不動産経済研究所が21日発表した2014年の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)のマンション発売戸数は前年比20.5%減の4万4913戸で3年ぶりに前年を下回った。
消費増税前の駆け込み需要の反動で販売が落ち込んだことが響いた。1戸当たりの平均価格は2.7%増の5060万円と22年ぶりに5000万円を上回った。
不動産経済研究所が21日発表した2014年の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)のマンション発売戸数は前年比20.5%減の4万4913戸で3年ぶりに前年を下回った。
消費増税前の駆け込み需要の反動で販売が落ち込んだことが響いた。1戸当たりの平均価格は2.7%増の5060万円と22年ぶりに5000万円を上回った。
高齢期は民間の老人ホームで暮らすことを考えている人も多いはず。
急増しているサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)※や有料老人ホームなど、いろいろな種類があって分かりづらい。それぞれの特徴を踏まえてどう選べばいいのか紹介する。
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「もし、具合が悪くなってもスタッフに助けてもらえるので安心です」
千葉県船橋市のサ高住「ココファン西船橋」に今年5月から住む桜田イツ子さん(85)は笑顔を見せる。
10年前に夫に先立たれ、札幌市で一人暮らしだった桜田さんは、昨年末、掃除中に腰を骨折。都内に住む長男が心配し、ここを探してきた。
「ココファン西船橋」は、教材出版大手「学研」の子会社が運営する。部屋は18~59平方メートルの74戸。介護が必要な人向けの「介護型」が52戸、介護の必要性が低い人向けの「自立型」が22戸ある。食堂や、介護が必要な人向けの共用風呂などもあり、1階には介護事業所とデイサービスが併設されている。
「自立型」の桜田さんの部屋は約34平方メートル(約20畳)で、風呂、トイレ、キッチン付き。朝食は自分で作り、昼と夕食は食堂で取る。介護保険では最も軽い要支援1で、ヘルパーに部屋の掃除を頼んでいる。また、1階にホームの職員が常駐していて、緊急時や、用事がある時は、室内の通報装置でスタッフと話せる。
月額費用は、家賃・共益費が12万2200円。ゴミ出し、緊急対応などの「生活支援サービス費」が2万7000円。昼・夕食代、介護保険の自己負担分などを合わせ計約20万円だ。敷金は家賃2か月分。
事業所長の千田(ちだ)美保さんは「一人暮らしや高齢者だけの世帯の方が、安心を求めて入居されることが多い」と話す。
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高齢者の住まいには、公的な施設である特別養護老人ホームがあるが、入居待機者が非常に多く、介護の必要性が高くないと申し込めない。
自宅での生活に支障が出た人の住み替え先として急速に増えているのが、サ高住と有料老人ホームだ。
サ高住と介護付き有料老人ホームの最大の違いは、介護サービスが施設の内部で提供されるかどうか。
介護付き有料老人ホームの場合、施設の職員が入浴、排せつ介助などの介護サービスを行う。
一方、サ高住は、ホームの事業者とは別の介護事業所を選んで契約する。介護事業所が併設されていることが多いが、そこを利用しなくてもよい。自宅にいるのと同様、介護保険のサービスは利用した分の1割を自分で負担する仕組みだ。
分かりにくいが、有料老人ホームには「住宅型」というタイプもある。外部の事業所と契約して介護サービスを受ける点はサ高住と同じ。異なるのは、職員の配置がやや手厚いことなどだ。
高齢期の住まいの相談に乗っているNPO法人シニアライフ情報センター代表理事の池田敏史子(としこ)さんは「サ高住は、介護がそれほど必要ない時なら割安感があり、安心もある程度得られる。様々な事業者が参入し、玉石混交なので注意が必要だ」と指摘している。
一般的に、サ高住は有料老人ホームより費用が安い傾向にある=イメージ図=。ただし、費用は千差万別で、要介護度が3以上など、介護がかなり必要になると、サ高住も費用がかさみがちになる。費用や立地を基準に、複数のサ高住や有料老人ホームを見学し、良さそうと思ったら体験入居もしたうえで選ぶことが賢明だ。(針原陽子)
サービス付き高齢者向け住宅※ 60歳以上の人向けの賃貸住宅。高齢者住まい法に定められており、民間企業や医療法人などが運営していることが多い。部屋は原則25平方メートル以上でバリアフリー。安否確認と、具合の悪い時に医療機関を紹介したりする「生活相談サービス」が最低限提供される。食事など別のサービスも提供しているところが多い。都道府県への登録が必要で、現在約16万戸ある。