数、処分数などのデータだけでなく
施設設備の詳細や、譲渡事業の詳細、災害時の救護対策などなど収録し
今回はA4サイズで17ページ分 大項目で22、個別項目で74もの設問があります。
このアンケートに全て答える自治体担当者さんも偉いと思いますが
長年100%の回答率が続いているアンケートですので
もし協力しない自治体があったら、すごく目立ってしまうと思います。
前半に「まとめ」ページがありますが、詳細なデータによる検証は40ページもあり、
これ以上詳しい動物愛護行政の参考書は他にないと思います。
ちなみに昔は簡素な報告書でした。
私が持っているいちばん古い「全国動物行政アンケート結果報告書」は平成16年度版ですが
表紙を含み全44ページ(本の厚さは約2ミリ)まとめページは10ページだけでした。
平成25年度版は、表紙を含み全166ページ(本の厚さは約11ミリ)
9年間で約4倍も内容が充実しました。
これは、世間の動物愛護に対する関心を反映しているのだと思います。
一部のデータをご紹介しますが、
その前に、動物行政にかかわる自治体について説明します。
日本の自治体はたくさんありますが
1都、1道、2府、43県の47都道府県は「包括的地方公共団体」と呼ばれます。
これに対して市区町村は「基礎自治体」と呼ばれます。
では、日本に市区町村はどれくらいあるかご存知でしょうか?
wikipedeiaによると2015年4月1日現在
790市
745町
183村
23特別区
合計1741 だそうです。
この数は短期間にどんどん減少しているようです。
大正11年12,000→昭和50年3,400→平成11年3,232
と市町村の合併が進行中です。
この自治体全てで動物行政が行われているわけではありません。
平成25年度の動物行政を所轄した自治体は
47都道府県、20政令指定都市、42中核市および8つの保健所設置市の117自治体です。
ただし紙面の都合で、保健所設置市の一部を県と道の統計に含め
ALIVEさんのアンケートは113自治体から回答されています。
詳しい個々の自治体名は本書でご確認ください。
年始にお伝えした環境省のデータは自治体別データでしたが
ALIVEさんは、地域別で作成しており、自治体別ではありません。
※わかりにくいですが、例えば「千葉県」と表記があるのは
行政管轄としての千葉県だけでなく、政令指定都市である千葉市と
中核市である船橋市、柏市のデータも含んでいることを表します。
本書には、たくさんの統計データが収録されてますが
私は、以下の3つのデータに注目します。
まずは「殺処分数」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/1c/9ab096b12e2904737450a9d86974c269.jpg)
なんと、福井県は犬も猫も、犬猫合計も全て全国1位です。
ベスト10はほぼ東日本が占めていますが
とくに目立つのは富山、石川、福井の北陸三県です。
もっとも、収容数が少ない自治体の殺処分数が少ないのは当たり前です。
そこで、収容数に対して、何割くらいを救命したのか(生存率)を調べます。
収容数が少なくても、返還や譲渡が少なかった自治体はワーストに入ってしまいます。
計算式は(返還数+譲渡数)÷収容数です。
例)(返還数500頭+譲渡数500頭)÷収容数1,000頭の場合・・・生存率は100%です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/ef/b3468a242cd73e1c90aed1bc6ffc1bf6.jpg)
北海道と神奈川県が目立ちます。
とくに全国的に生存率が低い猫がおよそ半数生存しているの素晴らしいです。
もしかしたら、気候の関係で北海道には野良猫が多くないのかな?
とも思いましたが、本当はどうなんでしょう?
犬も猫も収容数が多いと思われる東京都、神奈川県、埼玉県といった
首都圏の自治体の生存率も素晴らしいです。
また、犬の譲渡数が多く猫はもう少しだと思っていた千葉県が
猫生存率全国7位で、犬猫合計でもベスト10に入っているのは意外でした。
もしかしたら、千葉市、船橋市、柏市などの努力があるのかもしれません。
ワーストでいうと高知県の猫の生存率0.2%はあんまりですね。
逆に言うと殺処分率99.8%つまりほとんど救命できてないわけですから。
さいごに譲渡率(収容された犬猫のうちどれくらいが譲渡されたか)を見てみます。
計算式は譲渡数÷(収容数-返還数)です。
例)譲渡数100頭÷(収容数200頭-返還数100頭)の場合・・・譲渡率100%です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/60/ec8f15e37a26b5504ab5d65538aac657.jpg)
もちろん、ALIVEさんの統計でも、千葉県の犬の譲渡数はダントツで全国1位でしたが
収容数もとても多いので、ベスト10圏外になってしまいます。
ここでも、千葉県の猫の譲渡率が5位タイだったのが意外でした。
犬猫合計で全国4位です。
高知県の猫の譲渡率0.0%はあんまりですね。
最後に、ALIVEさんの報告書とは関係ありませんが、
気になったニュースをひとつ。
生後8週まで子犬、子猫は親元に 札幌市「努力義務」全国初の条例化へ
sippo 2月2日(火)12時10分配信
これは応援したいですね。
上で紹介したデータでも、北海道の数値が優勢なのはよくわかりますね。
ぜひ、全国100を超す自治体に波及して欲しいです。
今回のお話は、次回に続きます。
今回掲載したデータ数値は
地球生物会議発行「全国動物行政アンケート結果報告書 平成24年度版、平成25年度版」より
使用させていただきました。
上記「出典」を明記しないでデータを使用することは禁じられております。
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