≪第54回全国大学ラグビー選手権大会≫ ~秩父宮・キンチョウ~
【準々決勝】
帝京大(対抗戦1)68-19 流経大(リーグ3)
東海大(リーグ2)33- 7 天理大(関西1)
明治大(対抗戦2)27-21 京産大(関西2)
大東大(リーグ1)33-28 慶応大(対抗戦3)
ラグビーの大学選手権は快晴の下、
東西の2会場で準々決勝が行われました。
その結果、
対抗戦とリーグ戦で1・2位となった強豪4校が、
それぞれの戦いを制して4強入り。
あたかもトップリーグのように、
2つのグループから2強がたすき掛けになって、
1月2日の準決勝は興味深い対戦となりました。
準々決勝の第1試合は、
対抗戦優勝の帝京大が王者の貫禄を見せて9トライの圧勝。
FW・BK一体となったパワーとスピードの融合は、
やはり学生ラグビー界では突出した力があります。
帝京大にとっては、
次に準決勝で対戦する東海大が学生の中では最大のライバル。
準決勝の『決戦』に向けて、
モチベーションが上がっていることでしょう。
その帝京大に、
2年連続決勝の舞台で敗れている東海大。
なんとしてでもその帝京大に借りを返して初優勝に輝きたい東海大は、
大黒柱のFB野口に、
タタフ・モエアキオラの日本代表FWを有し、
関西リーグを圧勝で勝ち上がった天理大に挑みました。
リーグ戦の戦いぶりにはやや疑問符の残った東海大でしたが、
この日の試合はほぼ完ぺきな出来。
天理大の強力FWの鋭い出足をことごとく前で止め、
ゲインラインを切らせない見事な守備を見せてわずか1トライに抑え切りました。
反対に攻めては強力FW陣が次々と相手守備陣のラインを突破。
一人でゲインを切れる突破力を持った選手が多いため、
天理大守備陣はどうしてもそこを止めざるを得なくなり、
穴の開いたところに東海大が鋭い攻撃を仕掛けていきました。
接戦が予想された試合は、
終わってみれば東海大が33-7と圧勝。
帝京大戦に、
これ以上ない弾みのつく勝利となりました。
昨日の試合を見る限りでは、
東海大と帝京大との”差”は、
ほとんどないように見えます。
後は『試合巧者』の面も併せ持つ帝京大に、
どのように試合を組み立てていくのかが焦点です。
帝京大は徹底的に東海大の強みを消しに来ることが考えられます。
そしてそれを大舞台でできるのが帝京大の真の強さ。
それから東海大は、
帝京大の快足ウィング・竹山をどう止めるのかも焦点ですね。
スクラムで優位に立ちたいのはどちらも同じ。
試合の入りで東海大が優位なFW戦を構築すると、
今年こそは『もしかしたら・・・・』もあり得る対戦です。
反対側のブロックでは、
明大と大東大が勝ち進んできました。
リーグ戦で東海大を破り優勝に輝いた大東大は、
立ち上がり3トライを立て続けに奪って『一方的な試合になるの?』と思われながら、
その後は慶大のテンポの速いラグビーにかき回され、
ぎりぎりで逃げ切っての4強進出です。
この日の試合は、
良くも悪くも「大東大だなあ」ということを強く思わされた一戦でした。
トンガ人留学生の突破力を中心とした強烈なFWの圧力でグイグイと前に突進するラグビー。
ポポイ・ノホムリの時代から、
変わらぬ伝統芸を見せられている感じで、
何十年かぶりの”緑の突進”に、
懐かしい思いに浸らされました。
その強みが前半の開始早々だとすれば、
『守勢に回った時はからっきし』という”弱み”を垣間見せたのは前半の中ごろ以降。
特にアマト・ファカタバがシンビンで一時退場してからは、
慶応のテンポについて行けなくなっていました。
この日の試合は慶応が惜しいところでミスを何度も犯してしまって、
最後はそのミスが響いてしまう試合となったのですが、
大東大は『豪快さと粗さを併せ持つ』チームカラーで、
どこまで駆け上がっていくことができるでしょうか。
それにしても大東大のスクラムは強烈。
何度も慶応の8人をめくりあげていて、
空恐ろしい破壊力でした。
準決勝の相手は、
明大と決まりました。
明治は今年の対抗戦、
最後の早明戦で早大に勝って何とか2位に潜り込んだものの、
帝京大、慶大には敗れて5勝2敗の成績でした。
大学選手権でも、
この日の戦いぶりを見ていると『今一つかなあ』と思わざるをません。
まとまりと結束をもう一度確認して、
大東大に挑んでいく試合になると思われます。
FW戦ではかなりやられてしまうはずですが、
スクラムなどでどれだけ耐えられるかが、
試合の帰趨を決めると思われます。
早、慶が敗れて、
近年決勝にコマを進めることも大変に難しくなった名門の3校。
日本のラグビーの象徴ともいえるこの3校が、
昨年は揃って年内で敗れ、
正月を超せないという異例の年になりましたが、
今年は何とか明治が面目を保ちました。
『ストップ・ザ・帝京』
それを最も望んでいるのは、
その3校のOBだと思います。
しかし今年の大会を見ると、
帝京大、大東大、東海大の3校から、
明大は一歩遅れた位置にいるというのは、
衆目の一致するところでしょう。
しかしラグビーファンの多くは、
『メイジの奇跡』
に期待していると思われます。
どのような試合っぷりを見せるのか。
ワタシもとても楽しみです。
準決勝は1月2日。
秩父宮で行われます。
第1試合 帝京大 vs 東海大
第2試合 明治大 vs 大東大
面白いカードとなりました。
そして今年は、
この大学選手権が、
学生ラガーマンたちの文字通り「最後の大会」となっています。
その後に行われるトップリーグとの『日本選手権』はありません。
それだけに、
この大会が大いに盛り上がって、
しっかりと絞めてほしいと思います。
帝京大の前人未到の9連覇が成るのか?
それとも。。。。。
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