ワールドまでカウントダウン ～世界フィギュア選手権2015

怒涛のようなシーズン初めから年末まで。
羽生結弦選手は数々の困難に直面し、それでも奈落の底から何度も這い上がっては光り輝く高みで微笑んでいた。
あの優しげな微笑みや中性的な容貌に最初は彼のことを誤解していたかもしれない。
でも次第にあのたおやかな優しい表情の奥に隠された本当の彼の一端を垣間見てからは私の中では印象がガラリと変わったのだ。
ものすごい闘志と負けず嫌いと完璧主義・・その風貌に似合わない鋼のような強さはどうだろう。

中国杯の衝突事故のあとの鬼気迫るようなファントム。あの目は忘れられない。
観る者の魂に突き刺さるかのようなものすごい眼差しだった。
かと思えばキスアンドクライで無邪気に喜びを露わにしてはしゃぐ姿は別人のようだ。
でもそれが彼の魅力。決してつかまえられない天使は、笑いながらするりと身をかわし、また微笑む。

来週はついにワールド。彼にとっては忘れられない事件があった地・上海で世界フィギュア選手権が開かれる。
様々な情報に一喜一憂するけれど、今は静かに時が満ちて彼が銀盤の上に登場するのを待ちたい。

銀座・数寄屋橋の交差点で街を見下ろしていた巨大な羽生君のポスターは昨日までだったそう。
昼間も撮影したけれど、夜の方が幻想的できれい。

どうか来週は上海で納得のいく演技ができますように。
ぜひとも悔いなく戦ってこのシーズンを輝く笑顔で締めくくることができますように。

もちろん無良選手、小塚選手も思い切り自分の演技ができるように願っている。
あと１週間。すでにカウントダウンは始まっているのね。